2010年5月25日火曜日

 ゆうちょ銀行から、5月21日に振り込まれた2名分(1名は3回目)の払込取扱票が昨日報告した5月22日振り込み分と前後して今日届きました。支援金の現在高は144,265円、延べ117名の支援者からの合計は1,645,565円になりました。新たに振り込まれた方からは、「親子で応援しています」というメッセージに娘さんのお名前が書かれていました。3回目の方からは、以前私が言及しました親鸞聖人の「歎異抄」についてメールでメッセージをいただきました。ありがとうございました。

 支援者は文字通り全国に分布していますが、私の講演について詳しい情報がほしいと言われる方もおられます。6月3日の徳島県における「農薬と環境について考える講演会」は、徳島市のあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)4階大会議室で13:30~16:00に開催されます。徳島県庁ホームページ→[分野別]産業・労働→農業・畜産業→[新着情報]農薬と環境について考える講演会の参加者募集について、で情報が得られます。または、http://www.pref.tokushima.jp/docs/2010051200029 でも同じ情報が得られる筈です。
 私は6月2日に徳島市に入って主催者と打ち合わせをし、6月3日の講演終了後は夕方5時頃のバスで大阪に移動します。その日は大阪での主催者と打ち合わせをする予定です。6月4日の「食の安全シンポジウム in おおさか」は、大阪市の大阪府社会福祉会館501ホールで13:30~16:45に開催され、第一部は私の「農薬とは何?」という講演で、第二部は「食の安全を意識した農産物生産について」というパネルディスカッションです。こちらの方は、案内と参加申込用紙のファイルを添付します。
 両方とも参加無料ですが、たいてい定員の2倍くらいの申し込みがありますので、先着順かくじ引きになるかもしれません。

 明日26日の午前中は大学の研究室で博士研究員と実験の打ち合わせをし、午後からは東京で会議です。5月27日~30日は日本農薬学会大会が北海道大学でありますので、札幌に出かけます。

2010年5月24日月曜日

 5月22日に新たに1名からの振り込みがありましたので、支援金の現在高は133,265円、今まで延べ115名の支援者から振り込まれた合計は1,634,565円になりました。支援者の中には、少額ですが無理のない範囲で長く募金に協力させていただきますと言われる方も、今回の方のように口座の残金の全てですと言われる方もおられます。皆さまが各々の生活がある中から、工面して振り込んで下さっていることがわかります。大学生の息子さんがおられるというこの方からは、市橋君は「逃走中、一日たりとも心休まる日はなかったのではないでしょうか。聖書を読むことで、心穏やかに、素直な気持ちで自分と向き合えることを願っています。」というメッセージが添えられていました。ありがとうございました。

2010年5月22日土曜日

 5月20日に新たに1名からの振り込みがありましたので、支援金の現在高は125,000円、今まで延べ114名の支援者から振り込まれた合計は1,626,300円になりました。ありがとうございました。

 支援者のお一人から、強姦致傷事件の裁判を裁判員裁判のモニターとして傍聴してきたとのお便りをいただきました。傍聴後のディスカッションにも参加され、かなり検察と弁護士(力不足)の力量に差があり、それによって印象が大きく変わることを実感したとのことでした。

 市橋君の場合も、警察が最初の段階で取逃がしたり、3年近くも逃走し続けたり、逃走中に整形手術で顔を変えていたり、被害者が外国人であったり、被害者の遺族が来日して街頭で情報提供を訴えたり、懸賞金が途中で100万円から1000万円に上積みされたり、ネット上で市橋君に対する同情者と反同情者とのやりとりがあったり、異常なほどのメディアの注目を集めた事件ですから、難しい裁判になるのでしょうか。弁護団がベテラン3人と新人3人の6人で構成されているのは、市橋君にとっては幸運で、非常に恵まれているのだと思います。

2010年5月20日木曜日

 5月14日に1名、17日に1名(4回目)、18日に1名の方から振り込みがありましたので、支援金の現在高は115,000円、延べ113名の支援者からのこれまでの合計は1,616,300円になりました。60代の主婦の方からは、「会は存続しているのでしょうか」というメッセージが払込取扱票に書いてありましたので、私のWebサイトが見つからなかったのでしょう。礼状を差し上げる時に、適正な裁判を支援する会は裁判が結審するまで続けることをお知らせするつもりです。もう一人の方からは、市橋君宛に、「自分を大事にして下さい、応援しています」という趣旨のメッセージが添えられていました。ありがとうございました。その他にも、息子が市橋君と年齢が近く、名前も同じ達也ですという非支援者の方から、「市橋さんのご両親のお話を聞くと涙が出ます。加害者、被害者であろうと人の親には変わりありません。子供を持つ親の気持ちは同じです。どれほど息子に会いたいか・・その気持ちを思うと・・残酷です。市橋さんが更生して社会復帰した姿が見れるように」というメールでのメッセージも届きました。ありがとうございました。

