2015年1月31日土曜日

千葉大学園芸学部の構内を通って水元公園に行って、2時間ほど歩いたり走ったりしてきました。構内の生協前広場にはいくつか新しい就職ガイダンスの看板が立っていました。卒業生が母校に来て後輩を応募・受験させるためにどんな勧誘をするか、私も教室にそっと紛れ込んで、帽子とマスクで顔を隠して聞いてみようかとちょっと意地悪な気持になりました。

水元公園では強風のせいか青空が澄み渡っていて、運よく水路の横の木の枝に留まって水中の餌を狙っているいるカワセミに出会いました。ツグミやその他の野鳥もたくさんいて、何人かのカメラマンが望遠レンズを構えていました。
帰路の江戸川堤防からは、あいにく富士山の方角の地平線には雲がありましたが、富士山はちょっとだけ見えました。

自宅に帰ってシャワーを浴びて、3月6日(金)の農大での農薬部会セミナーの講師候補者に講演依頼のメールを打ったり、名古屋大学大学院時代の恩師の一人の齋藤哲夫先生に論文コピーを送っていただいた礼状を打ったりしました。間もなくして先生から電話があり、しばらくお話しを伺うことができました。91才になられて、血栓ができて脳梗塞にならないように溶血剤(殺鼠剤と同じ有効成分のワルファリン)を飲んでおられて、以前は時々起っていた心房細動が慢性的になったので医者に家で静かにしているようにと言われているとのことでしたが、電話の声は昔と全く変わらずすこぶるお元気でした。それにしても、鼠を殺す毒が人間の病気を治す薬としても使われるのですから、正に毒になるか薬になるかは摂取量(濃度)が決める一例です。
心房細動というのはどういう病気か、ネットで検索してみました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E6%88%BF%E7%B4%B0%E5%8B%95 

先生の殺虫剤抵抗性研究に対する関心は相変わらず高く、ご自分は体の自由がきかなくなったので代わりに私にこれをしろ、あれをしろと指示をしておられました。先生のご期待にどれだけ応えられるかわかりませんが、できる範囲で少しお手伝いしてみようかと思っています。

1月も今日が最後で、明日からは2月に入ります。




 
 

2015年1月30日金曜日

午前中は東京に出てある会社を訪問し、今年実施しようと計画している松くい虫防除に関する研究の一部について協力が得られないか相談してきました。検討した上でいずれ返事がもらえる筈です。

天気予報通り、今朝起きたら雪が降っていて地面は真っ白でした。この雪では、昨日の東京アグリビジネスの社員の研修会の後で、生命の森リゾート(エアロビクスセンター) http://www.seimei-no-mori.com/ の宿泊施設(ホテルトリニティ書斎)に一泊して今日やる予定だったゴルフは多分できなかった筈です。せっかく年に1回の研修会兼レクリエーションだったのに、お気の毒です。

私は東京からの帰り道、雪が雨に変わりましたが、滑ってころばないように気を付けながら慎重に歩きました。暦の上での大寒は先週20日(火)でしたが、今日は一段と冷え込んだ感じです。

2015年1月29日木曜日

日本エアロビクスセンターの2階の会場にはざっと見て100人くらいの参加者が集まっていました。約半分は(株)東京アグリビジネス関連会社の社員で、残りの半分はゴルフ場のグリーンキーパーだそうです。グリーンキーパーはもっと参加が予定されていたのが、天気予報で明日は雪が降るということになったので急遽キャンセルになった人が大勢いたとのことでした。雪になるとグリーンキーパーはゴルフ場に待機しなければならないということは知りませんでした。雪が止んだ時にお客さんがすぐコースでプレーできるように作業をする必要があるということなのかもしれません。

講演は準備をした通りちょうど2時間でまとめることができました。懇親会では私のテーブルにいろいろな人が話しかけに来てくれましたが、あるゴルフ場ではすでに40年くらい前にアメリカのテーダ松を植えて、巨木に育っているとのことでしたので、今度見学させてもらおうと思っています。

