2024年9月5日木曜日

8月31日(土)の朝日新聞のbe on Saturdays紙3面のサザエさんの漫画(1973年11月7日に掲載)に関連した記事は気になったので切り取っておきました。有機栽培や自然栽培の意義を説明するために、化学肥料や農薬を使う慣行栽培の農産物は安全(リスクがゼロ)ではないと主張しています。病気や害虫が発生する有機栽培や自然栽培の農産物と、病気や害虫が防除されて発生していない慣行栽培の農産物とどちらのリスクが大きいかについては、2005年度日本農芸化学会大会で発表された小笹らの研究「りんごにおけるアレルゲンの発現と農薬防除による抑制」を見れば明らかです。
この記事でもう一つ気になったのは、「農薬のパラチオンを撒いたリンゴ畑を防毒マスクをつけて登校する子供たち」と題した1961年の写真を添付したことです。パラチオンは急性毒性が高くて多くの中毒事故が起こってとっくに禁止(1952年3月農薬登録抹消)になった昔の農薬です。今の農薬ははるかに進歩して安全性が確保されているにもかかわらず、こんな古い写真を添付したことは、1995年3月22日に警察機動隊が防毒マスクを着用してカナリアを入れた鳥かごを持参して山梨県上九一色村のオウム真理教施設に捜査に向かった時の景色を想起させ、まるで現在使われている農薬が猛毒のサリンと同じぐらい危険という印象を与える印象操作の気がします。朝日新聞には、いまだにこんな記事を書く記者がいるということは驚きです。