 今週の日曜には出雲市に行ってきました。2008年に松くい虫防除のために有人ヘリコプターで薬剤を散布したのと同じ日に多くの子供たちが「目のかゆみ症状」を訴えた学校の近くに花粉捕集装置を設置して、地元の協力者にワセリンを塗ったスライドグラスを1ケ月間毎日交換してもらうためです。回収したスライドグラスは大学の研究室に持ち帰って、染色して、顕微鏡の下で花粉の種類と数を観察します。英語ではHay Fever(枯草熱=花粉症)と言いますが、イネ科の雑草は元々牧草として輸入されたものが野生化して、ちょうど松くい虫(マツノマダラカミキリ)が発生する5~6月頃に花粉が飛散して、人によっては「目のかゆみ」、「のどの痛み」、「くしゃみ」、「涙」、「鼻汁」など花粉症特有の症状を起こすことが知られています。ヘリコプターで松林に薬剤が散布された後、周辺地域で薬剤は検出されないにもかかわらず体調が悪化したと訴える人がいて、メディアが薬剤による健康被害として大きく報道する場合がありますが、実際は花粉症の可能性はないのか検証してみる必要があると思っています。

 月曜と火曜は熊本市で開催された農薬ゼミに出演してきました。約150名の主婦を中心とした一般消費者が熱心に話を聴いてくれ、質問もたくさんで時間内には全部に答えられないくらいでした。私は国内でも海外でも出張する時はいつもジョギングできる準備をしていきますが、朝6時に起きて熊本城の回りと白川の堤防沿いを1時間半くらい走りました。そうすると、朝ご飯が美味しいだけでなく、車で走るのと違って自分の目線で景色が見えたり、人々の息遣いが感じられたりする楽しみがあります。

 今日は東京で木材保存剤等性能審査委員会という会議があり、私はその中の安全性部会の委員をしていますので、申請された木材保存剤(シロアリ防除剤)の安全性について審査をしてきました。私がこの委員会の委員になってもう何年にもなりますが、建物をシロアリの害から守るために薬剤を床下に処理する場合は、床の上は居住空間ですので、床から20cm(寝ている時の鼻の位置)と150cm(立っている時の鼻の位置)の高さにおける室内での薬剤の気中濃度の測定データも要求して、それを吸入して生活しても問題がないかどうかも審査します。

2010年5月15日土曜日

 5月12日に1名(4回目)と13日に1名の方から振り込みがありましたので、現在高は85,000円、今まで延べ110名の支援者からの合計は1,586,300円になりました。私が5月9日と11日に追記で書いたことに関して「お考えはとてもよくわかりました。これからも無理のない範囲で支援をしていきたいと思います」というメッセージと、「心より支援しております」というメッセージとをいただきました。ありがとうございました。私が伝えたかったことをちゃんと理解してもらえたという意味でも嬉しく思いました。

 2007年3月25日に何があったのか、リンゼイさんはすでに亡くなっていますので、本当のことを知っているのは市橋君だけの筈です。すでに報道されているように、その数日前に二人は出会って、25日の朝9時から喫茶店で40~50分の英語の個人レッスンを受け、リンゼイさんはその日の午前中に別の場所で英語を教えるクラスがあったにもかかわらず、レッスン料を受け取るために一緒にタクシーに乗って市橋君の住んでいたマンションに行き、部屋に入った、というところまでは検察側の描いたシナリオと市橋君が弁護団に語った証言とは一致しているようです。検察側が強姦致死・殺人で起訴をしたということは、無理やり暴行してすぐ殺害もしたとみなしているのでしょう。それに対して市橋君の方は、暴行はしたが、その後手足を縛って逃げられないようにしてキング牧師の演説を一緒に見て、その後眠ってしまったら、26日未明になってリンゼイさんが大声を出して逃げ出そうとしたので、腕をまわして口を塞いで止めようとしてもみ合いになり、亡くなってしまったということのようです。私には法律のことはわかりませんが、その場合は、強姦致傷・傷害致死に相当するのでしょうか。そうすると、死亡時刻が25日午前10時頃なのか、26日未明なのかが問題になる筈です。遺体の検死・解剖をしてどのように死亡時刻を推定するのか私にはわかりませんが、遺体の保管状態にもよるでしょうが、何時何分と特定するのは困難な筈で、死後2日以内とか、1週間くらいとか、数ケ月とか、幅があるのではと想像します。そうだとすると、検察側が強姦致死・殺人というシナリオを描いたのは死亡推定時刻からではないわけですから、それをどういう証拠で証明するかが裁判での争点になってくるのでしょう。
 また、25日朝は次のクラスがあって時間のゆとりがなかったにもかかわらず、リンゼイさんが何故わざわざ市橋君のマンションにレッスン料を受け取りに行ったのかも理解し難いことです。リンゼイさんと市橋君の間での個人レッスンの打ち合わせはメールのやりとりで行われたということのようですので、事件後に市橋君の部屋から警察が押収した2台のノートパソコンに残っていた通信記録を弁護団が要求したのは当然でしょう。もしかしたらそこから当時の二人の関係がより明らかになってくるのかもしれません。

