2015年4月30日木曜日

日本農業新聞の記者は、約束通り午前10時に松戸駅に到着しましたので、いつも使う駅前の軽食・喫茶に行って、農薬の短期暴露評価導入に関する取材を受けました。月刊「現代農業」6月号は明日5月1日発売予定ですが、私にはすでに雑誌が5冊送られてきていましたので、1冊を持って行って私が書いた記事を見せました。
若い記者でしたので、農業関係新聞の記者になるのは文学部卒か農学部卒かと訊いてみたら、明治大学農学部卒とのことでした。先週の土曜に明治大学駿河台キャンパスのリバティタワーで講義をしてきた話をしましたら、農学部は神奈川県の生田(いくた)キャンパスにあるとのことでした。
12時頃までいろいろ話をした後で、東京農業大学総合研究所研究会農薬部会のセミナーや講演会の紹介をし、5月15日には部会総会の後でカルビー株式会社相談役の松尾雅彦氏による興味深い特別講演があることを宣伝しておきました。多分、取材目的で参加申し込みをされるのではないかと想像します。

昨夜は予想に反して寝ている時にどこも攣(つ)らずに、安眠できました。今日は少し疲れが残っている気がしましたが、体育館の更衣室のモップ掛けとシャワー室のデッキブラシ掛けをしてから、江戸川堤防に運動に出かけました。上流に向かって左岸の堤防を約2時間ウォーキングしてきました。
園芸学部構内のクスノキの大木はすっかり古い葉が落ちて新しい葉と置き換わりました。生垣のカナメモチの若葉には鮮やかな赤色とそうではないのとがあることに気がつきました。事務棟の前の木(オオギリ=通称ハンカチノキ)の白い不思議な形の花も満開でした。今の時期はどこに行ってもパンジーとツツジが真っ盛りで、色や形の変異が楽しめます。
江戸川の河川敷ゴルフ練習場では、柳の小枝が風に吹かれていました。岸の近くに小さな生簀(いけす)が2つ設置してあり、覗いたら稚鮎(ちあゆ)がいっぱい捕獲してありました。葦(あし)も新旧交代の時期です。
電線に留まって可愛らし声で鳴く小さな鳥の写真を望遠で撮ってみたら、カワラヒワでした。尻羽が白ではなく黄色なので、雄のようです。
この時期は、戸外に出ると自然が生き生きしていて、気温も暑くもなく寒くもなく、1年で一番いい季節です。

    (写真はクリックすると拡大できます)


 
















2015年4月29日水曜日

横浜駅伝大会は朝10時にスタートしました。プログラムを見ると、参加チームは一般、混合、女子を合わせて490チームでした。千葉大学走友会は私がアンカーを走ったAチームと医学部薬剤部の若者(大半が20才代)が中心のBチームが参加しましたが、その他に2名の会員がそれぞれの家族を中心にした個人チームで参加していました。
1区10km、2区3km、4区8km、5区3km、6区5km、7区8.195kmで、7区の私のところにタスキが手渡されたのは午後1時頃でした。午前中は雲があって涼しかったのが、午後は晴れて暑くなりました。私は、年齢(72才10ケ月)と10kg体重オーバーの自分のコンディションを認識していましたので、とにかく無理をせずにマイペースで走ってタスキをゴールまで運ぶことだけを目指して走り、自分のストップウォッチ計測で1時間3分40秒で無事完走できました。熱中症にならないように、途中でしっかり4回も給水しました。20年前でしたら、この距離を多分35分以内で走れたと思いますが、現状では一応目標達成で満足です。

レース後にはブルーシートを敷いて皆で慰労会/懇親会をしました。ビール、ワイン、梅酒とのどが渇いていたのと口当たりがよかったので少し飲みすぎて酔っぱらってしまい、東急東横線の綱島(つなしま)駅までの帰り道はフラフラしてやっとたどり着きました。松戸までの電車の中でも、座席に座っていながら肩や脇腹や脚などが次々に攣(つ)るので、姿勢を変えて少しでも防ごうとしましたが、周りの人に気が付かれないようにするのに苦労しました。多分、今夜寝ている時もあちこちが攣ってのた打ち回って苦しむ筈です。

不十分な体調で走った私の自業自得です。千葉大学走友会は平成3年(1991年)に設立されましたので、今日参加したBチームのメンバーが生まれて間もない時期です。私はこの頃は体重も減らないし、十分な走り込みもできないし、外反母趾がひどくなって走ると足の甲の骨に痛みが走るようになったし、そろそろ競争的に走る駅伝からは引退するべき時期かもしれません。もちろん、健康管理のためのウォーキングやジョギングは続けるつもりですが。