昔、市原市のフジカントリー(今は経営者が代わった)というゴルフ場のグリーンキーパーをしていたS氏が、現在の職場での仕事が終わってから懇親会場に私に会いに来てくれました。お互いにずいぶん久しぶりの再会でしたので、私が千葉大学の現職で千葉県のゴルフ場の農薬問題に取り組んでいた頃(当時の沼田という千葉県知事が新設ゴルフ場は無農薬管理をしなければ建設を認めないという政策を打ち出して皆が建前と実情の違いで苦労をしていた)の懐かしい思い出話になりました。あれから何十年(20年以上?)か時間が経ちましたので、私も白髪だらけになりましたが、彼は当時の苦労がストレスになったのかまだ51才の若さだそうですが私以上に頭髪が薄くなって白髪になっていました。
帰りはS氏の車で茂原駅まで送ってもらい、自宅に着いたのは夜の10時半過ぎでした。

2015年1月28日水曜日

昨日作成して提出した農薬学会大会の講演要旨は、よくチェックしてみたら学会が指定したフォーマットに従っていなかったことに気がつきましたので、フォーマットに合わせて訂正し、提出し直しました。

明日の千葉県長生郡長柄町の生命の森/日本メディカルトレーニングセンター(旧・日本エアロビクスセンター) http://www.seimei-no-mori.com/aerobics/ における講演は、電車で大網駅まで行けば、主催者の東京アグリビジネスの大橋邦雄会長が昨年と同じように車で迎えにきてくれるということになりました。自宅を昼頃出発すれば十分間に合います。大橋会長は東京農業大学林学の卒業生で、学生時代にアルバイトとしてやっていた農大周辺の邸宅の庭園管理を発展させて会社を立ち上げた方です。
講演の準備は全部できましたので、いつもの床屋に行って、散髪をしてもらってサッパリしてきました。

2015年1月27日火曜日

3月18日~20日に玉川大学で日本農薬学会第40回大会が開催されますが、私は共同研究者と一緒に実施した松くい虫防除に関する研究結果について発表する予定です。講演要旨の提出期限が明日ですので、今日やっと最終版を作成してメールで提出しました。演題は「スミパインMCの空中散布と殺線虫剤樹幹注入の部分的併用による松くい虫防除効果」で、発表者は本山直樹・孫 立倉・阿部 豊・田畑勝洋です。

少し余裕ができたので、道場に行って男子更衣室のモップ掛けをして掃除をしてから、久し振りに空手着に着替えて空手の稽古をしました。体重オーバーで動きに切れがないし、関節は固いし、すぐ息が上がるし、散々でしたが、それでも終わってシャワーを浴びてからは気分爽快でした。

千葉大学園芸学部で開講している食品安全ビジネス論という公開講座の担当者が執筆した書籍「食品の安全と安心」講座Ⅰと講座Ⅱ(松田友義 編)(定価税込各2160円)が幸書房から出版され(2015年2月5日発行)、私も講座Ⅰの方の第3章「農薬の有効性(栽培)と安全性(残留)」を担当しましたので、出版社から献本としてⅠ、Ⅱとも送ってきました。書店でも2月初めから市販されるようですが、著者割引特別価格は税込各1700円だそうです。目次を見ると興味のある内容構成ですので、他の担当者が執筆した章を読んで勉強しようと思っています。
講座Ⅰ考える材料と見る視点
 第1章 土壌中の重金属と農産物
 第2章 植物の病気と食品の安全
 第3章 農薬の有効性(栽培)と安全性(残留)
 第4章 遺伝子組換え農作物
 第5章 食品添加物の利用と安全性
 第6章 放射性物質による食品汚染を考える
 第7章 科学者から見た食品のリスクと安全性
 第8章 調理-食品をおいしく安全に食べる技
 第9章 食品表示制度の作られ方-食品表示法を中心に-
 第10章 食品表示法について
 第11章 メディアは消費者に何を伝えているのか
 第12章 リスクコミュニケーションの有効性
 特別寄稿:食物アレルギー
講座Ⅱ安全を守る対策と仕組み
 序論 食品安全文化
 第1章 食品の劣化とその防止
 第2章 食中毒の原因菌と予防法
 第3章 食品の品質管理者-5つの基本業務
 第4章 食品工場の安全管理システム
 第5章 ISO 22000とHACCPの用語と仕組み
 第6章 食品防御(フードディフェンス)とは
 第7章 食品安全と危機管理・コンプライアンス
 第8章 適正農業規範GAPと農産物生産の安全性
 第9章 農産物などの検査認証制度と検査員の役割
 第10章 食品安全とサプライチェーンマネジメント(SCM)
 第11章 自然災害・食品事故と事業継続計画(BCP)
 