 小・中・高校の教育でも同じでしょうが、大学でも、授業を受ける学生の中には一生懸命勉強してよい成績を収める者だけでなく、ろくに勉強をしないのにずるいこと(例えば試験の時のカンニング)をしてでもよい成績を取ろうとする者がいた場合、それは正しくないと教えるのが教師の役割です。無視をするということは、教育の目的に反しますし、その学生を駄目な人間にしてしまいます。
 元教師として、元学生の市橋君に私が言ってやりたいことは一つだけです。自分の犯した間違いを心から反省し、亡くなったリンゼイさんとそのご家族と自分の家族にも謝罪し、罪を償った上で、残された人生をしっかりやり直すこと。接見が許されないので、直接会って彼の肩を叩いてそう言ってやれないのが残念です。

 明日は日帰りで島根県出雲市に飛んで、イネ科雑草の花粉の飛散量を調査する装置を研究協力者に届けてきます。花粉症の原因になるイネ科雑草の花粉の飛散時期と有効積算温量の関係についてデータを収集し、2008年5月26日に多くの子供たちが「目のかゆみ症状」を訴えた時に、イネ科雑草の花粉が飛散していなかったかどうか検証するためです。

2010年5月13日木曜日


  5月10日と11日に5名(1名は3回目)の方からの振り込みがありましたので、現在高は65,000円、今まで延べ108名の支援者からの合計は 1,566,300円になりました。「適正な裁判のために少額ですがお役立てください」、「ご両親のためにも人生をやり直して下さい。息子がいるのでとて も心が痛みます」、「市橋君と御両親の気持ちを考えると心が痛みます。加害者が被害者になってしまったような気がします。息子が市橋君と似ています」とい うメッセージも添えられていました。ありがとうございました。
 
  支援者からも私が5月9日と11日に追記で書いたことに関してメールでのメッセージが届いています。私がお伝えしたいことを理解していただけるかどうか ちょっと不安でしたが、無駄な心配でした。今は市橋君にお金を差し入れて食べものを買うか、出所する時に受け出すかということよりも、裁判で死刑になるの か、30年以上の無期刑になるのか、30年以下の有期刑になるのか、これからの弁護団の活動にかかっているのですから、今一番大事なことは、弁護団にがん ばっていただくことだと思います。私が5月9日に勝手に試算しましたように、すでにお届けした裁判活動のための実費の他に、例え弁護士一人に月に5万円を 弁護士料(報酬)として提供できたとしても、弁護士料が1時間当たり1万円とすると、市橋君の弁護のために活動できる時間は月にわずか5時間にしかなりま せん。昨年の11月に市橋君の身柄が拘束されて以来、今まですでに半年以上にわたって6名の弁護団が無償で弁護を担当してきましたが、弁護団は市橋君と個 人的な関係があるのではなく、職業として弁護活動をするのですから、これからさらに半年以上も無償でがんばって下さいと期待するのは虫がよすぎるのではな いでしょうか。
 
 支援者の方々も市橋君とは個人的な関係はないにもかかわらず、これまですでに多大の支援金を振り込んでいただきました。何故市橋君を支援するのか周りの人に説明するのは難しいかもしれませんが、なるべく支援活動の輪が広がるように、声をかけていただければと思います。

