2017年6月30日金曜日

松戸市民劇場ホールで松戸市主催のまつど地域活躍塾開講記念特別公開講座がありましたので、私も聴講してきました。
本郷谷(ほんごうや)健次松戸市長の挨拶に続いて、今年から始まった松戸地域活躍塾の第1期生二人の挨拶がありました。その後、千葉大学大学院社会科学研究院の関谷(せきや)昇教授の基調講演「地域で活躍できる人になるために」がありました。
入場無料で先着順200名の定員でしたが、会場のホールはほぼ満席でした。松戸市主催のこのような企画はいつも障がい者にも配慮して、手話通訳が付いて、サイドスクリーンには手書きで発言要旨が映写されます。
市長は「まつど地域活躍塾」開講の目的として、市がかかえるいざという時の防災問題、高齢者問題、児童の貧困問題(対策として市内9ケ所に子供食堂を設置した)、緑地・環境問題などを挙げ、行政だけでは十分な対応ができないので、自治会活動やNPO活動などで市民が力を合わせて対応してもらいたいと述べました。
塾生の一人(男性)は、定年退職後人と人との関わりが極端に少なくなって寂しいという実態、もう一人(女性)は二人の小さな子供の育児に追われる中での社会貢献、を地域活動参加の理由として挙げました。
関谷教授は私の娘と同じ46才で、政治学が専門の法学博士ですが、中央政治に依存しない市民参加の自治について調査研究・啓蒙活動をされているらしく、独居の高齢者が増加している社会では、地域が活躍の場になり、他者との出会いの機会になり、それが自己認識・生きがいにつながるという主旨の話をしました。

講演後の質疑応答の時間には、町会長をしている人から、地域住民に町会活動に参加してもらうことの難しさの指摘がありましたが、それに対しては、常に全員に参加してもらおうとせずに、活動内容によって参加する人と参加しない人があってもよいのではという提案でした。定年退職後22年間自治会活動をしていると自己紹介したもう一人の質問者は、自分たちの活動の自負と、松戸市役所への批判(電話をしてもたらい回しで積極的に対応しない)などでマイクを独占し、閉会の時間を過ぎていましたので、市役所職員が2名がかりでマイクを置かせようと苦労していました。











帰りに珍しい店の前を通りました。何回も通っている道なのに、今まで気が付きませんでした。昔のレンガ造りの倉庫風の建物の正面を商店風に改装して、「タバコ、切手、印紙、洋品」と書いてあり、内外の多くのタバコが揃えてありましたが、洋品を扱っているようには見えませんでした。店の左半分はシャッターが下りていましたので、もしかしたら以前はここで洋品を売っていたのを儲からないので止めたのかもしれません。あるいは、洋品というのは外国産のタバコも置いてあるという意味か・・?今時、タバコが中心で商売をするのは珍しいと思いましたが、愛煙家にとってはありがたい店なのかもしれません。



2017年6月29日木曜日

7月21日(金)に宮崎県で予定されている農薬シンポジウムの講演スライドの準備をしています。もう少しで出来上がるところです。広島、旭川での講演スライドと前半の基本的な部分は共通ですが、後半の各論の部分ではそれぞれ違った話題について取り上げるつもりです。


昨日は夜中に足が2回攣(つ)って、運動不足だから机に向かってばかりいないでもっと外に出て運動するようにとのメッセージを体が発信しましたので、午後から道場で空手の稽古と筋力トレーニングを1時間してからウォーキング/ジョギングを2時間15分してきました。
園芸学部の生協前広場には第16回就職ガイダンスの案内看板が立ちました。
江戸川堤防と矢切の斜面林の間の農耕地の間の小路を水田や畑の様子を見ながら運動しました。矢切ブランドになっているネギ畑が一番多く、その次がキャベツ畑、その他に面積は狭いですがエダマメ畑やキュウリ畑やトウモロコシ畑などもあります。それらを見ながらウォーキング/ジョギングをするのは楽しみです。










キャベツ畑とネギ畑でそれぞれ農薬散布をしていましたので、立ち寄って何を散布しているのか訊いてみました。キャベツ畑は若い農家が害虫防除のランネート45DF(有効成分メソミル)という殺虫剤とコテツフロアブル(有効成分クロルフェナピル)という殺虫剤を散布していました。キャベツにはアザミウマ類とアブラムシ類が発生していました。
ネギ畑はまだ稚苗を定植して間もない状態でしたが、壮年の農家がカスケード乳剤(有効成分フルフェノクスロン)という殺虫剤とメジャーフロアブル(有効成分ピコキシストロビン)という殺菌剤を散布していました。
私が千葉大学の名誉教授で農薬や害虫防除の専門家だとわかって、いろいろ質問をされました。同じ農薬でも、作物の種類によって散布時期が収穫前日の場合と収穫1週間前の場合とがあるのは何故だろうと疑問に思っていたとのことでしたので、農薬のラベルに記載してある使用基準の設定の仕方を一日摂取許容量(ADI)や残留基準の設定の仕方から説明してあげました。近くに住んでいてよく江戸川堤防をジョギングしているので、農薬について何か質問があればいつでも連絡して下さいといって名刺を渡しましたら、また畑に寄ってほしいと言われました。こういうことから農家との交流が始まるかもしれません。

