2012年7月31日火曜日

約束通り、千葉県森林研究所の福原氏が、培養したマツノザイセンチュウのKa-4 isolate(毒性最強)を持参してくれました。福原氏らは、この時期は野外で一日に2000~3000本の松苗に接種する作業をしているそうですが、今日は、千葉県松林復活プロジェクトに参加している千葉大学大学院博士課程の大学院生小林君を指導してもらってポット植えの松苗に接種しました。松苗の幹の粗皮をナイフで丁寧に剥離し、露出した形成層をのこぎりで傷をつけ(マツノマダラカミキリ成虫が当年枝を後食するのを模して)、培養したマツノザイセンチュウ懸濁液を1本当り約3000頭ずつ接種しました。このような接種作業は日中の気温の高い時に行うと、剥離した粗皮と形成層の間に滴下した懸濁液が短時間に吸収されて、センチュウの樹体内への侵入を促進するとのことです。

松枯れの発現症状を見ながら、松苗をポットから引き抜いて、センチュウ無接種区の松苗の白根(吸水根)とセンチュウを接種した影響で褐色化した白根を採取し、菌根菌の共生を妨害する二次代謝物質が生成しているかどうかを調べる予定です。仮説が正しければ、次のステップとして二次代謝物質の分離同定に進みますが、うまくいけばいずれ小林君の博士論文の一部になる筈です。
炎天下で汗をびっしょりかきながらの体力を消耗する作業でしたが、仮説通りの素晴らしい結果が得られることを想像しながらの楽しい作業でした。



2012年7月30日月曜日

市橋君のことで何人かの方からお便りが届いていますが、ブログには載せないでほしいと書いてありましたので内容は紹介しません。

6月20日に到着した娘と孫たちは、日本に40日間滞在して、今日成田空港からカリフォルニア州サンタモニカ市の自宅に帰りました。夕方17:15発の飛行機でしたが、念のため早目に車にスーツケース5個を積んで自宅を出発し、空港に着いたのは12:00 頃でした。チェックイン開始は13:15 頃と言われて、列に並んで待ちました。孫たちは退屈して、空港ロビーの椅子に腰かけてバックパックからニンテンドーのゲーム機を取り出して、夢中になって遊んでいました。時間がきて荷物のチェックイン手続きが済んで、孫たちが出発ゲートに向かう時には姿が見えなくなるまで手を振ってさよならをしました。朝から晩まで賑やかだった我が家は、また老夫婦二人だけの静かな生活に戻りますが、ロサンゼルス空港には義理の息子が首を長くして家族の帰りを待っている筈です。

2012年7月29日日曜日

全国農薬安全指導者協議会(安全協)主催の「農薬シンポジウム IN 千葉」は、千葉市文化交流プラザで予定通り開催されました。今回は、企画を担当した地元の農薬卸商会社の岩淵健二社長が開会の挨拶で、事前に独自に実施した農薬に関する意識調査(アンケート)の結果から、農薬に不安感を持ったいる人たちは何に対して不安を抱いているかを解析して報告しました。

私の基調講演に続いて、JA(農業協同組合)ちばみどりの宮内貴志次長が作物流通を担っているJAが安全を確保するために採用している各種取り組みについて紹介し、銚子野菜連合会の石上與一会長が緑肥を用いた土作りから収穫・出荷までのキャベツ生産の全課程について解説されました。千葉県の農産物産出額は、平成22年の統計では北海道、茨城県に次いで全国第3位ですが、中でもキャベツやトウモロコシの生産についてはJAちばみどり管内の銚子の貢献が大きいとのこと。

収穫1週間前のキャベツ畑では、周辺の畑で散布された農薬の飛散による汚染が起こらないように桃色の旗を立てて注意を喚起するのだそうです。ところが、これは畑泥棒にとっても収穫適期を知らせる合図になるので、この時期は警戒を厳重にして泥棒に盗まれないように注意をしているとのこと。農家が長期間かけて汗水流して栽培したキャベツを盗む人がいるというのは信じられない気がしますが、以前、収穫直前の水田から稲刈りをしてお米を盗むという事件が報道されていましたので、実際にあることなのでしょう。

質疑応答の後は、安全協の田中康貴会長の閉会挨拶で幕を閉じました。閉会後、主催者と講師は近くの居酒屋で反省会をしましたが、この席で農薬の流通や作物の流通に関していろいろな情報が得られ、私にとっては大変勉強になりました。