2010年5月11日火曜日


 5月7日に放送されたテレビ朝日のニュースを見て、市橋達也君の適正な裁判を支援する会の存在を知り、インターネットで検索して私のWebサイトを見つけ、支援者の皆さまと気持は一緒なのでこれから微力でも支援に参加したいというメールが届きました。情報が不特定多数に届き、予想もしなかった場所の予想もしなかった人からレスポンスがあるのですから、メディアの影響は大きいとあらためて実感させられました。
 
  菅野弁護士は千葉県弁護士会の会長もやられたベテラン弁護士ですが、昨年11月に市橋君の身柄が拘束されてすぐ、被疑者・被告人の権利を守るために取り調 べの時から弁護士をつける必要があるということで呼びかけて、6人の弁護士(1名は事情があって交代)が手を挙げて弁護団が構成されたようです。正式に起 訴されてからも、市橋君の要望で同じ弁護団が担当してくれていますが、私選弁護ですから弁護士費用(報酬)は無償のままで長期間弁護活動をするのは実際に は厳しいだろうなと想像していました。ちょうど、昨日の夕方7時から7時半の間のNHKテレビのニュースで、司法試験に合格して弁護士になっても収入が少 なく不安定で大変な生活をしている実情が紹介されていました。特に新人弁護士の中には、先輩弁護士の仕事の一部を下請け的にまわしてもらって何とかやりく りしている人もいるとのこと。市橋君の弁護団は3人がベテランで3人が新人とのことですので、公判が開かれるのが来年になるとすれば、1年以上にも亘って 無報酬で活動するのは特に新人にとっては厳しい筈です。菅野弁護士の配慮で、ベテラン弁護士の手伝いをしながら経験を積んで、仕事を覚えていくという面も あるのかもしれませんが。一昨日の追記で私が勝手に試算しましたように月5万円ではアルバイト料にもならないかもしれませんが、新人弁護士にとっては背に 腹は代えられませんので、弁護団にがんばって活動していただくために、是非多くの皆さまからのご支援をお願いしたいと思っています。
 
  千葉刑務所に直接衣類や日常品やお金を差し入れされた方は、逃走中の市橋君をメディアがあまりにも凶悪犯の扱いをしていましたので、社会には孤立無援の市 橋君を応援している人もいるということを知らせて励まそうとされたのでしょう。一昨日の追記で私が比喩的に書きましたように、「余分なおやつを食べさせて 不健康にさせる」ために差し入れしていたのでないことは当然です。ご自身も差し入れをされていたある支援者から、「接見禁止で本人の意向を確かめられず に、自己満足のために差し入れており、有難迷惑を否定できないままでした。前代未聞の事態で、全国から大量の差し入れ品が届いていたようです。1人が倉庫 に領置できる品は、みかん箱2箱までだそうで、それ以上にあふれた品は、宅下げとして家族に自宅に持ち帰ってもらうか、破棄するしかないルールと言われま した。拘置所も、大量の品の処理に困ったのかもしれません。」、というメールをいただきました。
 私が募金活動を始めて、全国の多くの方々が支援して下さっていることは、市橋君には弁護団を通してすでに伝わっていると思います。

2010年5月9日日曜日


  3月19日以降に振り込まれた支援金は5月7日に全額菅野弁護士にお届けしましたので、振替口座の残金は0になりました。その後、23才の息子さんと21 才の娘さんがおられるという方から5,000円をネットで送金したという連絡が届きましたので、支援金の現在高は5,000円、今までの合計は延べ103 名から1,506,300円になりました。市橋さんの適正な裁判が行われるということは私たちの適正な裁判が行われる事にもつながるので、というメッセー ジもいただきました。ありがとうございました。
 
  一昨日の追記についていろいろな方からメッセージが届いていますが、ひとつだけ緊急に私の考えをお伝えしておきます。今まで刑務所の中というのは不自由と 考えて、直接刑務所に出かけて衣類や日常品やお金を差し入れた方にとっては、お金以外は本人に届いていなかったということには失望されたと思います。私が 前回の追記で書いたことがきっかけで、市橋君を支援している気持ちを表すために、もしこれからお金を差し入れに行こうとお考えの方がおられるとしたら、少 し考えてみて下さい。今の状態の市橋君がお金が使えるのは、刑務所の中の売店で食べものを買うことだけの筈です。最低限必要なカロリーが計算された食事は 支給されている筈ですので、独房の中でストレス発散も兼ねて必要以上のカロリーを摂り続ければ、当然メタボになって健康を損ねるだけです。一日2回運動で きると言っても、狭い空間で朝の30分は日向ぼっこをするくらいで、午後の15分はラジオ体操をする程度のようです。狭い空間でも腕立て伏せをするくらい はできるかもしれませんが、長い期間毎日続けるにはよっぽど強い精神力がなければ難しいでしょう。
 
