滞在しているホテルから自宅に電話をして妻に支援金をチェックしてもらいましたら、2月22日に振り込まれた4名の方(1人は12回目、1人は4回目、2人は初回)の支援金が届いていました。これで支援金の現在高は241,000円、延べ237人からの合計額は2,798,565円になりました。4回目の方からはメッセージが添えられていましたが、誤記するといけないので、明日帰宅してから紹介します。ありがとうございました。
(4回目の方から届いたメッセージは以下の通りでした。)
「私は手記のおわりに記されていた感謝ということの意味がわかっていれば、自分はあんなことをしなかったのではないかというところが一番心に残りました。感謝の心を持てば、人は皆謙虚になれると思います。人間、皆、誰にも共通の課題であるかと思います。」
今日の北海道農薬卸協同組合・北海道農薬小売商組合主催の農薬技術研修会は、札幌駅近くの札幌総合卸センターで行われました。午前中は、北海道農政部技術普及室の木俣 栄氏が平成22年に北海道で発生した注意を要する病害虫について詳しく説明し、さらに北海道中央農業試験場等で実施した作物保護分野における試験・研究の成果を紹介しました。
午後は、私が「無農薬=安全・安心」と言われていることが、実は自分の扱う商品を差別化して高く売るための虚偽の宣伝だということを説明しました。その主な理由は、厚生労働省が毎年公表している膨大な数の残留農薬分析結果から明らかなように、農薬を使って通常に栽培された農産物の99%以上でそもそも農薬残留は検出されないし、検出されても、ほとんどが毎日一生涯食べ続けても何の影響もない基準値以下だということ。 一方、無農薬栽培や有機栽培で病害虫防除に使われる農薬ではないとされる代替資材(いわゆる植物抽出液など)は農薬が混入されている場合が多く、それを知らずに使えば、農業生産者にとっても消費者にとっても環境にとってもかえってリスクが高いということ。例えば、10種類の植物の抽出液として販売されていた「夢草」にはシペルメトリンという合成ピレスロイド剤が混入されているのを私達が明らかにしたのは今から17年前の1994年ですが、最近では、「NEW碧露」(乳剤タイプ)にはロテノンと呼ばれる水質汚濁性農薬が、クララという植物の抽出液と称した「アグリクール」や、インドセンダンという木の抽出液と称した「ニームオイル」にはアバメクチンという毒物相当の抗生物質殺虫剤が混入されていました。こういう偽装資材を使って栽培された農産物が、無農薬とか有機とかのラベルを付けて高い値段で売られているのは馬鹿げたことです。
また、無農薬栽培した作物は当然病害虫の寄生を受けますが、そういう作物は防御物質(天然毒素)の生合成を活性化して対抗します。これらの防御物質は発がん性物質であったり、アレルギーを起こす物質であったりすることが知られていますので、農薬を適正に使って栽培した通常農産物よりも健康リスクはむしろ高まります。従って、「無農薬だから安全・安心」という主張には科学的な根拠が全くない、商売のための虚偽の宣伝だということです。
農水省農薬対策室の石岡知祥課長補佐は、農薬をめぐる最近の情勢について紹介しました。
約170名の参加者のほとんどは、農薬の流通に関わっている若手の社員でしたが、熱心に耳を傾けてくれました。
明日は早朝にホテルを出発して東京に帰ります。