2010年11月28日日曜日

今年の講演や講義の予定は全部終わりましたので、久し振りにカメラを持って園芸学部キャンパスと江戸川の堤防を散歩しました。市橋君が専攻した庭園デザイン学研究室が入っているA研究棟右の桜の老木は、春には満開の花を咲かせていましたが、晩秋の今は紅葉の時期を過ぎてすでに落葉していました。A研究棟左にはヒマラヤシーダーと呼ばれる巨木が何本かありますが、その下には昔ここを訪れたことがある与謝野晶子の句碑が、市橋君の卒業後に建てられました。斉藤一雄初代教授が設計した図書館(園芸学部分館)裏の小庭園は、春には春の、秋には秋の風情があります。

江戸川の堤防を歩くと、春や夏とはまた違った景色が目に入ります。今の状態の市橋君は外の景色の移り変わりを見ることはできませんが、在学中はきっとこういう景色を見慣れていた筈です。不可能なことですが、彼にも見させてやりたいと思いました。最初の公判が開かれるまで弁護士以外の接見はできませんので、外界と隔離された人間は誰でも、特に3年近く人目を避けて逃走していた人間にとっては、どれほど孤独感で寂しい思いをするのだろうかと想像してしまいます。しかし、直接伝えることはできませんが、市橋君には、ご家族以外にも、多くの支援者が心配をして温かい目で見守っていることを知ってほしいと思います。