  今までに菅野弁護士にお届けした支援金で、とりあえず裁判活動に必要な費用は賄えるとしても、弁護士料は全くありませんので、このままでいいのかというこ とが気になります。私の友人の弁護士に、弁護士費用には基準があるのか訊いてみましたら、以前は日弁連(日本弁護士連合会)が決めた基準があったが、それ では自由な競争を損なうということで、現在は各弁護士事務所が、担当する事件の性格によって??円以上というように決めることになっているとのことでし た。基準がないので私には判断し難いのですが、刑事事件の弁護士料が仮に最低でも200万円~300万円かかるとすれば、市橋君の場合は6人の弁護団が担 当してくれていますので、裁判活動の実費は別にして、本来なら最低でも1,200万円~1,800万円の報酬を払わなければならないということになりま す。月に1回の頻度で5~6回の公判前整理手続が行われるとすれば、膨大な検察側の証拠書類を細心の注意を払って読んで、どう対応するか6人で相談して、 証言を集めたり調査をしたりする時間も必要でしょう。その時間は本来他の事件を担当すれば報酬が得られる筈の時間ですから、それを何ケ月にも亘って無償で するというのは、弁護士を職業として生活をしている人にとっては本当は厳しい筈です。ですから、市橋君の適正な裁判を支援するのでしたら、今の状態の市橋 君にお金を差し入れて余分なおやつを食べさせて不健康にさせるよりも、弁護団が市橋君の弁護活動に時間を使ってなるべく心置きなく取り組んでいただけるよ うに、弁護士料の方に回すべきではないでしょうか。
 
  そうは言っても、とても1,200万円~1,800万円という報酬は払えませんので、せめて月に5万円×6人=30万円で、これを例えば裁判が結審するま で6ケ月かかるとすれば30万円×6ケ月=180万円、10ケ月かかるとすれば30万円×10ケ月=300万円をお支払いできれば、無償で弁護を引き受け て下さっている弁護団へのせめてもの感謝の気持ちを表すことになって、弁護団の励みになるのではないでしょうか。これは単なる私の推測で、弁護団に受取っ ていただけるかどうかは全く確認はしていませんが・・。

2010年5月7日金曜日


  今、菅野弁護士の事務所から帰宅したところです。テレビ朝日の記者がカメラマンと待ち構えていて、事務所に入るところと出てくるところで取材を受けまし た。今夕のニュースで放送するかもしれないとのことでしたので、至急お知らせしておきます。市橋君の近況などについては、後ほどゆっくり書きます。
 
  少し時間の余裕が出来たので、続きを書きます。今日取材されたことは、テレビ朝日の夕方6時~7時のニュースで放送されました。先日東京農大での予備取材 もありましたので、私たちの支援活動の趣旨をちゃんと理解され、今までのメディアの報道姿勢と違って前向きに編集され放送されていたと思います。若い女性 の記者でしたが、午前中から現場に出向いて菅野弁護士の事務所前で張り込んで(菅野弁護士はメディアの申し込みがあっても取材を受けないとのことですの で)、昼食で建物から出てきた弁護士を捉まえて10分くらいの情報収集をしたようです。私が午後2時前に到着して建物に入る直前に質問をし、1時間ちょっ として建物から出てくるまで外で待っていて再び質問をし、その後大急ぎでテレビ局に戻って編集をして夕方のニュースに間に合わせるのですから、普段私たち が見ているほんの数分のニュースでも放送されるまでにはこういう記者やカメラマンの大変な努力があるということをあらためて感じました。
 
  弁護士事務所の机の上には検察側が提出した証拠書類が積んでありましたが、3月19日に見たときよりも倍くらいの高さになっていました。4月30日に検察 側が提出した証拠書類に対して、弁護側は5月20日に弁護側の主張の書類を提出し、5月24日に第2回目(1回目は3月19日に行われた)の3者(裁判 官、検察側、弁護側)の顔合わせがあり、6月から公判前整理手続に入るのだそうです。整理手続は月に1回くらいの頻度で行われ、少なくとも5~6回は必要 で、それが済んでから2ケ月後くらいに公判が開かれる見通しとのことですので、当初の見通しよりも遅く来年になるのかもしれません。裁判員候補者として 500人が呼ばれ、その中から6人が選ばれるというのも大変な作業だなと思いました。裁判員をあまり長期間拘束できないという事情もあるのでしょうけど、 公判自体は短期間に終わるとのことでした。
 