先日市橋達也君のことで取材を受けましたが、どういう記事になるのかと思っていましたら、朝日新聞に載っていた「週刊女性」5月12・19日合併号の広告に、「英国人殺害 市橋達也受刑者(36)恩師にあてた悔恨の手紙」という見出しがありましたので、早速一部買ってきて該当ページを開いてみました。1ページ以内の短い記事ですが、私が提供した市橋君から私宛の手書きの手紙のコピーとともに、学生時代や事件当時の市橋君の様子を中心に簡単に紹介する内容でした。事件発覚後、マスコミがまるで市橋君を袋叩きにするかのように作り上げたイメージと違って、手紙は彼がごく普通の良識のある若者だったことを示しています。そんな若者が、一歩間違えればとんでもない犯罪者になり、被害者だけでなく自分の家族さえも悲惨な境遇に陥れることになる、という教訓を読者に読み取ってもらえればと思います。
彼の年齢が36才と記してありましたので、時間がどんどん経っていることを感じさせられました。

2015年4月28日火曜日

バイエルクロップサイエンス社がオーストラリアのキャンベラで今年の8月24日~28日に開催する世界若者農業サミットに関する情報が届きました。
http://www.bayercropscience.co.jp/php/news_detail.php?id=113&type=0
世界87ケ国の1,932人の応募者から、33ケ国の100人が選ばれたそうですが、私も選考に関わった日本の代表2人は100人の中に入っているようです。世界中から選ばれた若者たちの中で、堂々と活躍してくれることを期待しています。

株式会社幸喜のT氏から電話があり、久しぶりに会いたいとのことでしたので、今日東京の月島に出かけ昼食をご馳走になりました。株式会社幸喜はテレビ番組制作会社で、 http://www.cohki.jp/2009sabu13.html 2009年7月7日(火)に放送されたTBSテレビ総力報道!THE NEWS「ブランド野菜に違法農薬のワケ」という番組で協力して以来でした。
最近は農業や食の問題を取り上げてフェイスブックやユーチューブで情報を発信しているようでした。 https://ja-jp.facebook.com/cohki.jp 若い世代にとっては、情報入手はテレビの時代からネットの時代に変わりつつあるのかもしれません。

何年振りかで都営大江戸線月島駅で降りましたが、駅前には巨大な高層ビルが林立していて驚きました。その一方で、すぐ横の細い道沿いには昔風の低層(2階建て)住宅に挟まれた路地も残っていて、面白いなと思いました。

夕方は江戸川堤防を約1時間歩いたり走ったりして最後のトレーニングをしてきました。明日の駅伝で8.195kmを完走できるかどうかは厳しい状況です。

2015年4月27日月曜日

日本農業新聞から電話があり、現在進行中の短期暴露評価の問題についてどう思うかと訊かれましたので、月刊「現代農業」誌に同じ話題について依頼された原稿が6月号(発行は5月1日)に掲載される筈ですと答えてから、私の考えを述べました。
日本農業新聞は農家対象の日刊新聞ですが、やはり農業現場で今の農水省のやり方に対する不満の声があるらしく、できたら連休前に私と直接会って取材をしたいと申し込まれました。
現在、先日東京農大でタロイモについて講演をされた財団法人進化生物学研究所の小西達夫先生と一緒に千葉県柏市のサトイモ栽培農家を訪問する日程調整中なので、それが決まってからでないと会える日時が決められないとお伝えし、明日の午後もう一度電話で相談することになりました。

先日受けた胃のピロリ菌除菌措置の効果確認の検査結果を説明してもらうために、朝9時半に市内の病院に行きました。待合室には大勢の人がいて、結局順番を呼ばれて、医師からピロリ菌はいなくなったという5分間の説明を受けて終わったのは10時過ぎてしまいました。
それからすぐ松戸駅から経堂駅まで電車に乗って、東京農大総合研究所に着いたのは11時半を過ぎていました。今日は11時から研究会農薬部会の会計監査が行われていましたので、それに立ち会いました。監査終了後学内のグリーンアカデミーのレストランで、農薬部会の幹事長、事務補佐、監査2名と一緒に昼食を食べました。

