2020年2月4日火曜日

今月22日(土)に予定されている松園会の勉強会での講演の準備をしています。一応演題は依頼者の電話での提案に沿って、「これからの植物保護を考える」にするつもりですが、その中で有機農業についても考察しようと思って、今日は埼玉県さいたま市の北浦和(私が小学校、中学校、高等学校時代を過ごした)に行ってきました。今年のお正月3日に昔からの友人を訪ねた時に、時間調整で駅の周辺を散策していて偶然見つけた有機野菜を売っている2軒の店をもっとよく見てみたいと思ったからです。すぐ近くには「マルエツ」という普通の野菜や食品類を売っているスーパーもありました。


八百屋野良(のら)の看板には、「反農薬野菜」と大きく書いてありました。店内をゆっくり見て回りましたが、有機JASの認証マークが付いているものの他に、単に無農薬とだけ書いてあるものや、化粧水などもありました。
もう一軒の「見沼で育てた有機野菜の店」という看板がかかっている店は、実は八百屋ではなく、無農薬有機野菜を使って料理する「和座檜(わざび)」という名前の料理店でした。パンフレットに公式HPは「北浦和の料理店わざび」で検索と書いてありましたので、検索してみたらHP https://wazabi.kp が出てきて、いろいろ書いてありました。
[EM栽培のお野菜と農薬や化学肥料を使用のお野菜の違い]のところはあまりにも非科学的なひどい表現でちょっと気になりましたので、一部拡大しておきました。この料理店のおかみさんの高橋町子さんは「化学物質過敏症に悩まされたことがきっかけで、自分が安心して食べられる野菜を作るしかないと思ったとのことですので、https://urawa.keizai.biz/headline/569/ 見沼の200坪の畑でEM菌で発酵させて造った堆肥を使って有機栽培をしている野菜を料理の一部(パンフレットに載っているメニューを見ると明らかに全部はまかなえない)に使っているということなのでしょう。
昔、私が千葉大学に勤務していた現職時代に、日本土壌肥料学会がEM菌で作った"ぼかし"には普通の堆肥と同じ肥料効果しかないという試験結果を公表したことがありました。当時、EM菌で作った"ぼかし"を使って栽培した農作物は病害虫に強くなると宣伝されていましたが、実際には全国のEM農場で害虫の被害に悩まされた農家が農薬登録のない植物抽出液資材(いわゆる疑義資材)に頼って害虫防除をしていて、私たちの分析で実際に防除効果があったそのような資材には例外なく農薬が混入されているということがわかりました。そのために、当時我孫子にあったEM菌の研究所の所長が頻繁に私の研究室を訪れ、各地のEM菌農場から使ってもいいかと問い合わせのあった植物抽出液資材を持参して私の助言を求めていたことを思い出します。ホームページ上でまだこういう誇大広告(というよりも虚偽の宣伝)が行われ、それが有機栽培野菜やそれを使った料理のビジネスに利用されているというのは驚きです。

    (写真はクリックすると拡大できます)







 
 
せっかくなので近くにある浄土宗廓信寺を訪ねてみました。寺の一角(境内の外)には2躰の古い庚申像が設置されていて、明和2年(1765年)と元文3年(1738年)に造られたものとのことですので、255年前と282年前ということになります。
寺の墓地にはクロマツ、銀杏、カヤの大木が立っていて、特にカヤは樹齢約300年と推定され、浦和市指定天然記念物と書いてありました。
サツマイモの品種の紅赤(べにあか)の由来を説明する看板もありました。
近くには今では珍しくなった木造の昔風の家がありました。
生活クラブのバンが留まっていましたが、車体には「サステイナブルなひと」と書いてありました。ちょっと前までは差別化をするために、農産物や食品を宅配をする車には「有機野菜」とか、「無農薬野菜」とか、「できるだけ農薬を使わない」という言葉が書いてありましたが、今はSDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標」が流行(はや)りですので、最近は「サステイナブル」に切り替えたのでしょうか・・。






 
 



 



 
帰りは北浦和駅から南浦和駅に行って武蔵野線に乗り、新松戸駅で千代田線に乗り換えましたが、新松戸駅のホームのすぐ前にさかい農園のとりたて野菜の販売店が見え、無農薬野菜がずらっと並んでいました。「有機」を謳うには農水省から認定された民間の認証機関から有機JAS適合の認証を得なければならず、そのためには審査を受けなければならず費用がかかりますが、「無農薬」は自己申告できて、「食の安全・安心」を求める消費者の心理に訴えることができるという利点をビジネスに利用しているのでしょう。
電車の車両の通路の横の壁には「消毒済票:特殊殺虫剤」として、2020年1月14日の印が押してありました。別の車両には2020年2月03日の印が押してありました。「特殊殺虫剤」ではどの殺虫剤が散布されたのかわかりませんが、電車内の食品屑にたかるゴキブリやハエ類、座席シートに潜んでいるダニやノミの防除だとしたら、合成ピレスロイド剤かなと想像しました。それにしては、2月03日は昨日ですので、殺虫剤を散布したばかりの電車に乗客を乗せるというのは考え難いので、もしかしたら残効性が短くてすぐ消失する燻蒸剤か燻煙剤のようなものを処理したのかもしれないなと思いました。