  今は弁護団の市橋君への接見は週に1~2回行われ、運動時間は日に2回(午前中30分、午後15分)あるそうです。身体的には問題ないようですが、精神的 にはかなりストレスを感じている様子とのことでした。市橋君は未決囚(刑が確定した既決囚ではない)扱いの独房にいますが、行徳警察署に拘留されていた時 に絶食をしていましたので、千葉刑務所に移されて病者扱いで自殺の恐れがあるという扱いになり、私物は一切独房内に置くことが許されないのだそうです。例 えば、朝洗面をする時に使った歯ブラシもすぐ取り上げられるということのようです。この状態を改善してほしいというのが希望のようです。
 
  支援者の中には直接刑務所に差し入れをされた方がおられるようですが、衣類や手紙を含めて物はストップされて本人には届いていないそうです。お金は本人に 届いて、刑務所内の売店にある食べものなどを買って食べているそうです。弁護団の裁判活動のための支援金は、3月19日に1,250,000円をお届け し、今日251,300円お届けしましたので、合計1,501,300円お届けしました(領収書(添付ファイル))。 この他に、市橋君自身が身柄を拘束された時に所持していた30万円と、支援者から弁護士に直接送られてきた10万円を合わせて約190万円あるそうです。 裁判活動のための費用はこれで一応賄えるのかなという印象を受けましたが、弁護団の報酬は皆無のようです。菅野弁護士をはじめ弁護団の方々は弁護士が職業 ですから、長期間無報酬で活動するのは厳しいのではと想像します。従って、支援金の振込み口座は裁判が結審するまで開いておきますので、お志のある方は、 弁護団に適正な報酬を受け取っていただくために引き続きご支援をいただければ幸いです。
 
  私がリンゼイさんのご両親宛に代理人を経由して長文のメールを差し上げたことに関連して、代理人は実はイギリスの弁護士で、検察に抗議をしてきたとのこと でした。検察から菅野弁護士にそのことを私に伝えるように依頼されたとのことでした。私がリンゼイさんのご両親に直接話しかけることに対して、代理人がど んな理由で抗議をされるのか、それなら何故私に直接抗議をしてこないのか全く理解ができませんが、いまだにご両親からは返信がいただけていないということ は、私が打ったメールは代理人のところで止まっていて、ご両親には届いていないのかもしれません。また、菅野弁護士がリンゼイさんのご両親に連絡をとりた いので連絡先を教えてほしいと検察に相談をしたら、日本からの連絡は全て検察を通してイギリスの弁護士(代理人)を経由することになっていると言われたと いうことも、全く理解できないおかしなことだと思いました。いずれにしましても、公判の時にリンゼイさんのご両親が来日する渡航旅費を支援する募金活動を 私がやるべきかどうかについては、支援者からは賛成と反対のご意見をいただきましたが、私が心配すべき問題ではないということがわかりました。
 
   

2010年5月5日水曜日


  この頃の大学の組織はしょっちゅう変わりますので、うっかりすると教員ですら現在の自分の所属している学科や講座や研究室の名前が組織図を見ないとわから なることがあります。表向きは学問の発展や社会のニーズの変化に対応して改組が必要という説明がされますが、あまりにも頻繁に学科や講座が変わるというこ とは、教育を受ける側の学生達にとっては途中でカリキュラムが変更になって迷惑なことです。文部科学省に、大学は自主的に教育研究体制を常に見直して改革 しているという姿勢を見せているようで、実は昔の何十年も続いた単純な学科構成の方が学問体系に沿っていてわかり易かったという面もあります。戦後の大学 は、戦前の反省から学問の自由を保障するために教授会の自治が最大限認められ、自由な発想に基づく研究ができるように最低限の研究費も確保されてきました が、何年か前から大学にも過度の競争制度が持ち込まれ、国から支給された研究費も学長裁量経費・学部長裁量経費として大半が途中でピンハネされ、個々の教 員に配分される時には雀の涙(私が2年前に定年退職する前は教授一人当たり年間研究費が僅か25万円という時がありました)ほどになります。能力と意欲の ある教員には、科学研究費など競争的外部資金を申請して獲得するチャンスがあると言っても、アメリカの場合(私はアメリカの大学に10年間勤務していまし た)と異なり審査制度そのものが学閥・人脈の影響を受けて公平でない(私は科学研究費の第1段階審査員と第2段階審査員を務めたことがある)という問題が あります。さらに大きな問題は、文部科学省の意向を受けて、大学全体では理事会が、学部では学部長を頂点とする役員会の権限が大幅に強化されて、従来の管 理機関であった評議員会(各学部毎に選挙で選ばれた2名の代表と学部長で構成)や教授会の自治に基づく民主主義的運営がトップダウン方式に置き換えられて しまったということです。アメリカの大学のように管理運営と教育研究とを分業させて両方とも効率的にできるような制度にしたと言っても、アメリカの大学の ように教員が管理運営者をリコールできる仕組みと抱き合わせでなければ、独裁的・独善的になる危険性があるので片手落ちです。そのために、若手教員は研究 費も人事権も上に握られて元気を奪われ、このままでは大学が本来の使命を果たせるのか、将来が心配な状況です。
 
