我が家の台所には青森県産のりんごがありました。昨年収穫して貯蔵してあった"ふじ"が出荷されたようです。今年の国産のりんごと南半球から輸入されるりんごの端境期(はざかいき)に貯蔵りんごを出荷するというビジネスなのかもしれません。朝食のフルーツのお皿に出ましたが、味は申し分なく美味しいと思いました。
朝松戸駅8時23分発のJR常磐線に乗って、途中水戸駅で乗り換えて十王駅には10時52分に着きました。日本緑化センターがドローンを使った松くい虫防除の薬剤散布の実証試験を行う場所の現地視察で、委員の他に林野庁、茨城県庁、ドローンと無人ヘリを飛ばす茨城スカイテックのオペレーターなど、関係者が10人集まり、数台の車に分乗して日立市十王町の伊師浜海岸の砂防松林と那珂郡東海村の村松海岸の砂防松林を視察し、試験を実施する林分や飛散(気中濃度・落下量)調査地点や薬剤付着量を測定する枝葉採取地点などを相談しました。
途中弁当を買いに寄ったコンビニの軒下にはツバメの巣があって、2羽のツバメがしきりに出入りをしていました。
十王町の伊師浜海岸には津波対策でしょうか、県有林と汀(てい)線の間にりっぱなコンクリートの防潮堤ができていました。不思議なことに県有林の入り口は鎖で施錠されていて、防潮堤の内側には関係者以外立入禁止の掲示がしてありました。これでは県民がせっかくの松林内を歩くこともできず、防潮堤の外側に出て浜辺の景色を眺めることもできないのではと思いましたが、万が一の事故が起こった時に県が管理責任を問われないための措置のようでした。訴えられるかもしれない側の県の立場としてはそうかもしれませんが、こんな美しい浜辺の景色に県民が近づけない(県有林に接していない浜辺は立入り自由)というのは馬鹿げています。管理の中で、事故が起こらないようにすると共に、利用を図るという面が脱落しているような気がしました。
それにしても、浜辺に行くといつも感じるのですが、こんな砂ばかりで潮風に曝される環境で、ハマヒルガオもノイバラもマツもよく適応して生存できるなと感心してしまいます。
東海村の村松海岸の方は原子力発電所が近くにあるために、垣根に立入禁止の掲示が設置してあるだけでなく、24時間監視システムが働いているらしく、垣根に近づくだけでマイクで注意をされるとのことでした。
ここの砂防林は6月5日に有人ヘリコプターで松くい虫防除の薬剤(スミパインMC)散布が実施されたばかりとのことでした。その影響で林道にはマイマイガの幼虫の死体がたくさん落ちていました。
林道には私にとっては珍しいナナフシがいたり、マツの幼木にはアワフキsp.の吹いた泡がたくさん見られました。これらは明らかに散布された薬剤の影響を受けなかったようです。
砂防林の中には野生動物の食害から守る白いネットで囲われた広葉樹の苗がたくさん植栽されていました。松くい虫の被害を受けない広葉樹が砂地で塩害を受けずに育つかどうか試験しているのでしょう。
村松海岸の汀線に面したマツの砂防林に前にはカイズカイブキと思われる樹種も植栽されていました。
夕方6時半頃松戸に帰ってきましたが、近所のタイ料理店は新型コロナウイルス感染症対策としての休業期間が終わって開店しても来客が少ないのか、営業中と書いたおおきな幟(のぼり)旗を立てました。