2016年6月30日木曜日

朝2時に目覚ましをかけて、シャワーを浴びて目を覚ましてから2時半に出発して成田市の甚兵衛の森に出発しました。この頃は成田に行くには高速道路を使わずに国道464号を走りますが、この時間帯にはほとんど車が走っていませんので、現地には3時40分に着きました。
持参した「松保護士の手引き」(改定2版)とその他の資料を吉岡賢人君に渡して、散布をする造園業者が到着するの待ちました。4時半から散布予定になっていましたが、実際には4時ちょっと過ぎに到着し、4時10分から散布を開始しました。6月10日、21日に続いて3回目の散布ですので大分要領がよくなって、ノズルをあらかじめクレーンの先端に固定して、希釈薬液もあらかじめ500ℓのタンクに準備してきましたので、到着後すぐ散布を始め、約30分後の4時40分には作業を終了しました。

散布方法や環境への配慮は前回よりもさらに改善されました。散布対象木の下に位置する飲料自動販売機には1台だけでなく2台ともブルーシートを掛けてカバーしてくれました。ただ、残念ながらこの業者の3段のクレーンでは高さが不足で、樹高約25mの一番守りたい樹齢約300年のマツの樹冠部には十分量の薬液が届いていませんでした。そのことは、前回の散布後、吉岡君が高所作業車を使って樹冠部近くのマツ枝を採取し、樹木医仲間の阿部 豊氏に飼育しているマツノマダラカミキリ成虫に摂食させる生物検定をやってもらって、十分の殺虫効果がなかったことからも確認されました。
この点についてはいずれ甚兵衛の森を守る会で吉岡君が報告して、高木にだけはスプリンクラーを設置・固定するなり、来年は20mの高所作業者の上にノズルを持ち上げて上から散布するなり、皆で検討をすることになると思います。

コンビニ前のベンチに座って吉岡君と30分ぐらい打ち合わせをしてからすぐ帰宅の途につき、朝7時前には自宅に着きました。シャワーを浴びて、朝食を食べて、すぐ7月15日の滋賀県での講演のスライド作成にとりかかり、机の前に座ったままで夕方近くになってやっと出来上がったので先ほど宅ファイル便で発送しました。配布資料の印刷をするので、首を長くして待っていたようでした。滋賀県では何年か前にも農薬シンポジウムで一度講演をしましたが、今回は主催者は同じでも開催場所が異なるので、どれぐらい参加者が重なっているか予想ができません。そのために、基本的には前回と同様の内容構成にしましたが、もし重なる人が多い場合は実際の講演では別の新しい内容構成で話をしますので知らせて下さいとお願いしました。

次は7月6日の東京高田馬場での講演の準備を大至急しなければなりません。遅くても7月4日までには配布資料を送ってほしいと言われています。
やっと一段落しましたので、今から夕食前に1時間ぐらい運動に出かけて汗をかいてこようと思います。

水元公園Cブロックに行き、1時間半ウォーキングしてきました。少しジョギングもしてみましたが、寝不足で元気がでないのですぐ止めてウォーキングだけにしました。江戸川堤防のすぐ下の螺子(ネジ)を切ったりする小さな工場の横には魚の水槽が置いてあったり、カンナが植えてあります。金属相手の無機的な仕事場なので、水槽の小魚や植物を見ると癒しになるのでしょう。
ちょうど綺麗な黄色の花が咲いていました。植物はどうしてこんなに綺麗な色を出せるのか、不思議な気がします。







 

2016年6月29日水曜日

松戸市役所の河川清流課のK君に、坂川に沿った桜の木の害虫防除目的の薬剤散布についていくつかの提案をメールで送りました。

昼休みは水元公園Cブロックに行って2時間ウォーキングをして運動をしてきました。園芸学部構内にはサンゴジュの生垣がたくさんありますが、毎年この時期は葉がサンゴジュハムの食害で汚らしくなります。今日も通りがかりにちょっと見たら、成虫が発生して葉を食べていました。
水元公園ではイラガの若齢幼虫がいたり、クヌギカメムシもいました。
カリンの実が今年もいつの間にか大きくなっていました。共生しているのかどうかはわかりませんが、ケヤキの大きな木の根元にはキノコが生えていました。
ちょっと前まではスダジイとマテバシイの紐のような形をした白い花が目立ちましたが、その時期は終わって、今度はサンゴのような形の白い花を咲かせている木が目立つようになりました。葉はマサキの葉に似ていますがちょっと違うような気もして、私には木の名前はわかりません。

修景池ではあちこちでオタマジャクシが水面に顔を出しては潜る行動を繰り返していました。何か意味があるのでしょう。もしかしたら、肺呼吸をするために水面上の空気を吸いに来ているのかも・・?
江戸川を渡る葛飾橋の鉄橋のムクドリの巣は、前よりも増えて今日は少なくとも6~7個の巣穴に親鳥が出入りするのが観察でき、餌をねだるヒナの鳴き声が聞こえました。2回目の子育てなのか、それとも単に遅れて子育てしているだけなのか・・? その中の1つの巣穴には3羽のもういつ飛び立ってもいいように育った大きなヒナの顔が見えました。

