2020年5月2日土曜日

昨日松戸市内でコイノボリを見ましたので、昔航空散布された農薬の生態影響調査に通っていた香取市山田区の橘堰(たちばなぜき)の上にロープを張って空を泳いでいた無数のコイノボリを思い出しました。「松虫タイムス」巻頭言の原稿は60~70%ぐらい書けましたので、午後から車にガソリンを入れて、京葉道路から東日本自動車道を通って、橘堰までドライブしてきました。
橘堰上流の神生(かんのう)地区の水田はほとんどが田植えが済んでいて、1つの水田では農家が動力噴霧器を背負って畦を歩きながら農薬(除草剤)と思われる粒剤を散布していました。水田にはサギ類とカルガモが来ていました。
放棄水田跡には葦が生えていました。
農薬の航空散布の前後に胴長を着て水生生物の調査をした仁良(にら)川は、水田に給水するために水位が高くなっていて、橘堰の池にはキンクロハジロと思われる水鳥が潜水しながら採餌していました。
















 

 



橘ふれあい公園には新型コロナウイルスに関する掲示が貼ってあって、テントを張ってのキャンピングやバーベキューが禁止されていましたが、子供を連れた家族が何組か来てザリガニを釣っていました。コイノボリがないなと思ったら、今年は鯉のぼり祭が中止の立看がありました。


 

 







 
橘堰下流の田部(たべ)地区の広大な水田もほとんどは田植が済んでいましたが、一部田植最中のところもありました。
農薬の航空散布前後に密度の推移を調査した黒い土着のメダカが生息している1本の小さな水路には、湧水スポットがあって(そのために冬でも水が枯れない)、透き通った水が湧き出ていました。水路にはまだ水草は生えていませんでしたが、オタマジャクシやタニシの他に、よく見るとメダカがまだいました。メダカとの再会は嬉しいことでした。今でも時期には水田に農薬が散布されている筈ですので、よく反農薬活動家の人たちが主張する「メダカがいなくなったのは農薬のせい」というのは明らかに事実に反しています。多くの場所でメダカがいなくなったのは、コンクリート3面張りの水路の普及や、水管理で水路の水が干上がる時期ができたり、メダカが逃げ込める溜池がなくなったり・・、生息環境の悪化が原因です。
畔にはピンクと白のハルジオンが咲いていました。








 

 








期待していた無数のコイノボリが空を泳いでいる景色は見ることができませんでしたが、広々とした水田を見ることができて心が癒されました。それにしても、周辺の農家の庭にもコイノボリが見られなかったのは、私たちが調査で通っていた頃から20年ぐらい経っている筈ですので、集落から子供たちがいなくなったのでしょうか。
調査に行く時に学生たちとよく寄って食事をしたお店や、途中のコンビニや道の駅のような店も廃業していました。特産のサツマイモのベニアズマやスイカを買ったお店も閉まっていました。田舎ですので過疎が進行したり、高齢化が進行してビジネスが成り立たなくなってきたのでしょうか。
もう一つ驚いたことは、高速料金が高くなったことです。ガソリンも給油しましたので、
京葉道路の原木-千葉北が360円×2=720円
東日本自動車道の千葉北-大栄が1,530円×2=3,060円
ガソリン3,301円
で合計7,081円もかかりました。
確かアメリカでは高速道路の料金は建設した時から時間が経つほど建設資金が回収されて安くなっていった筈ですが、日本では逆に高くなっていくというのはちょっと納得いきませんが、何か仕組みが違うのでしょう。
松戸から橘堰までドライブの時間は往復3~4時間ですが、高速料金がこんなに高いとあんまり頻繁には行かれないなと思いました。あるいは、ドライブの時間はもっとかかっても高速料金のかからない一般道を見つけて走るか、一度カーナビで調べてみようと思います。