ネギ畑の農家はちゃんと農薬散布用の防護マスクを着用して長袖・長ズボン・帽子・手袋を着用していましたが、防護メガネは着用していませんでした。キャベツ畑の農家は長靴・手袋は着用していましたが、半袖シャツで帽子も防護マスクも防護メガネも着用せずに、ランネートを散布していました。ランネートが劇物で、時々野鳥退治に目的外使用をされてニュースになるということは知っていましたが、劇物の中でも毒物に近い毒性を持っているので適切に使わないと危険だという認識はありませんでした。
ランネートのメーカーも農薬工業会も繰り返し農薬危害防止活動をやっていますが、現場ではまだ危険性が十分普及していないということの一例でした。こういう問題をどう解決したらいいか、今度どこかで提案してみようと思っています。







2017年6月28日水曜日

私の75才の誕生日に合わせて、アメリカ人の空手の弟子/友人のFrank Peoples 君から祝辞と近況報告のメールが届きました。長年連れ添った奥さんのJoAnnさんが亡くなって寂しいのに加えて、心臓が弱っているのでリハビリをしながら頑張っているようです。
ノースカロライナ州立大学時代の恩師の故W.C. Dauterman教授の次男John 君(医師)の奥さんからも私の誕生日の祝辞がありました。

    (クリックすると拡大できます)

農薬工業会は地下鉄茅場町駅で降りて徒歩で行きますが、方向音痴の私は何回行っても道に迷ってしまいます。それを計算に入れて少し早目に到着したのですが、やっぱり迷ってうろうろしていたら、先に着いた2人が私を見つけて声をかけてくれました。
3人そろって4階の会議室に上がり、私達が実施しようとしている農薬の人体暴露と健康影響に関する共同研究について率直な情報交換・意見交換をしました。農薬工業会や会員の農薬メーカーの姿勢や考え方を再確認できましたし、私達の研究目的とは異なることを改めて確認できたことは有意義でした。
研究は農薬工業会とは無関係に、私達の目的に沿って実施する予定です。

2017年6月27日火曜日

7月14日(金)に北海道旭川市での農薬シンポジウムの講演スライドができましたので、主催者の担当世話人宛に宅ファイル便で送りました。参加予定者300人の中の約200人は高校生が授業の一環として聴講するという知らせがありましたので、それに合わせてスライド構成を少し変えました。
次の仕事は、7月21日(金)に宮崎市で開催予定の農薬シンポジウムの講演スライドの準備です。


このところまた机に向かってばかりで、運動不足でストレスが蓄積していましたので、昼休みに体育館の男子更衣室のモップ掛けとシャワー室のデッキブラシ掛けをしてから、道場で空手の稽古と筋力トレーニングを1時間しました。稽古を少しサボるとすぐ体が鈍って、腰の切れがなくなり、また鍛え直しです。
その後短パンとTシャツに着替えて江戸川堤防に行き、河川敷に下りるスロープを走って上り下りする坂道トレーニングを3往復しましたが、やはり心肺機能が低下していて、すぐ息が切れて胸が痛くなりました。

園芸学部構内の木の下の小路の湿ったところに黄色のきのこ(菌)が生えていました。
坂川沿いの空きスペースに近所の住民が造っている花壇にはいろいろな花が咲いていて、目を楽しませてくれます。











明日の午後5時には農薬工業会の会議室で、私達が実施している農薬の健康影響に関する共同研究について研究者3人が集まり、関係者と情報交換と意見交換をする予定です。

2017年6月26日月曜日

私の75才の誕生日ですので、アメリカの空手の弟子/友人たちからフェイスブックでメッセージが届きました。カリフォルニア州のサンタモニカ在住の娘の3人の子供たちから国際電話がかかり、Happy Birthday と言ってくれました。今日は近くの医院に行って予防注射(帯状疱疹の)を打ってもらう予定だと言ったら、病気と勘違いして、すぐ娘からどうしたのかと問い合わせの電話がありました。

7月6日(木)の広島での講演で使うスライドがやっとできて、宅ファイル便で主催者の世話人に発送しました。

2017年6月25日日曜日

昨日は甚兵衛の森での調査や作業が終わって後片付けをしていた時に、一眼レフのカメラを持って甚兵衛の森を歩いている中年の男性N氏に声をかけられました。チェーンソーの音がしたので、何をしているのかと思ったとのことでした。枯死して伐倒したマツの根株を伐根する時に側根をチェーンソーで切断していました。
茨城県龍ヶ崎に在住のN氏は前職を退職後、講習を受けて造園・土木業に転職し、現在は樹木医の資格をとるために7月に予定されている試験の勉強をしているとのことでした。勉強の合間に北印旛沼周辺に写真撮影に来られて、近くでチェーンソーの音が聞こえたので寄ってみたとのことでした。
昨日調査や作業をしていた樹木医は全員本業は造園・土木業ですので、同業者との偶然の出会いでした。早速何人かの人たちと名刺交換をしましたら、私宛に早速メールが届きました。同じ分野ですので、これから一緒に仕事をしたり協力し合ったりすることがあるかもしれません。偶然の出会いとは不思議なものです。

