東京農業大学総合研究所研究会第32回総会が世田谷キャンパスの東京農業大学グリーンアカデミーホールでありました。研究会には23の部会がありますが、私はその中の農薬部会の現在の会長ですので、理事会、総会、特別講演、懇親会の全部に出席しました。総会では、長年にわたって総合研究所の発展と農薬部会長として研究会活動に貢献された山本 出先生が表彰され、研究会会長の槍田松瑩(うつだしょうほう)氏(三井物産株式会社取締役会長)から表彰状が授与されました。
特別講演は久保田紀久枝先生(お茶の水女子大学教授として長年食品の香りの研究をされて、本年3月の定年後東京農業大学教授に就任)が「食べ物のおいしさと香りの科学」という演題で、大変興味深いお話をされました。香りが味と密接な関係があることの簡単な証明として、コーヒーキャンディーを出席者に1個ずつ配って実験をされました。先ず鼻を指でつまんでキャンディーを口に入れて舌で舐めて味を感じ、その後指を離してコーヒーの香りを嗅ぐと、確かにキャンディーの甘い味や塩味がパーッと口の中一杯に広がり、香りが味を引き立てるということが理屈なしに実感できました。