自宅に帰ったのは午後4時近くでしたが、それから水元公園C地区に運動に出かけ、1時間ちょっと歩いたり走ったりしてきました。不動池に寄ってみたら、望遠レンズを付けたデジタル一眼レフカメラを構えた人たちが3~4人いて、ちょうどカワセミが池の上の木の枝に飛んできたところでした。私も持参したデジタルカメラ(30倍ズーム)を向けてシャッターを2回押しました。


2015年4月26日日曜日

昨日は運動する時間が全くなかったので、今日はどうしても体を動かさないといけないと思って、江戸川堤防を越えて水元公園に行きました。日曜で天気も良かったので、多くの人たちが散歩にきていました。
先日、江戸川の岸に沿って定置網が設置してあって何を捕るのかと思ったら、一昨日24日(金)の朝日新聞の千葉版に稚鮎(ちあゆ)漁の最盛期だとの記事が写真付きで載っていました。網にかかった体長10cmくらいの稚鮎をタモ網ですくい上げてドラム缶に入れて、川中の生簀(いけす)まで運ぶのだそうです。稚鮎が100kgか200kgぐらいになると、埼玉県の漁協が清流の放流用にトラックで買いにくるのだそうです。松戸市漁協の組合員も昔は10軒以上の漁師がいたのが、今は2軒が残るだけとのこと。
今日は偶然葛飾橋の下を通る漁師の舟を見かけました。

ちょっと前までは花が満開だった堤防から水元公園B地区に続く桜並木も、今はすっかり葉桜の時期に変わり、よく見ると花が小さな実になっていました。梅の花も実になっていました。
園芸学部のある戸定ケ丘(とじょうがおか)の緑も日に日に濃くなり、左の端には徳川昭武公の別邸だった戸定邸が見えます。園芸学部構内のボタン(牡丹)の花も見事に咲いていました。江戸川の堤防でよく見るカラスはほとんどがハシボソガラス(嘴細烏)ですが、戸定ケ丘で見るのはハシブトガラス(嘴太烏)です。
今日は東京都金町側の水元公園から、埼玉県三郷側の三郷公園に行ってみたら、昔のチンドンヤみたいな賑やかな太鼓や鉦(かね)の音がして、阿波踊り祭りをしていました。4グループが交代にステージで踊ったり、公園内の小路を練り歩いていました。
昨年きれいなハスの花が咲いていた水路には、濁った水底から茎が伸びて小さな弱々しい葉が水面に出始めていました。やがて緑色の大きな葉になり、今年も見事な花を咲かせる茎が伸びてくるのでしょう。

夕方はいつもの床屋に行って、散髪をしてもらってきました。髪を短くして気分はサッパリしましたが、29日(水)の駅伝を走れるかどうかまだ自信がありません。わずか8.195kmですから、マイペースでなら走れる気もしますが、外反母趾がだんだんひどくなってきたので、走ると足の甲に痛みがあるのがちょっと不安材料です。



 












先週、カナダ在住の女性からメールが届きました。以前、市橋達也君の適正な裁判を支援するための募金活動をしていた時は、私を騙(だま)すことで達成感を感じる愉快犯かいやがらせ目的かわかりませんが、なりすましメールがずいぶん届きましたので、ある時期以降はこのブログで紹介するのは止めることにしてきました。今回も本当のところ判断はできませんが、私の返信の質問に対して一応きちんと返事が届きましたので、以下に紹介しておきます。もしなりすましでないとすれば、乳癌手術後の治療が成功して、健康を回復されることを心からお祈りしたいと思います。もしなりすましだとすれば、どなたかはわかりませんがそんなことをする時間とエネルギーと才能を、もっと意味のあることに使っていただきたいと思います。

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本山先生、

初めてメール致します。私はカナダのウィニペグ市在住の〇〇 〇と申します。

先生のご活動は市橋君の逮捕前から、先生のブログを通して知りました。このような遠い異国からでは、支援活動に貢献することもできず、だだブログで活動状況を見守っておりました。いまでは裁判も終わり、彼の消息は分からないものの、どこかの刑務所で罪を償っているであろうこと。先生のブログも先生の日常生活を反映したものになった今、こうしてメールを差し上げることに躊躇しましたが、本山先生なら、理解していただけるのではと思いメールいたしました。