明日は千葉県成田市の天気予報はあまりよくありませんが、吉岡賢人君からの電話連絡では、甚兵衛の森では造園業者が予定通り3回目の薬剤散布を実施する予定とのことですので、私も前2回の時と同じように午前2時に目覚ましをかけてシャワーを浴びて、午前2時半には松戸の自宅を車で出発して現地に行くことにしました。
明日は本当はアメリカ人の義理の息子が成田空港に到着する予定だったのですが、カリフォルニア州サンタモニカ市の自宅の修繕工事が予定通り進まなかったので、キャンセルになりました。航空券は、年末に来る時に使えるように変更ができたようです。

昨日は園芸学部に寄って、以前もマツ苗を植えるアルバイトをやってもらった応用昆虫学専攻の大学院生に甚兵衛の森で採集したクロカミキリ2頭と三保の松原で採集したクロカミキリ3頭の標本を作ってくれるように依頼してきました。1頭千円×5頭=5千円のアルバイトで、プラス標本箱代を別に払うことにしました。彼も助かるでしょうし、私も松枯れ問題で講演をする時に標本にしておけば実物を見せられるので助かります。















2016年6月28日火曜日

約束通り、日本時間の朝9:30 にシンガポールにあるCrop Life Asia(アジア農薬工業会)のDr. Vassant Patil から電話がありました。私がアセアン3ケ国(ベトナム、タイ、インドネシア)を再訪問して講演をするのは、8月7日(日)日本出発~13日(帰国)ということでアレンジすることになりました。訪問する国の順番と宿泊ホテルを向こうで決めて知らせてくれたら、航空券の手配は私がして、全ての経費と講演料はCrop Life Asia で支払ってくれる予定です。今回はそれぞれの国のジャーナリスト(メディア関係者)が主対象の企画で、農薬の果たしている役割などについてわかり易く(あまり技術的・専門的な言葉を使わずに)解説してほしいという依頼でした。
外国のジャーナリストに農薬について英語でわかり易く解説するというのは、私にとっては初めてのチャレンジですし、ついでにそれぞれの国の興味のあるところを見学できるのも大きな楽しみです。移動の時間もありますが、多分各国で半日~1日は自由時間があるのではと想像しています。

松戸市役所の河川清流課に寄って、千葉大学名誉教授と書かれた名刺を渡して、昨日実施された坂川沿いの樹木の病害虫防除の薬剤散布についていくつか訊きたいことがあると申し込みました。職員2名が対応してくれましたが、初めはどこで何が散布されたか把握しておられないようでした。私が現場に掲示してあった「薬剤散布のお知らせ」を写真にとってプリントして持っていきましたので、松戸市河川清流課が事業発注者だということが確認できたようでした。途中でもう1名会話に参加した職員が、何と千葉大学園芸学部で現職教授だった時に私の研究室で指導をした修士課程修了生のK君でした。市の職員は誰も散布に立ち会っていなかったようで、散布が昨日実際に行われたのか、何時に行われたのかも知りませんでした。しかし、坂川沿いに植栽されている河津サクラは市の所管なので、そのアメリカシロヒトリ防除が目的だったということは確認できました。私が、あのような環境でどのような散布機を使ったのか知りたいと言いましたら、施工業者が写真を付けて作業終了の報告書を提出にくるとのことでしたので、それが届いたら連絡をしてもらって見せてもらうことにしました。
施行業者はネットで調べたら、比較的近くにありましたので、本当に実在するかどうか念のため住所に行ってみましたら、高層マンションの1階部分に事務所がありました。しかし作業場や倉庫はありませんでしたので、農薬散布機等の機械はどこか別に保管場所があるようでした。たまたま私の研究室の卒業生が市役所の担当部署にいることがわかりましたので、施工業者が農薬散布の安全管理について基礎的知識を持っている「緑の安全管理士」 http://www.midori-kyokai.com/sikaku/ のような有資格者かどうかも確かめてもらおうと思っています。通行人がどんどん通る道に隣接した場所で、しかもそういう時間帯に散布をするのですから、念には念を入れて安全確保をすることが大切だと思います。