 

2015年1月26日月曜日

一歩も家から外に出ずに、一日中机に向って集中して今週の木曜(29日)に予定されている講演の準備をしました。この会で講演をするのは今年で3回目ですが、いつも2時間ぐらいの講演時間を用意していただけるのでゆっくり話ができます。今年は「松枯れ問題とネオニコチノイド問題」という演題にして4つの話題を準備しましたが、主に、平砂浦に植樹したマツ苗の大量枯死の原因に関する仮説と、マツノザイセンチュウ原産国アメリカにおける松枯れ状況視察報告に多くの時間を使うつもりです。
配布用資料が届かないので心配した担当者からメールが届きましたが、ちょうど出来上がりましたので宅ファイル便で発送しました。

昨日、農家の無人販売所で買ってきたネギを妻が早速料理して夕飯のおかずに出してくれました。白い太い部分を焼いて、細く刻んだシイタケと一緒に味付けしてあって、美味でした。

2015年1月25日日曜日

千葉大学を定年退職後も、「食品安全ビジネス論」という公開講座の中の農薬の安全性に関する部分を非常勤講師として1年に1回だけ担当してきました。本来は私(現在72才)はすでに千葉大学園芸学部の非常勤講師の年齢制限を越えている筈ですが、講座の世話をしている教員が教授会で余人をもって代え難しという説明をして了解を得てくれているようです。今年も、引き続き6月26日(金)に講義をしてほしいとの依頼が届きましたので、了承の返信をしました。この公開講座は学内の学生と外部からの社会人の両方が受講しています。私にできる範囲の社会貢献の活動の一つで、楽しみです。

先日、名張の毒ブドウ酒事件の再審請求が最高裁で却下されたという報道があった時に、混入されていたTEPP(ニッカリンP)という殺虫剤について、私の名古屋大学大学院時代の恩師の一人の齋藤哲夫先生(名古屋大学名誉教授)に電話で質問して当時の状況を教えていただきました。今日は、先生が名古屋大学に来られる前に勤務しておられた静岡県金谷の農林省茶業試験場時代に発表された研究論文その他のコピーが届きました。京都大学農学部農林生物学科に学生として在籍中に行った燻蒸剤に関する卒業論文の研究は昭和25年(1950年)に防蟲科学という学術誌に論文として掲載されています。今から65年前ですが、昭和20年(1945年)の終戦からわずか5年後にこういう研究が行われていたのですから、驚きです。卒業後、茶業試験場に就職されたそうですが、埼玉から鹿児島にいたるまで茶樹害虫防除を一人で取り組まれて大変だったとのこと。当時の日本は外貨獲得の70%が生糸で30%がお茶だった時代で、ハマキ類の防除と製茶品質として農薬の残留問題が重要な研究課題だったとのことです。今から考えると毒性が著しく高い(特定毒物相当)パラチオンやTEPPという有機リン殺虫剤を供試して防除効果を検定したり、機器分析の発達していなかった当時に生物検定法で分解速度の測定や残留濃度の分析をされています。
今では多成分同時分析が高感度でできるGC/MSやLC/MS/MSといった最新式の機器が簡単に使えますが、そういうものが何もなかった時代に、手作りの実験装置で工夫をしながら研究を進めて答えを出していたというのは、若い世代の研究者に是非伝えて残したい貴重な歴史だと思います。