私は市橋君の事件が世間を騒がせていた頃、インターネットのニュースを読み先生のブログへたどり着きました。元教え子とはいえ、他人である先生が体を張って、世間の非難中傷をも恐れずに彼の公平な裁判を受けさせるために奔走されたこと。罪を犯した元生徒を許し、救いの手を差し伸べてたこと。私は先生のなさったことに、感動したのです。私は世を拗ねて生きているわけではありませんが、先生の行為のよって、私の心になんともいえない暖かな光が照らし出されるのを感じたのです。このような感覚に襲われたのは、初めてのことでした。家族以外で、生まれて初めて人間として尊敬できる方に出会えたと思います。

なぜ、いまさらこのようなことを申し上げようと思ったかを少しご説明させてください。私は今年の初めに乳癌の手術をしました。現在は抗がん剤による化学治療を受けております。乳癌は癌の中でも比較的生存率の高い癌です。一方亡くなる方々もいます。カナダでの私の身内は主人のみです。幸いにも主人は精一杯のサポートをしてくれ、私には不満も心配もありません。驚いたのは周りのカナダ人の友人のサポートです。今まで軽い付き合いしかなかった友人でも、花やカードを届けてくれたり、私の所属しているToastmaster(スピーチクラブ)やアイスホッケーのチームメンバー達が、レストランのギフト券やディナーなどを届けてくれたり。隣人の老夫婦はまるで私を娘のように心配し、食事に呼んでくれたり、花を届けてくれたりとあまりのサポートにどうしてお返しをしていいのか分からないくらいです。なぜ彼らが私にそこまで親切にしてくれるのでしょう?彼らは他人です。彼らは私になんの義理もないのです。そんな時ふと、本山先生のなさったことを思い出したのです。

本山先生は他人である元教え子を支援された。私のカナダ人の友人たちは他人である私を支援してくれている。大なり小なりの違いははあります。大袈裟かもしれませんが、私は人間の優しさを初めて感じた気がしたのです。そして、それを感じさせてくれるきっかけを作ってくださったのは本山先生でした。そして、私はなんと自己中心的で優しさに欠けた人間なのだろうと、反省させられました。今まで病人を見舞っても、困っている人と話をしても、「大変ですね」とか「お大事に」とお決まりの言葉だけで、何が本当にその人のために必要かなどと深く考えてきませんでした。自分と、身内のことしか気にしてなかったのです。他人のために、自分が何ができるかと真剣に物事を考えることはありませんでした。

本当は、もっと早くにメール差し上げたいと思っていました。しかし本山先生の活動に貢献することもなく、このようなメールを出しても、多忙の本山先生のご迷惑ではないかと思っていたのです。ところが癌を患ってから、死というものが今までになく私の現実に近くなり、私のこの思いと、感謝の気持ちを私が生きているうちに、お伝えしたいと思ったのです。私に人としての本当の優しさを教えてくださったのは、本山先生です。本当にありがとうございます。心より感謝しています。いつの日か本山先生のような優しい人間になれるよう、努力していきたいと思います。

長々と私事を書いてしましました。私の本当の思いを文章にするのは、とても難しく、このメールにも、読みずらい、分かりずらいところがあったかと思います。お詫び申し上げます。

これからも、本山先生はいろいろな人々にいろいろな支援をされていかれるのでしょうね。くれぐれもお体に気を付けて、いつまでもお元気でいてください。

〇〇 〇
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2015年4月25日土曜日

地下鉄千代田線の新御茶ノ水駅で降り、ブラブラ歩きながら明治大学駿河台キャンパスのリバティタワーに行きました。お茶の水は、浪人時代に予備校に通っていたところですので、昔を思い出しましたが、高層ビルが立ち並び昔とはすっかり景色が違っていました。写真を撮ろうと思ってカメラをカバンから取り出したら、バッテリーを充電器に入れたまま自宅に置いてきてしまったので撮れませんでした。

リバテイタワーは23階建てのモダンな建物ですが、講義の行われる6階の1065教室に着くと、すでに事務担当者がパソコンの準備をしてくれていました。社会人受講生は49名で、名簿を見たら72才の私と同年齢が2名、私より年長者が10名おられ、最高齢は88才の方でした。一番若い受講生は27才でした。昨年も受講したM氏は私と同じ松戸から来られた80才の方で、講義終了後、昨年と同じように一緒に隣のアカデミーコモンのビルの1階の軽食・喫茶に立ち寄って、彼は紅茶、私はコーヒーとケーキのセットを注文して、しばらく歓談しました。工学部出身で、エレベーターや建物の安全管理に強い関心をお持ちでした。自分が80才になってこのような公開講座に参加して何の役に立つのかと批判的な見方をする人もいるけど、認知症予防も兼ねて勉強しているとのことでした。今日の農薬の安全性に関する講義は、自分の専門とは違う分野なので新鮮でよかったとのコメントでした。

