2020年4月5日日曜日

昨日はC・W・ニコル氏が直腸がんのために79才で亡くなったというニュースが流れました。https://www.asahi.com/sp/articles/ASN445QZXN44UCVL004.html
79才ということは私と2才しか違わないし、英国生まれでありながら日本国籍を取得して、環境保護活動や作家としての活動をしてきたとのことなので、ネットで検索してみました。 
https://ja.wikipedia.org/wiki/C%E3%83%BBW%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%AB
に詳しい生い立ちが出ていました。

昔、英国のRothamstead という研究所で殺虫剤抵抗性の研究をしていたDr. Roman Sawicki という研究者仲間を訪ねた時に、私が英国(イギリス)のことをEngland と言ったらただちにそれは間違っていると訂正されたことを思い出します。英国はEngland、Scotland、Wales、Northern Ireland からなる連合王国だから、England は英国の一部にすぎないと指摘されました。だから英国のことは、UK(United Kingdom)かGreat Britain と呼ぶのが正しい言い方だと教えられました。つまり、英国というのは歴史と文化の異なる4つの地域(国)の連合体だということのようです。
ニコル氏のフルネームはClive William Nicol で、1940年にWales 人の母とEngland 人の父との間に 生まれたものの、母の再婚相手はScotland 人だったようで、複雑な少年時代を過ごしたようです。
その後、カナダで暮らしたり、極地探検を経験したり、エチオピアで暮らしたり、来日して日本大学で日本語と水産学を学んだり、結婚も何回かして子供も複数いるようですが、日本で亡くなるまでの彼の生涯は波乱万丈で、Full Life を生き切ったように思われます。

私も、ニコル氏が生まれた1940年の2年後の昭和17年(1942年)に今の北朝鮮の黄海道廣州で生まれ、3才の時に昭和20年(1945年)の終戦で日本に引き揚げてきて日本で育ちましたが、1978年にそれまで9年間暮らしたアメリカに永住しようと思って申請した永久ビザが却下された時は、真剣にブラジルに移住しようとしていました。結局アメリカ永住もブラジル移住も思い通りにいかなくて、アメリカから帰国後は日本で今日まで暮らすことになりましたが、ニコル氏の生涯と重ねて考えると、何となく彼の生き方が理解できるような気がします。