午後からは東京に出かける予定がありましたので、その前に運動してこようと思って午前中に江戸川堤防を2時間ぐらいウォーキング/ジョギングしてきました。ふれあい松戸川(江戸川流水路)は2ケ所に浮くタイプの板の橋が設置してありますが、大雨で増水した時に2ケ所とも壊れたままで立ち入り禁止の掲示がしてあります。このところ長期間まともな降雨がなくて江戸川自体も水位が極端に下がっていますが、平行して造成されているふれあい松戸川も水位が非常に低くなって、このままでは涸れてしまわないか心配です。それでも、水鳥が来て、カメ(多分ミシシッピアカミミガメ)も甲羅干しをしていました。
帰りは戸定歴史館に上るみその坂に植栽されている紅白の梅の木に寄って、紅白の花を眺めてきました。紅い花と白い花の他に濃い紅色の花も咲いていました。
午後3時~5時には東京駅八重洲北口近くの貸会議室プラザ八重洲北口(こういう貸会議室の使用料はいくらぐらいかと思って幹事に訊いてみたら、2時間で1万2千円とのことでした)というところで、松園会の勉強会がありましたので私も参加してきました。最初に現在の世話人の冨岡孝文氏から松園会発足(平成3年)の経緯と今までの活動の報告がありました。その後、千葉大学大学院園芸学研究科の近藤 悟教授(果樹研究室)から「ブドウのアントシアニン・糖合成とアブシシン酸および光質の相互関連性」についての講演がありました。先ず植物ホルモンに関する基礎的知識として、植物成長を促進するホルモン4種類(Auxin、Gibberellin、Cytokinin、Brassinosteroid)と植物成長を抑制するホルモン4種類(Ethylene、Abscisic acid、Jasmonic acid、Strigolactone)が知られているという説明をし、その後ご自身が取り組んでいるAbscisic acid(ABAと略)に関する研究について紹介しました。私にとって興味深かったのは、ABAを果樹の成長調整に利用する時は、農薬登録は莫大なコストがかかるので、コストが安くてすむ肥料登録を取って利用しているという話でした。植物ホルモンといっても植物から抽出するのではなく、化学的に合成したものの場合は、農薬登録するには不純物組成や実験動物に対する長期投与の毒性試験などが要求されることから莫大なコストがかかるのでしょう。
昨日の東京農業大学総合研究所研究会生物的防除部会での製剤の普及を目指した講演と違って、基礎的な科学的な話で、近藤教授の科学者としての人柄がにじみ出た素晴らしい講演でした。
5時半~7時半は場所を変えて、近くの居酒屋で懇親会がありました。近藤教授が千葉大学教授として着任した時に、私はまだ現職で偶然人事審査委員会のメンバーの一人でした。そういう気安さから、最近の大学の様子を伺ってびっくりしました。私が千葉大学教授を定年退職したのは11年前の筈ですが、その後の変化は信じられない状態でした。以前は学部の自治が確立されていて、教授会が学部の最高意志決定機関で、学部長と各学部から選挙で選ばれた2名ずつの評議員から構成される評議員会が大学の最高意志決定機関でしたが、今は理事会(文部官僚の天下り先の一つ)が最高意志決定機関になってしまったようです。学部人事は学部の第2教授会(教授だけが構成員)が担当していましたが、今はそれも本部の理事会に取り上げられて、学部の第2教授会は単に推薦するだけで決定は本部の理事会でするようになっているとのこと。今年は園芸学部で5人の昇任人事を提案して、1件だけが承認されて残りの4件は却下されたとのこと。
千葉大学は何十億円かの赤字をかかえているということで、それを解消するためという理由でこういう仕組みに変えたようですが、教員一人当たりの年間研究費は僅か10万円で、なおかつ人事まで学長を中心にした理事会に権限を集中してしまったとは信じられない思いです。せっかく終戦後築き上げてきた大学における民主主義を赤字解消を錦の御旗に停止させるとは、戦争を錦の御旗に学問の自由、思想の自由、言論の自由を統制した戦前の大学の状態を想起させます。
文部科学省は森友問題や加計学園問題だけでなく、その後も官僚トップの相次ぐ不祥事が問題になりましたが、国立大学がこういう状態になったことの元々の責任は文部科学省にある筈です。早くこういう馬鹿げた状態を変えなければ、日本の科学力は中国を含めた世界に取り残されるだけでなく、将来を担う人材育成という意味でも取り返しのつかないことにならないか心配です。
最近の厚生労働省の不祥事も目を覆うばかりですが、優秀だった日本の官僚のていたらくぶりは情けない限りです。
懇親会が終わってほろ酔い状態で東京駅八重洲北口に向かって歩いていたら、途中の料理やの玄関前に綺麗なチューリップのような花の鉢が飾ってありました。季節的にちょっと早いし、造花かなと思って気になって触ってみたら本物の生花でした。春を感じさせるこういう生花を玄関先に飾るとは、料理やの憎い心遣いだなと思いました。