この講座は、一般財団法人化学物質評価研究機構(CERI)の寄付講座ですが、全16回の構成で、計10名のそれぞれの分野の専門家が担当しています。
安全文化と安全学(1)と(2)-向殿政男
農薬の安全性確保対策(1)と(2)-本山直樹
食品添加物の安全性確保対策(1)と(2)-角野 猛
遺伝子組換え作物の安全性評価(1)と(2)-田部井 豊
食と栄養(1)と(2)-眞鍋 久
遺伝子解析による毒性評価-齋藤文代
プロテオミクスによる毒性評価-山中秀徳
工業化学品の安全性対策-村田麻里子
食の安全に係る化学分析-和田文晴
安全・安心とリスクコミュニケーション(1)と(2)-北野 大

駿河台の界隈(かいわい)は、明治大学の他にも、東京医科歯科大学、順天堂大学、日大病院などがあり、JRお茶の水駅前の明大通りには音楽の楽器店が多数並んでいたり、浪人時代によく立ち寄った駿河台下の古本屋が並んでいる靖国通りもすぐ近くです。若者にとっては魅力的な街だろうなと思いました。

2015年4月24日金曜日

日本農薬学会農薬生物活性研究会第32回シンポジウムが東京農業大学グリーンアカデミーで10:30-16:00に開催され、私も聴講してきました。プログラムは、研究会委員長濱村謙史朗氏による開会と閉会の挨拶の間に、次のように殺菌剤2題、殺虫剤2題、除草剤2題の講演から構成されていました。
○新規殺菌剤シュードモナスロデシア(生物農薬)水和剤の開発と生物活性・・・前田光紀(日本曹達(株))
○新規殺菌剤ピカルブトラゾクスの生物活性・・・渡辺慎也(日本曹達(株))
○新規殺虫剤シアントラニリプロール(サイアジピル )の生物活性・・・島 克弥(デュポン(株))
○新規殺ダニ剤ピフルブミド(ダニコング フロアブル)の生物活性とその特徴・・・藤岡伸祐(日本農薬(株))
○新規除草剤フルフェナセットの生物活性・・・杉浦健司(バイエルクロップサイエンス(株))
○新規除草剤ピロキサスルホンの芝生地における生物活性・・・岩田卓也((株)理研グリーン)

いずれも新規農薬の開発の経緯、物理化学的性状、毒性、生物活性の特徴などを紹介していましたので、よい勉強になりました。特に最初の講演では、聴講していた東京農業大学学生諸君を意識して生物農薬全般に関する解説があったのはよかったと思いました。化学農薬に比較して生物農薬には長所も短所もありますが、2014年度(農薬年度)の日本における市場では、前者が3,648億円で99.37%、後者が23億円で0.63%だったということは、生物農薬の作物保護における貢献度の現状を表しているのでしょう。

昼休みは生協でコッペパン2個とジュースを買って、天気が良かったので野外のベンチで食べました。農大の学生がサークルの勧誘をしたり、芝生の広場で語り合ったり、若者の活気に溢れていました。私の前に立ち止まって話しかけてくれた3人連れの若い教員がいたと思ったら、千葉大学園芸学部の卒業生で東京農大の教員になった人たちで、私が農大で講義をした時の世話人をしてくれた人たちでした。









2015年4月23日木曜日

千葉大学走友会の幹事長から配信されてきた情報を見ると、今年の横浜駅伝大会の参加チーム数は470チームになっとのこと。この大会は人気があって、鶴見川沿いの狭い場所を走るには毎年参加人数が多過ぎてトラブルがあったらしく、今年は主催者が各団体とも2チーム以下に参加を制限した結果です。千葉大学は例年3~4チーム(1チーム7人構成で合計42.195kmを走る)が参加していたのを、今年はAチームとBチームの2チームに絞ったために、走れなくて応援に回った人がたくさんいます。私はAチームの最終走者として8.195kmを走ることになっていますが、今の体調では競争的に走るのは厳しいので、応援に回った人で私より確実に走力の上の人がいるので交代してもらって私が応援に回ることを検討してほしいと幹事長にメールで打診しましたら、この大会は記録をねらうよりも楽しんで走る大会だから、当日の朝の体調によって短い区間(3kmや5km)の走者と入れ替えるかどうか決めたらどうかという冷たい返信が届きました。どうも今となっては逃げ道はないようで、走るしかないようです。
今日も昼休みに江戸川堤防を10km歩いたり走ったりしてきましたが、体重が10kgオーバーでは、重い足取りでした。