  市橋君の事件が起こる前から、大学本部からメディアからの取材申し込みがあった場合は必ず本部を通すようにという通達が学部教授会に伝えられて、驚いたこ とがあります。大学こそは学問の自由、思想の自由、言論の自由が最も保障されなければならない筈なのに、本部の許可なしには個々の教職員が外部に対して自 由に意見表明もできないというのは、正に大学の自殺行為だと思いました。3年前に市橋君の事件が起こった時は、大学はメディアからの取材は窓口を学部長1 本に絞って、それ以外の教職員は一切取材に応じないようにというかん口令を敷きました。メディアの取材姿勢にも問題があって、いわゆるパパラッチ的に学内 に入り込んで教育研究環境が乱されるのを防ぎたいというのは理解できます。しかし、実際に取材申し込みがあった時に、この学生は卒業して2年も経っている ので申し上げることはありませんというような姿勢では、社会に対する説明責任を果たしているとは言えません。私も市橋君が卒業してからの2年間全く交流は ありませんでしたが、警察に踏み込まれて裸足で逃げ出した市橋君がこのままでは逃げ場を失って自殺に追い込まれるのだけは防ぎたいと思って、当時取材にき たあるテレビ局の取材に応じて、私に連絡をするか自首をするように逃走中の市橋君に呼びかけました。その結果、当時の学部長に呼び出され、大学の決めた ルールに違反したので懲罰委員会にかけると脅かされ、テレビで放送されたDVDを提出するように言われました。殺人の容疑者(当時は死体遺棄容疑だけ)と 大学名が一緒に放送されるのを避けたいという大学の考えもわからないではありませんが、私にとっては単に部活(空手部で指導した学生の一人)を通しての関 係の元学生でしたが、一人の元学生の命を救いだすことの方が大学の体面を保つことよりもはるかに重要との判断から、たとえ懲罰委員会にかけられようとも断 固戦うつもりでした。大学は本来教育機関ですから、たとえ殺人の容疑者であろうと、教師が元学生に救いの手を差し伸べるのは当たり前と考えていたからで す。
 
  市橋君が卒業論文の研究で専攻していた当時の研究室の教授は、今まで大学のルールに従って取材は拒否してきましたが、この3月で定年まで5年を残して個人 的理由で退職されたということです。市橋君と同じ時期に勉強していて大学院に残った学生諸君も、もう全員修了していなくなった筈ですから、これから学内で も彼のことはだんだん忘れられていくのでしょう。公判前整理手続がどう展開し、裁判でどういう判決がでるのか私には全くわかりませんが、どういう判決にな ろうとも元学生のこれからを見守り精神的な支援をしていきたいと思っています。
 明後日は、3月19日以後に振り込まれた支援金を菅野弁護士にお届けする日です。

2010年5月3日月曜日

 4月30日に新たに1名の 方から振り込みがありました。延べ102名からの支援金合計は1,501,300円になりました。ありがとうございました。実は4月17日に支援金を現金 で直接手渡して下さった方がおられましたが、それ以後の私の帳簿の合計金額が1,000円間違っていたことに今日気がつきましたので、今回訂正しました。 皆さまから寄せられた大切な支援金ですから、収支には1円たりとも間違いがないようにし、しかるべき時期には会計監査をしてもらって皆さまにきちんと報告 致します。

