2011年3月17日木曜日

先日札幌を訪問した時に、滞在していたホテルで見た3月11日付けの北海道新聞に気になる記事があったので切り抜いておきました。最高検が実施した検事の意識調査で、供述と異なる調書の作成がされることがあり、検事の26%は上司からの指示があった、という内容でした。帰宅後同日付けの朝日新聞を調べてみたら、不祥事を受けて最高検が全検事を対象にアンケートを実施したら、検事の3割が問題のある取り調べを見聞きしたことがあると答えた、という同様の内容の記事が載っていました。

3月10日付けの朝日新聞には、「自白・布川事件の43年・上-物証ゼロ 供述を誘導」という見出しの記事が、続いて3月11日には、「自白・布川事件の43年・中-隠された大量の証拠」という見出しの記事がありました。布川(ふかわ)事件というのは、1967年に茨城県利根町布川であった殺人事件のことで、犯人とされ、無期懲役刑が確定した元被告2人が3月16日の水戸地裁土浦支部での再審の判決公判で無罪となる公算が大きいという事件だそうです(実際にそうなったかどうかは、地震関連記事が満載の17日付けの朝日新聞には報告されていないので私にはわかりませんが)。

検察が強引な取り調べの末に自白に追い込み、それと矛盾する証拠があっても提出しないことがあり、しかも上司がそれを黙認する、というようなことが現在の日本であるというのは信じられないようなショックです。布川事件の当事者の桜井昌司さんは、「無罪の証拠を隠すのは、有罪の証拠を捏造(ねつぞう)するのと同じ、税金を使って集めた証拠は、一体誰のものなのか。少なくとも検察だけのものではない」と憤っているとのこと。

市橋君の事件の裁判にも言える事ですが、司法制度への信頼が失われないように、検察は裁判で事実を明らかにするという基本を忘れないでほしいと思います。

今日も江戸川堤防上は凍えるような冷たい強風だったので、6kmだけ走って帰ってきました。