我が家の台所には洗ったコマツナが置いてありました。コマツナを見ると、昔私が千葉大学の現職だった時に柏市にあった千葉県の東葛飾農業改良普及所に頼まれて利根川遊水地のチンゲンサイの栽培団地を訪ねたことを思い出します。栽培組合は市場と契約栽培していましたが(ということは農家が一定の品質のチンゲンサイを収穫すれば市場は一定の価格で購入してくれる)、コナガ(という害虫)が大発生していくら殺虫剤を散布しても防除効果がなく、収穫したチンゲンサイの葉にコナガ幼虫の食害で2~3個の穴が空いていたために、出荷できずに収穫物を廃棄せざるを得ない状況でした。私たちはその日のうちにコナガ幼虫を採集して大学の研究室に持ち帰り、コナガに登録のある殺虫剤の実用濃度に浸漬したキャベツ葉を摂食させる試験を実施しました。その結果、この地区のコナガ幼虫はほとんどの殺虫剤に抵抗性を発達していて防除効果はなく、効果のある殺虫剤は4剤だけということがわかりました。その中の1剤は水質汚濁性農薬に指定されていて遊水地では使えませんので、残りの3剤を1ケ月間隔でローテーション使用し、播種1週間後と3週間後の2回散布するように講習会を開いて指導しました。この作戦は見事に的中してコナガ防除に成功し、その後この地区ではコナガの発生自体が見られなくなり、農家には大変感謝されました。当時これは抵抗性の管理に成功した貴重な実例でしたが、成功した理由は、大学と普及所と栽培組合と農薬を供給する地元の農協とが連携してローテーションを確実に実行できたことでした。
コマツナは、キャベツ、ニンジン、ショウガ、その他と一緒にして「おひたし」として今夕の食卓に出てきて、美味しく食べました。
気象庁は関東地方も今日から梅雨入りしたと宣言しました。雨が降り始める前に運動してきたいと思って、いつもより早く正午頃から矢切の農耕地にウォーキング/ジョギングに出かけました。
園芸学部の研究圃場への門には、関係者以外通り抜け禁止の新たな掲示が設置されました。実験中の植物の盗難など、周辺住民による被害がよっぽど目に余るのでしょう。
「動物の遺棄・虐待は犯罪です」という看板をあちこちで見ます。子犬や子猫がたくさん産まれて飼育できなくて、誰かに拾ってもらって飼育してほしいと思って捨てに来るのでしょう。公園や大学構内にペットを捨てに来ることは犯罪で、捨てられて野生化した犬や猫に餌をやりに来ることは犯罪ではないのでしょうか。
ツバキに大発生していたチャドクガの幼虫は1頭も見つかりませんでした。どこかに移動して蛹化する時期に入ったのかもしれません。年2回発生の筈ですので、次世代がいつ頃発生してくるか観察を続けようと思っています。
江戸川堤防沿いのクワノキに巣網を造って葉を食べていたアメリカシロヒトリの幼虫もいなくなりました。
石塀の隙間から生えていたアメリカオニアザミはあまりにも大きく茂り過ぎて通行人に危険なので先日誰かが刈り倒しましたが、残った株元の根から新芽が発生していました。植物の生きようとする本能は大したものです。
矢切の農耕地の間を流れる坂川にはまだカルガモが1羽だけ残っています。
少年達が小水路で網でアメリカザリガニを捕っていました。
高速道路(東京外環)の下の道路沿いに植栽されている樹に子育て中のカラスの巣があったらしく、雛(といっても幼鳥)が樹上の巣から地面に落下したらく、しきりに親鳥に助けを求めるような鳴き方をし、近くを通る私の頭上には2羽のカラスがいて警戒していました。
坂川の近くの高圧電線の鉄塔のカラスの巣はまだそのままで、中には雛(幼鳥)がいるようでした。
上矢切のサトイモ畑では農家が夫婦で作業をしていました。
トマト畑ではミニトマトはもう赤くなていましたが、普通のトマトはまだ緑色のままでした。