養豚農家のT氏から昨年いただいたお米(玄米)をずっと食べてきましたが、今日妻と一緒に車で松戸市内のJA(農協)に行って、駐車場に設置してあるコイン精米機で最後の10kgを白米にしてきました。帰りに、ネギを門の前に置いて無人で販売している農家に寄って、百円玉2枚を箱に入れて2袋(2kg)買ってきました。

2015年1月24日土曜日

昨夜は大阪から夜遅く帰宅したので、今日はのんびり過ごしました。
昼頃、千葉大学園芸学部の構内を通って江戸川に行き、新葛飾橋を渡って水元公園の桜堤(つづみ)を2時間歩いたり走ったりして運動してきました。園芸学部の生協前広場には就職ガイダンスの立て看板が4枚ありました。今の時期ですから、多分3年生を対象にした来年4月の就職のガイダンスだと思いますが、就職協定に違反しないようにか、いずれも「このセミナーは採用選考活動とは一切関係ありません」と「参加は学部・学科・学年は問いません」という注意書きが書いてありました。
もう私は千葉大学教授を定年退職して何年も経ちますので学生の就職の心配をする必要はなくなりましたが、こんなに早くから採用する側と就職する側の活動が始まっているようです。
事務管理棟の前の庭園には傘のように剪定した松が何本か植栽されていますが、幹の肌がアカマツのような木の針葉の色が黄緑色で、隣の木の濃い緑色に比べて弱々しい感じがしました。この木の特徴ならいいのですが、病気でなければよいがと気になりました。

桜堤から金町駅方面の住宅地にちょっと入ると、業平山(なりひらさん)南蔵院(なんぞういん)という大きなお寺があり、縛られ地蔵という変な名前のお地蔵様があるので寄ってみました。
http://shibararejizo.or.jp/history.htm
この場所には昔は天台宗聖徳寺というお寺があったらしく、境内には聖徳の松と名付けたマツの大木があり、樹齢450年と記してありました。450年にしてはちょっと幹回りが細いような感じがしました。伐採せずに年輪を数える方法があればいいのですが・・。
縛られ地蔵は縄でグルグル巻きにされていました。願い事をして縄で縛り、願い事がかなったら縄をとくのだそうで、縄は1本百円で売っていました。不遜かもしれませんが、お賽銭(さいせん)の一つの形かなという気がしました。

茨城県土浦拘置支所に収鑑中のA氏から3回目の手紙が届き、求刑された懲役6年より短い4年という判決が下ったとのことでした。お母さんが面会に来てくれたとのことで、私がA氏の実家を訪ねた時に出所後に必要があれば相談相手になってもよいと電話でお姉さんに言ったことを伝えたらしく、感謝をしていました。また、お母さんの様子が大丈夫そうなのでよかったと書いてありました。どこの刑務所で服役するのかわかりませんが、もう一度実家に電話をして訊いてみようかと思っています。確か、服役が始まれば家族と弁護士以外は面会に行かれない筈だと思いましたが、このことについても友人の弁護士に確かめてみようと思っています。私が声をかけることでA氏が罪を償って人生をやり直す励ましになるのだったら、そうしてあげたいと思います。










2015年1月23日金曜日

近畿支部大会は大阪市で開催されましたが、関西には土地勘のない私は最初新幹線で着いた新大阪駅前を地図を片手に会場の新梅田研修センターを探してウロウロしましたが、見つかりませんでした。おかしいなと思ってよく地図を見たら、新大阪駅ではなくJR大阪駅となっていましたので、駅が違うということに気がつきました。早目に出かけてきたので、電車で大阪駅まで移動しても十分間に合う時間に会場に着けました。