昨日見学した群馬県伊勢崎市の株式会社ザイエンス関東工場では、国産・輸入木材の防腐・防蟻処理をすることに加えて、木材保存剤の製造もしていました。その施設も見せてもらいましたが、製剤に使う殺菌剤・殺虫剤の原体も輸入品や国産品を使っていました。製剤の試作をする実験室レベル(小規模)の施設や、薬剤の分析をする化学実験室もありました。
製造された木材保存剤の出荷用ダンボール箱と4ℓ入り缶には、社団法人木材保存協会認定品という記載と認定番号の記載がありました。私たちがやっている木材保存剤等性能審査委員会というのは、この社団法人木材保存協会の委託を受けて申請品の性能と安全性の審査をして、それに基づいて認定が行われているのですから、慎重に審査しなければいけないなとあらためて自覚しました。
その他に木材腐朽菌の培養室と木材腐朽試験室、イエシロアリ飼育室と木材食害試験室などもあり、実に勉強になりました。
いつだったか松戸市内の近所で小児科クリニックを建てている時に、柱の下から1mぐらいは柿渋色のように着色していたので何だろうと思いましたが、今日の見学で建築基準法で土台から1mの柱の基礎の部分は防腐処理をすることが義務付けられているということを聞いて納得しました。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%9F%BA%E6%BA%96%E6%B3%95

最後に会議室でお礼を申し上げ、住宅を守るために必要な技術開発と防腐・防蟻処理木材の供給という重要な仕事をしている会社ですねと感想を述べたら、何年か前に埼玉県内のある県立工業高校の生徒たちが先生の付き添いで見学に来た時に、生徒の一人が最後の感想で「こういうところでだけは仕事をしたくない」と発言されて、がっくりきましたと言っていました。工業高校の生徒にとっては、電子工業なりIT産業なりに憧れていれば、生の木材を扱う第一次産業に近いようなこういう職場は理想と正反対だったのかもしれません。

一つだけ残念だったのは、国産木材が少なく輸入木材が圧倒的に多いことでした。日本の林業を振興するために国産材を住宅建設にもっと使ってほしいところですが、値段が高いことに加えて一定の品質のものを需要を満たすために大量にそろえるのが難しいとなれば、民間会社のビジネスとしてはそうせざるを得ないのでしょう。ただ、林業は木材の供給だけでなく、森林が炭酸ガスを吸収して酸素を供給したり、生物多様性を保全する場所を提供したり、緑の癒し効果や、水を貯めるダムのような国土保全の役割も果たしているのですから、国民全体で支援する必要があるのではないかと思うのですが・・。

7月の講演の配布資料の催促が届きましたので、明日と明後日が勝負です。







 












2016年6月27日月曜日

市内を流れる坂川沿いの樹木の病害虫防除目的の薬剤散布は午前7時から午後5時までの間に実施予定と掲示されていましたので、こんな難しい環境(住宅に囲まれて、川に面して、隣接道路には常にかなりの人通りがあって、高木)でどうやって散布をするか見たいと思って、午前6時半に新聞を持って現場に行き、神社の石の椅子に腰かけて新聞を読みながら朝8時まで待ちました。施工業者は来なかったの、一旦自宅に帰って朝食を食べて10時半に現場に戻ってみたら、ポスターが全て撤去されていましたので、残念ながら私が現場を離れた2時間半の時間帯に散布をしてしまったようでした。仕方がありませんので、近いうちに発注者の松戸市役所河川清流課に寄って、どういう散布をしたか訊いてこようと思います。もう一度川沿いに歩いてみましたが、サクラの木には病気の葉が1ケ所と枝枯れが1ケ所あるだけで、アメリカシロヒトリの発生は見当たりませんでした。ツバキの木も1本ありますが、チャドクガの発生も見当たりませんでした。
珍しくイトトンボのような形のトンボが川の斜面の草むらにいましたが、ハグロトンボかもしれません。

その後、上野駅から新幹線で本庄早稲田駅に行き、待ち合わせていた木材保存剤等性能審査委員会のメンバー3人と合流し、迎えに来てくれた株式会社ザイエンスの車で利根川を超えてすぐのところにある同社の関東工場(住所は群馬県伊勢崎市)に行きました。木材保存剤(防腐・防蟻剤)の安全性の審査をしていて、住宅の床下の基礎部分に現場施用するものに加えて、工場施用というのが申請されますが、工場で実際にどのように木材に施用されるのか見学したいと提案しましたら、株式会社ザイエンスが関東工場が近いからということで便宜を図ってくれました。

会議室での説明の後、5名の責任者の方々が約5万平方メートルの広大な敷地にある全ての工場・研究室・設備などを案内して見せてくれて、写真を撮ることも許可してくれました。株式会社ザイエンス http://www.xyence.co.jp/ は日本全国に工場や製造所や営業所があるようですが、関東工場で主に扱っている製品は木材製品、環境製品、化成品のようでした。国産木材の他に海外から輸入した木材も使って、防腐・防蟻処理をしたり、公園の遊具や東屋(あずまや)や鉄道線路の枕木を造ったり、施工業者のための木材保存剤の製造などをしていました。
委員会のメンバー全員は、木材保存剤の工場処理というのが実際にどのように行われているかを見て大変勉強になりました。ほとんどの作業が機械化されていて、加圧処理のところは全工程がコンピューター制御をされていて、薬品の臭いもほとんどせず、効率よく安全に操業されていることに現場はここまで進歩していることを認識して感動しました。
昔から「百聞は一見に如(し)かず」と言われますが、やはり現場を見ることの重要性をあらためて実感しました。