東京の南砂町にある公益社団法人日本住宅・木材技術センターで木材保存剤等性能審査委員会安全性部会が開催され、私も委員なので出席しました。
建物の玄関を入ったすぐの部屋の壁には楠(クスノキ)のりっぱな大盤(板)が展示されています。盤になっているとはいえ、直径から想像する伐倒前の木の大きさはどんなに巨大だったろうと見るたびに感動します。ラベルには推定樹齢700年とあります。何年前に伐倒されたのかはわかりませんが、700年前というとざっと西暦1300年前後になりますので、鎌倉時代で源氏が滅びて北条氏が支配していた時代に生まれ育った木ということになります。
説明書きを見ると、同じ木からとった大盤がインドの日本寺の看板、赤坂迎賓館日本庭園の待合室の椅子、独立行政法人森林総合研究所(つくば)の正面玄関の衝立(ついたて)にも使われているとのことです。
楠には樟脳(しょうのう)が含まれていますので、病害虫に犯されることもなく、鉄やコンクリートよりも長い寿命を保っているのでしょう。
今日の委員会の議題は、シロアリ防除のために建物の床下の土壌や土台や柱に処理する薬剤(殺虫剤と防腐剤)は、床上は居住空間で人が住んでいるので、必ず気中濃度を測定して吸入しても安全なレベルかどうかを確認することが必要だということを再確認することでした。