元NIEHS勤務のアメリカ人の友人から先日送ってきた化学物質過敏症(MCS: Multiple Chemical Sensitivity 又は odor sensitivity)に関する情報の続きが送ってきました。
David Hartman, Ph.D (Medical & Forensic Neuropsychology) - Given that many such individuals who claim odor sensitivity actually have a psychiatric disorder, you are unlikely to find a filter capable of removing somaticized or delusional components from their perception.  (ある医師からの質問 "Do you have an employer policy regarding air purifiers to control fragrances?" に対して)
Dorothy Wigmore, MS (Occupational health and green chemistry specialist) - Not sure what your evidence is for "odour sensitivity" being a psychiatric disorder.  There certainly is evidence in the literature that is very real, related to the limbic system reacting to smells, as well as hazards associated with chemicals used in fragrances.

アメリカでもまだ化学物質過敏症や職場における香水に含まれる匂い物質に対する過敏症について、議論が存続していることを示しています。賠償問題や、弁護士やいわゆる反化学物質専門家/活動家(Green Chemistry Specialist)による告訴など利害が関わっていますので、科学的検証だけでは決着がつかない難しい問題を含んでいるようです。これらの人たちは、すでに二重盲検でMCS患者と健常者の間に化学物質に対する感受性に差がないという研究結果が医学関係学会誌に多数報告されている事実をどう説明するのか、聞いてみたいものです。

2015年4月22日水曜日

インターネットに接続できない問題について、光回線の設置をしたNTTに連絡をとる前にもう一度システムを全部チェックしてみたら、ルーターみたいな箱が2つあり、片方の電源スイッチが切れていることに気がつきました。何故切れていたのかはわかりませんが、多分、何でも節約する性分の妻が不必要な電源と思って切ってしまったのではと想像しますが、言うと喧嘩になるので黙ってスイッチを入れたらルーターのランプが全部点灯して、インターネットに接続できるようになりました。

午後4時20分からは、東京農業大学総合研究所研究会に新しくできた「大学所有遺伝資源保全・利用研究部会」の第1回講演会が開催されることになっていましたので、その前に運動に出かけてきました。
戸定ケ丘の木々の緑はいっそう鮮やかになり、つつじの花も咲き誇り、オオカナメモチも白い花をいっぱい咲かせていました。江戸川の中に生簀(いけす)が設置してありましたので、漁師が捕った魚を入れておくのでしょう。堤防はサイクリングする人が気持ちよさそうに走っていました。河川敷の枯れた葦原もだんだん緑が多くなり、江戸川とつながっている池で釣りをしている人もいました。最高に爽やかな季節です。

東京農大の横には、世田谷区議会議員の選挙候補者のポスターを貼った看板が立っていました。
講演会は「遺伝資源を学び考える」と題して、2題の講演がありました。
小西達夫博士は、元々東京農大の教員でしたが、私より1学年上で、今は一般社団法人進化生物学研究所の主任研究官をされている方で、「タロイモは語る」という演題で先生が生涯をかけて取り組んでこられたタロイモ(=サトイモ)について、実に興味深い話をされました。人類の食料(主食)には、種子繁殖する小麦や米と栄養繁殖するイモ類があり、後者は自給自足の生活に適しているとのことでした。世界中から集めた300種類ぐらいのタロイモを現在も栽培・維持されておられるようでした。
盛岡 一博士は、元々は京都大学出身で微生物の研究者でしたが、今は国立遺伝学研究所知的財産室のABS学術対策チームリーダーをされている方で、「遺伝資源と法規」という演題で、非常に政治的で難しい問題をわかり易く解説されました。生物多様性条約(CBD)(いわゆる名古屋議定書、日本は批准していない)と食料・農業植物遺伝資源条約(ITPGRFA)(日本も批准している)という2つの国際条約があり、遺伝資源提供国(主に途上国)と利用国(主に先進国)の間で利益が反するということを、まるで弁護士のように分析しましたが、原産国の権利と利用国の特許の争いだけでなく、一方では食料は人類共有財産という見方もできますので、これからどう歩み寄れるか難しいなあと思いました。