2014年4月15日火曜日

妻が若い時に大変お世話になった親戚のSさんは3年前に89才で亡くなりました。ご遺灰は一人娘と奥様のおられるお住まいに置いて毎日話しかけてこられたようですが、とうとう決心をされて今日納骨式がありましたので、私たちも参列しました。参列者は娘さんと奥様と、Sさんと職場が一緒で退職後も趣味(旅行、山登り、絵画)で長い親交のあった友人のMさんと、私たち夫婦だけで、ラジカセで故人が生前好きだったクラシック音楽のCDをかけながら納骨し、故人が好きだった赤ワインを皆で一口すすって献杯をし、故人が好きだった秋川雅史の”千の風になって”を歌いました。帰りに皆で一緒に食事をしました。家族だけで簡単だけど、心のこもったよい納骨式でした。”千の風になって”の歌詞は、まるでSさんが私たちに語りかけているようで、今日の納骨式にピッタリでした。

作詞:不詳・訳詞:新井満
作曲:新井満

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

千の風に 千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています
あの大きな空を
吹きわたっています

Sさんは一人娘以外にお子さんはいなくて、その一人娘も還暦を過ぎて独身ですので、生前3人で話し合って、用意してあった遠方のお墓を手放して近所の永代供養墓を購入したのだそうです。奥様と娘さんの名前もすでに石碑に刻んであって、最後の家族が亡くなって13年後にご遺灰を一緒にして土に還すという契約だそうです。少人数家族が多く、先祖伝来のお墓や家を守る人が絶えることが多い現在の社会のニーズに合った考え方だなと思いました。

50年以上前、私たちがまだ結婚する前にSさんのお宅を訪ねたことや、その後アメリカのノースカロライナ州に住んでいる時に20代だった娘さんが我が家を訪ねてこられたことがありました。その娘さんがもう還暦を過ぎたのですから、いつの間にかずい分時間が経ちました。家族は、生きている間に喜怒哀楽を共にして、そしてやがて時期がくれば順番に風になってあの世に旅立っていくのでしょう。旅立っていく人が、残される家族が悲しまないように気を配りながら旅立つということは、幸せだった家族との生活を慈しみ感謝しているということを表しているのだと思います。