私自身は、以前農水省の農業資材審議会の委員を10年間、その中で農薬分科会長を8年間務めましたので、農薬の管理行政についてはある程度は理解しているつもりでしたが、3日間にわたる「緑の安全管理士」研修会での農水省と環境省の担当者の講演を聴いて、認識を新たにしたことが多々ありました。
大きく異なった点は、従来から安全性評価の基準として用いられてきた一生涯最大量を摂取し続けることを前提にしたADI(Acceptable Daily Intake 一日摂取許容量)に加えて、国際的な動きに合わせてARfD(Acute Reference Dose 急性参照用量)を短期(24時間程度)ばく露の安全性評価の基準として設定しつつあるということと、新たに農薬散布作業者の安全性確保のためにAOEL(Acceptable Operator Exposure Level 作業者曝露許容量)を設定することを準備中であるということです。

面白かったのは、基準値を設定したり、ばく露量を計算するのに使う日本人平均体重が時代とともに変化してきているので、厚労省が水の基準では昔のままの50kg、ADIでは最近の55.1kg、環境省の登録保留基準ではちょっと前の53.3kgが使われてきているということです。平均体重が変わる度に基準値が変わるというのは大変なので、アメリカでは平均体重として固定した60kgを用いているのと同様に、日本でも平均体重が調査の度に少々変わっても一々基準値を変える必要はないということのようです。

ちょっと気になったのは、「農薬をめぐる最近の動向について」の講演の中で紹介された「農薬中毒事故の被害者数の推移(1957~2012年度)の折れ線グラフ(1月21日のブログにスライド掲載)で、1957年(昭和32年)から1970年(昭和45年)ぐらいまでは年間被害者数が500人を超える年があったのに対し、1980年(昭和55年)代以降は年間30~50人程度に下がっていることです。同じ講演で紹介された「人に対する事故原因別農薬中毒事故の割合(2008~2012年)」の円グラフ(同じく21日のブログにスライド掲載)では、保管管理不良、泥酔等による誤飲誤植が最も多く36%で、次は農薬使用後の作業管理不良が13%で、散布農薬のドリフトによるものは4%でした。飛散した農薬にばく露して周辺住民が中毒したのは、最大の50人の4%で年間2人に過ぎないという計算になります。これらの数字は、多分各都道府県から報告された数字を集計したものと思われます。都道府県が中毒が農薬のドリフトによるということをどうやって確認したのかわかりませんが、クロルピクリンのような刺激臭の強い薬剤で土壌消毒が行われた時に、付近に漏出した刺激臭で住民の体調が悪くなったというのは因果関係が明白ですので、そういう訴えを集計したのかなと想像できます。
ところで、島根県出雲市では2008年にヘリコプターで松くい虫防除で殺虫剤散布をした時に当初数人の児童・生徒たちが目のかゆみ症状を訴え、その後の学校の調査では最終的に1000人を超えたと新聞報道されましたが、ばく露と目のかゆみ症状の因果関係は全く証明されませんでしたので、こういう事例は中毒事故の統計には含まれていないようです。その後の私たちの現地調査で、目のかゆみの訴えがあった日は通学路に繁茂していたイネ科雑草の花粉の大量飛散の時期と一致しましたので、目のかゆみの本当の原因は花粉症だったと推察されました。

大阪の会場では、参加者の中に千葉大学園芸学部の卒業生で環境緑地学科時代に私の講義を受講したという卒業生(1990年卒)が来ていて、挨拶にきてくれました。名刺をみたら大阪市で造園会社の社長をしているようでした。研修会が終わったらスマホか小型パソコンかの画面を見せてくれましたが、千葉大学時代の同級生とフェイスブックをやっているとのことで私が講演している写真が早速アップしてあって、「本山先生は相変わらずものすごく元気でした」とコメントしてありました。まるで現場中継のようで、最近の通信技術の進歩には驚きました。彼には、大阪駅までの帰り道を案内してもらいました。
よく知っている林業用薬剤会社の人も参加していたり、私が講演で使ったスライドをもらえるかと言ってきて私のUSBからパソコンにコピーをした人もいました。名刺交換をした参加者の中には、松くい虫防除で有人ヘリによる薬剤散布を日本で最初に始めたというヘリコプターによる防除業者の方もおられました。主催者の緑安協の話では、受講者の中で私に自分の県でも講演をしてもらえるだろうかと相談に来た人が何人かいたそうですので、これを機会にまた今まで知らなかった人たちとの交流の輪が広がりそうで嬉しいことです。