支援者からメールでいろいろなメッセージが届きますが、封書で支援金受け取りの礼状を差し上げた方のお一人からは、私の字が汚いのでもっと練習をするよ うにとのおしかりをいただきました。もともと悪筆なのは自覚していますが、追記を通して、支援者がそんな注意をして下さるくらい今まで一度も会ったことも ない私との距離を近く感じて下さったのだと解釈して、思わず苦笑いしてしまいました。

この辺りは今が田植えの最盛期ですし、昨日は連休中で天気も良かったので、私の研究室を専攻してくれた元学生と久し振りに千葉県大網白里町砂田(イサゴ ダ)に水田の様子を見にでかけました。ここは千葉大学時代の私の研究室で谷津田の休耕田を借りてビオトープを造成し、農薬が生態系に及ぼす影響を何年間に も亘って(2007年10月まで)調査したところで、その後どうなっているか気になったからです。1年の中のある時期になると後背地の山から絶滅危惧種の アズマヒキガエルという褐色の巨大なガマガエルが多数下りてきて交尾・産卵をしたり、珍しいトンボやサワガニや何種類ものユスリカの幼虫や、マムシまでい る生物多様性の豊かなところでしたが、この集落の農家の高齢化(一番若い専業農家は70才)に伴って機械化ができるように小さな谷津田を崩して大きな水田 に変える造成工事が行われていました。少なくとも江戸時代から、後背地の山に降った雨が地中に浸み込み絞り水として3本の小さな滝を形成し、田越し排水で 谷津田を潤おした後は、南白亀(ナバキ)川に合流して九十九里浜の白子(シラコ)というところで太平洋に注いでいるところです。村人によると、昔(と言っ てもほんの数十年前まで)は太平洋の海底で産まれたウナギの稚魚(シラスウナギ)がこんな山の中の谷津田まで上ってきていたそうです。それが、今回の工事 で一応生物に配慮して調整池は造ってありましたが、水は下水のように土管で地下を流れるようになり、湿地も乾燥化して生物には生息し難い環境になっていま した。村人の生活がかかっているのでやむを得ないのでしょうが、本当は皆で知恵を出し合って、こういう場所はお米の生産性を高めることを目的とするよりも 自然の生物多様性を保全する場所として維持できればいいのになという気がしました。メディアや作家・評論家を含めて多くの人達は、今でも農薬によって里山 や水田周辺の生物相が貧弱になったと思い込んでいますが、実際は湿地の干拓や水路の下水路化や住宅地からの雑排水による汚染など、生物にとっての生息環境 の悪化が本当の原因で、農薬の影響は小さいということを、私たちの調査は証明しています。この話題については、いずれ私のWebサイトで詳しい記事を書こ うと思っています。

 

2010年5月1日土曜日

 今日はある新聞が私の自宅のある松戸の方に取材に来られたので、2時間くらい市橋君の裁判支援活動に関連して話をしました。ゆうちょ銀行から今までに送られてきた振替受払通知票の入った大量の封筒を並べて写真を撮っていきました。いずれ記事として掲載されるのではと思います。支援をして下さっている方々の思いが正しく報道されるのはいいことですので、あらかじめ掲載日がわかれば、皆さまにもお知らせします。

肝心の市橋君の裁判支援活動以外にも、活動を通して経験した裁判制度のいくつかの問題点についても話が進みました。今回はたまたま元教師の私が元学生の市橋君のために裁判活動を支援する募金活動を始めましたが、そういう身近な支援者がいない被疑者・被告人で経済的能力がない場合の弁護士費用や弁護士の裁判活動費用はどうするのかという問題。私が知らないだけかもしれませんが、誰かが発案して募金活動をしてでも弁護士会の中にそういう場合のために基金を設立する必要はないのだろうかという疑問。もうひとつ気が付いたのは、検察側が提出する証拠書類を弁護側がコピーを取るのに、秘密漏洩を防ぐという理由で、特定の組織(天下り先?)でしかコピーが取れず、しかも1枚40円もするというのは、常識的にあまりにも高額過ぎるので、現在国が行っている事業仕分けのまな板に載せてみる必要があるのではないかという問題。千葉県だけの問題ではなく、全国の全ての裁判で同じことが行われているとすれば、毎年何億円か何十億円かを超す莫大な無駄が生じている筈です。影響力の大きい新聞ですので、いずれ課題として取り上げてくれれば、一つの問題提起の役割を果たすことになるかもしれません。多くの支援者にとっては、とりあえずは市橋君の裁判支援をすることが第一義かもしれませんが、その活動を通して見えてきた社会の問題点を是正することも有意義なことかなと感じました。