2020年8月18日火曜日

JR柏駅から特急に乗って、水戸駅には10時前に着きました。そこから皆で車に分乗して東海村豊岡海岸の飛砂防備保安林の試験場所に向かいました。
今日の作業の説明・打ち合わせに続いて、それぞれ割り当てられた作業をして明朝のドローンによる薬剤散布の準備をしました。
原子力発電所の近くには大きな看板が立っていて、「東海村をつぶすな」と「原発はいらない」と書いてあったので、原発があることで多額の補助金がでて村の経済にプラスになている筈なのにこの2つの要求は矛盾していないのかなと思いましたら、すぐ横にもう一つ看板があって「福島の二の舞にするな」と書いてあったので、事故が起きたら放射能汚染で村が潰れるという意味だとわかりました。

明日ドローンを飛ばして殺虫剤を散布する東海村豊岡海岸の松林は県有林ですが、普段はゲートがロックされて一般市民は立入できない林分です。年に何回下草刈りなどの管理をするのかわかりませんが、林道にも林内にも背丈ぐらいの草が蔓延(はびこ)っていましたので、散布を担当する茨城スカイテックの社員が草払い機で林道の草を人が歩けるぐらいの巾刈ってくれました。ドローンは高所作業車の上の樹高10~15mの樹冠部が見渡せる高さで操縦しますので、その邪魔になる横枝を剪定して切除しました。
巻尺で計って20m×50mの林分に紐を張って囲み、さらにその中に薬剤付着量分析用の枝葉を採取したり、気中濃度と落下量を測定する10m×10mの密の林分と10m×10mの疎の林分と林縁部を設定しました。











この保安林は松くい虫防除のために有人ヘリコプターでスミパインMCを1回散布したそうですが、枯死進行中のマツが5本かたまってあり、近くには伐倒駆除された枯死木の根株が2つありました。ここだけかたまって枯死進行中ということは、枯死木の根に存在したマツノザイセンチュウが根系癒合で隣接木に感染拡大した可能性が想像されました。少し離れた場所にも枯死進行中木が2本隣接してあり、その下には伐倒駆除した枯死木の丸太にフィルムが掛けてありましたので、こちらも根系経由で感染した可能性が想像されました。





高所作業車のバスケット乗って上がって太平洋方向と日立港方向と原子力発電所方向を見渡しました。地上から見た枯死進行中マツがよりはっきり確認できました。
原子力発電所方向には、林縁に近い所で茶色の枯死木が何本も確認できました。








造園業者で樹木医/松保護士/ツリークライマーの資格を有する吉岡賢人君(千葉大学園芸学部卒業生)が腰に7つ道具を吊り下げて散布林分の角のマツの木の先端近くまで登り、ドローンを操縦するオペレーターから見えるように目印を設置しました。




作業が終わって、宿泊する水戸駅近くの東横インにチェックインし、過密を避けるために2グループに分かれて夕食に出かけました。私のグループは6人で、居酒屋「花の舞」に入りましたが、ほとんど客はいなくて(多分1組だけ?)ガラガラでした。案内された個室で、アクリル板の仕切りはありませんでしたが、お互いにテーブルを離して密着しないようにして飲食をしました。
明日の朝は6時に薬剤散布開始予定ですから、現地に5時集合、ホテルは4時出発ですから、3時半に起きてシャワーを浴びて出かけられるように目覚ましをかけて寝ます。