2015年1月22日木曜日

新幹線で岡山駅に着いて、会場のオルガホールに行くのに駅前を少しウロウロしたら、レンタル自転車(岡山の桃太郎にちなんで「ももちゃり」という愛称の表示が付いていました)がたくさんありました。係員が見学者の団体に説明しているのを立ち聞きしたら、ずい分多くの市民が利用しているようでした。

平成26年(2014年)度の「緑の安全管理士」支部大会は全国各地で全部で8回開催される計画とのこと。
北海道支部:2014年11月25日(札幌市)、東北支部:11月27日(仙台市)、関東甲信越支部①:11月28日(東京)、関東甲信越支部②:12月8日(東京)、東海・北陸支部:12月10日(名古屋)、近畿支部:2015年1月23日(大阪)、中国・四国支部:1月22日(岡山)、九州・沖縄支部:1月21日(福岡)
基本的なプログラムは全国共通で、昨日のブログでスライドのタイトルページを紹介しましたように、各地区の支部長報告・挨拶に続いて、(1)農薬行政の動向-農林水産省消費・安全局農産安全管理課、(2)農薬に関する環境リスクの評価と管理-環境省水・大気環境局土壌環境課農薬環境管理室、(3)農薬の登録状況を巡る話題-(独)農林水産消費安全技術センター農薬検査部農薬残留検査課です。(4)については支部ごとに要望されたテーマを取り上げ、北海道支部と東北支部では「農薬使用におけるみつばちに係る話題」、関東・甲信越支部では「芝地を巡る防除の現状と課題」、残りの東海・北陸支部と近畿支部と中国・四国支部と九州・沖縄支部では私が担当した「マツクイムシ激害の再発生とその原因と対策」、です。(1)~(3)については、共通のスライド資料について各役所から支部大会ごとに異なる担当者が派遣されて講演をしていました。

岡山支部大会では、懇親会はありませんでしたので緑安協の人たちは研修会後あと片付けをしてすぐ明日の近畿支部大会が開催される大阪市に移動しましたが、私は岡山市内のホテルに一泊して明日移動することにしました。駅から歩いていける距離で比較的安いホテルを検索して見つけた岡山シティホテル桑田町は、朝食付き・税込・サービス料込で5,950円でした。http://www.okayama-cityhotel.co.jp/kuwatacho/ 他のもっと高額な駅前のホテルに比べると少し歩く距離が遠いだけで(と言っても10分以内)、部屋もバイキング式の朝食の内容も申し分なく大満足でした。



2015年1月21日水曜日

平成26年度の「緑の安全管理士」九州沖縄支部大会は、福岡市の天神クリスタルビルで午後1時~5時に開催され、農水省2人と環境省1人の農薬管理行政担当者による講演がありました。その後、私が「マツクイムシ激害の再発生とその原因と対策」という演題で講演しました。最後に、緑の安全推進協会(通称緑安協)専務理事の内田又左衛門氏による農薬登録制度の最近の顕著な動向の紹介と特に新しい事項としてARfD(急性参照容量)の詳しい解説とAOEL(作業者曝露許容量)導入についての講演がありました。

研修会終了後、主催者側数人と私で懇親会をしましたが、農水省や環境省の方々は多分出張で来ておられて懇親会に同席することは禁止されているのか、どなたも参加しませんでした。懇親会後、緑安協の方々は明日の中国・四国支部大会が開催される岡山市に新幹線で移動し、私は予約してあった福岡駅前のホテルで一泊し、岡山へは明日移動することにしました。







 













2015年1月20日火曜日

明日から3日間は福岡、岡山、大阪と連続で出かけますので、その前に来週29日(木)に予定されている別の講演の資料を作成して発送しておこうと思って朝から追われています。何とか今夜中には仕上げるつもりです。