アメリカ人の空手の弟子/友人のMargie さんからHappy Birthday(私の75才の誕生日は明日6月26日ですので) のメールが届き、彼女の孫娘の写真が添付してありました。先月5月25日が誕生日で、ちょうど1ケ月になった記念の写真のようです。フルネームはElleanor Lakota Myers(エリーナ・ラコタ・マイヤーズ) ですが、愛称はElle(エリ)のようです。国籍や人種を問わず赤ちゃんは皆可愛いものです。赤ちゃんを大事にして子孫を残すというのは、人類共通の本能というよりも、地球上の全生物共通にプログラムされている本能なのでしょう。
Elle の母親のSarah がちょうど1ケ月ぐらいの赤ちゃんだった時に、ノースカロライナ州でMargie さんの父親(おじいちゃん)がSarah を大事に抱っこしてニコニコしていたのを思い出します。

2017年6月24日土曜日

吉岡賢人君を中心とする樹木医会の仲間たちが午前9時に成田市の甚兵衛の森に集合予定でしたので、私も千葉大学園芸学部の先輩のI博士と一緒に参加しました。私たちを含めて9人が集まりました。
今日の調査は(1)樹木医で地元の造園業者の吉岡賢人君(千葉大学園芸学部の卒業生)が昨年自宅の庭に網室を作って、マツの大苗2本の株元にクロカミキリ成虫を各120頭ほど接種(放虫)して、マツノマダラカミキリがいない条件下でマツを枯死させるかどうかに関する試験をし、1本(A樹)は衰弱、1本(B樹)は枯死しましたが、それぞれの根がどうなっているかを調べること、(2)甚兵衛の森の林縁部で時間をおいて、マツノマダラカミキリの後食(摂食)痕なしに枯死した2本の樹齢の若いマツの根の状態を調べること、(3)マツの株元に殺虫剤(アセタミプリド)の粒剤を施用して、クロカミキリ成虫が地面に潜って根に産卵するのを防ぐ効果を試験すること、(4)ちょうど1ケ月前の5月25日に散布したスミパインMC(有効成分フェニトロチオン)の残留濃度を分析するために、老大木の樹冠部の枝先を採取すること、でした。
樹木医の人たちのこういう地道な調査研究の努力によって、マツノマダラカミキリ以外のマツノザイセンチュウの感染経路や、マツノマダラカミキリ以外の松枯れの原因が明らかになって、科学に基づいたより効果的な防除対策の開発につながることは大変ありがたいことです。

A樹とB樹の根を丁寧に解体して調査をしたところ、いずれからもクロカミキリ幼虫、蛹、成虫が発見されましたが、B樹の方が個体数は多いことがわかりました。B樹はあらかじめ、根の表皮の一部を環状剥離して傷つけ、さらに九十九里浜から汲んできた海水約20ℓを灌水してストレスをかけてありました。
複数部位の材片を採取してマツノザイセンチュウのDNA診断をしたところ、A樹の根の1検体だけが陽性反応を示しました。
これらの結果をどう考察するか難しいところですが、クロカミキリ成虫はマツの健全木と衰弱木の両方の根を加害し、マツノザイセンチュウを保持している場合は根に産卵する時に根から感染させる場合もあり得ると想像できます。また、衰弱木の場合は樹脂の分泌が少なく病害虫に対する抵抗力が弱いのか、クロカミキリ幼虫の食害が活発でそれだけでマツを枯死させる場合もあり得る、という想像もできます。
いずれの想像も、今回の試験では無処理区がないことと、反復がないことから、想像の域を出ません。来年はもっと多くの苗を供試して、今回得られた結果を再現する試験が必要です。
もう1点明らかになったことは、クロカミキリは年1化性で、1年で成虫が発生してくるということです。










林縁部で枯死した2本の樹齢の若いマツの根からも多数のクロカミキリ幼虫が発見されました。最初のマツノザイセンチュウがどういう経路で侵入したのかは不明ですが、根にクロカミキリ幼虫がいたということは、何らかの原因で衰弱したマツを選んでクロカミキリが食害して枯死を促進している可能性も考えられます。






クロカミキリ成虫は夜行性で、吉岡賢人君の毎晩の観察では夕方の一定の時間にしか活動しないとのことですので、地面に潜って根に産卵するのを防ぐ方法の開発は防除対策として重要です。アセタミプリド粒剤の株元施用によって、中毒枯死した成虫個体や中毒進行中の個体が観察されましたので、今後さらに薬剤の種類を増やして試験をしてみる価値がありそうです。ベストの防除効果を示す薬剤が絞り込めれば、適用拡大の申請をしてもらえないかメーカーに話をしてみるつもりです。




スミパインMCを散布したマツの枝先を採取する作業は、15mの高所作業車から木に移ってさらに樹冠部近くまで上って剪定ばさみで採取しますので危険な作業ですが、お蔭で散布4週間後の検体が入手できました。これからフェニトロチオンの残留濃度を分析する予定です。