2021年1月26日火曜日

昨日のYAHOO!JAPAN ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20210125-00219312/ に、イナゴの大群、新たに大発生の予兆。国連「資金がない。駆除できなくなる」とSOS と題した今井佐緒里という記者が書いた記事が載っていました。著者はフランス在住で欧州/EUと国際関係の研究者・執筆家・編集者と紹介されていましたので、生物学の専門家ではないので無理はありませんが、Desert locust Schistocerca gregaria (サバクトビバッタ)をイナゴと訳していました。イナゴ科の昆虫には何種類かのイナゴが含まれますが、イネを加害する日本でよく見るコバネイナゴは、英名 Rice grasshopper で学名 Oxya yezoensis ですからサバクトビバッタとは別種の筈です。 昨年11月にアフリカのソマリアに上陸した巨大サイクロン(台風)が大雨をもたらし、それが原因でエチオピア東部とソマリア中部でサバクトビバッタの大発生が始まったとのことです。これが繁殖を繰り返して大群になると移動しながら農作物を食い尽くして食糧難になるので、飛行機を使って殺虫剤を空から散布して防除をしているが、国連食糧機関には予算がないので、3,800万ドル(約39億5,000万円)の資金が必要と訴えているとのこと。
日本でも終戦(第二次世界大戦)後、私が小学校3年の途中まで住んでいた宮崎県小林市では、水田にイナゴが大発生して稲に大きな被害をもたらしていました。当時は農薬がなかったということと食糧難の時代だったということが重なっていましたので、学校の先生の指導で子供たちが水田の中を並んで歩いてイナゴを手で獲って腰に下げた袋に入れ、家に持って帰ってフライパンで炒って食べていたことを覚えています。                               先週金曜に実施したオンラインでの農薬部会新年の顔合わせの会での特別講演では、参加者の一人から事前にメールでサバクトビバッタの防除に関する質問が届きました。空から飛行機で殺虫剤(有機リン剤とピレスロイド剤)を散布すると環境や健康への影響が懸念されるので、中国の研究者が発見したと報告されたサバクトビバッタの集合フェロモンを防除に使える可能性はないかとの質問でした。質問を英語に訳して講演者のDr. Vasant Patilに伝えたところ、フェロモンは害虫密度のモニタリングのような発生予察には使えるが、防除は難しいとされているというのが回答でした。                            今は世界中が新型コロナウイルス感染症のパンデミックで苦しんでいますが、アフリカや中東ではそれに加えてサバクトビバッタの大量発生による食糧難という二重苦に直面しているのですから、大変です。