本年8月24日~28日にオーストラリアのキャンベラで世界39ケ国の若者が集う「世界若者農業サミット」が開催される予定で、私も日本からの参加者2名を選考する委員の一人として依頼されています。今日付けの毎日新聞WEBに紹介記事が掲載されましたので、より多くの人々の目に留まって、より多くの若者が応募してくれることを期待しています。
http://mainichi.jp/edu/univ/news/20150119org00m100009000c.html
応募者が提出する英文のエッセイを読み、英語でのプレゼンテーションを聴くのは楽しみです。

2015年1月19日月曜日

今日はジョギングに行く代わりに松戸市内を2時間ぐらい歩き回って、虫コナーズタイプの害虫忌避プレートの下がっている家を観察してきました。ドアや窓の外に吊るして虫が家の中に入ってくるのを防ぐ効果を期待しているものと、物干し竿の近くに吊るしてあるものがありました。洗濯物が虫で汚染されるのを防ぐ効果を期待しているのか、洗濯物を干したり取り入れたりする時に蚊が寄ってこない効果を期待しているのかどちらかでしょう。冬で害虫の発生は少ない時期にもかかわらず、結構普及していることがわかりました。

同様の資材にはシートタイプ、リキッドタイプ、スプレータイプがあって貼り付けたり、蒸散させたり、吹き付けたりしているようですが、プレートタイプの場合は形は少し違っても樹脂製のメッシュ(網)の中に蒸気圧の低い合成ピレスロイド系殺虫剤のメトフルトリン(忌避活性が高い)が練り込んであって、常温で少しずつ揮発させているものと思われます。
メトフルトリンは住友化学株式会社が開発した合成ピレスロイド剤の一つです。
http://www.sumitomo-chem.co.jp/rd/report/theses/docs/20050200_imi.pdf#search='%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%B3'

合成ピレスロイド剤には、殺虫活性が高いもの、ノックダウン活性が高いもの、魚毒性が高いものと低いもの、揮発性の高いものと低いもの、脊椎動物に対する毒性の低いもの、非常に水に溶けにくいもの、残効性の比較的長いものと短いものなどがあり、化学構造によって性質が異なります。従って、ネオニコチノイド剤についても同じですが、一口に〇〇系殺虫剤と一括りにしていいとか悪いとかという言い方は科学的ではありません。よく世間には「農薬」と一括りにして悪者扱いしたり、好き嫌いを言う人がいますが、個々の農薬には性質の違い(個性)がありますのでそれを無視して決めつけるのは無知ということです。

虫コナーズを開発した時は当然室内のチャンバー内でユスリカ成虫やチョウバエ成虫のような不快害虫を供試して忌避試験をして効果を確認してあるのでしょうが、問題は風による空気の流れや拡散による希釈が起こる屋外の条件下でも効果を発揮する濃度が保てるかどうかということでしょう。それと、ユスリカは主に田んぼや水路のような水の近くで発生し、チョウバエも汚水の近くで発生しますので、試験生物としては便利でも、実際に玄関や物干し竿の近くに接近してくる害虫とは違うということです。
ちょっと前まで、いわゆる中年のおばちゃんや有名タレントを使った虫コナーズのCM http://cm-hoi.net/groceries/9896/ をやっていましたので私も面白くてよくできたCMだなと思って見ていましたが、よく見直してみると玄関や物干し竿の近くに来てほしくないスズメ蜂や毒蛾やムカデや蚊などのような害虫にも効果があるような印象を与えてます。
いずれにしても、誤解を与えたCMが悪いのか、製品にはユスリカやチョウバエに効果がありますと記載してあるのに勝手に拡大解釈した消費者が悪いのか・・。消費者庁がどういう指導をして、メーカーがどういう対応をするか興味のあるところです。

明後日21日(水)は福岡、22日(木)は岡山、23日(金)は大阪で開催される緑の安全管理士の研修会で講演することになっていますので、ネットで羽田から福岡までの航空券と博多駅前と岡山駅前のホテルの予約をしました。追い込まれて直前にならないと動き出せない私の悪いくせですが、これで一安心です。博多-岡山、岡山-大阪、大阪-東京は新幹線で移動します。