我が家は朝日新聞を購読していますが、毎土曜日に追加で発行されているbe on Saturday紙の4面に本日付けで掲載された記事には驚きました。デジタル版に無料登録すると同じ記事が読めます。https://digital.asahi.com/articles/ASM8B54N2M8BULZU008.html?rm=326
新聞紙面では「家庭に広がる除草剤・殺虫剤 発がん性や農業被害で欧米は規制」という見出しに、「ヒトへの健康影響 相次ぐ研究結果」「日本は基準緩和 研究者から警告」という小見出しが付いた記事で、除草剤のラウンドアップ(有効成分グリホサート)と殺虫剤のネオニコチノイド系農薬の危険性を指摘し、規制を強化あるいは禁止すべきと示唆しています。
グリホサートについては、先日(8月18日)本ブログでも言及した通り、月刊誌「農業経営者」の6月号と7月号に「ラウンドアップの風評被害を正す」というテーマで連載で取り上げられて、東京大学名誉教授の唐木英明先生と一般財団法人残留農薬研究所理事長の原田孝則博士のインタビュー記事で解説されています。
ネオニコチノイド剤については、残留基準値がどのように設定されているかの説明なしに特定の剤(アセタミプリド)の特定の作物に対する基準値だけを米国、欧州と比較して日本だけが異常にゆるいという明らかに間違った主張の根拠に使ったり、ネオニコチノイド剤の中にもミツバチに毒性の低い剤があることを無視してネオニコチノイド剤を一括りにして扱っています。
担当記者名(編集委員・石井徹)が記載されていますが、この記者はこういう記事を書く前に、農薬登録に関わっている農水省や厚労省や環境省の所管部署や、農薬工業会や、上記の唐木先生や原田博士に取材して書こうとしている記事の裏付けをとったのだろうかという疑問が湧いてきます。一部の人たちから提供される情報だけを信じてこのような印象操作とも言える国民に対してミスリーディングな記事を書く(もっとはっきり言えば、デマの拡散に手を貸す)ということは、影響の大きい朝日新聞なだけに残念なだけでなく、真実を報道することが使命の筈のジャーナリズムの倫理にも反する自殺行為だと思います。以前(2004年)にも、群馬県で特定のグループから提供された情報を信じて松くい虫防除で散布されたネオニコチノイド剤で周辺住民に健康被害が起こっているという記事を朝日新聞群馬県版に連載した記者がいましたが、少なくとも記事が掲載された後からでしたが横浜国立大学のM先生と千葉大学の私のところに取材に来ました。自分の書いた記事が科学的にあり得ることかどうかを確認したいという記者としての良心を持っていました。今回の記事を書いた記者がどういうバックグランドをお持ちの方かはわかりませんが、たとえ事後であっても自分が書いた記事の信頼性を確認することが記者としての最低限の矜持だと思うのですが・・。
午前中は松枯れ防除実践講座の特別講義Ⅱで使用予定のスライドの時間配分をして準備をし、午後少し涼しくなってから江戸川堤防に行って2時間半ぐらいウォーキング/ジョギングをしてきました。古ヶ崎では堤防を下りて水田の様子を見に行ってみたら、黄金色の稲穂が頭を垂れていました。普通の案山子(かかし)の代わりに、大きな鳥(鷹?)の形をした案山子が竹竿から吊るしてありました。
千葉大学学生として1年後輩で、空手部でも1年後輩で、教員としても長年同僚だった古在豊樹先生は、研究者としても千葉大学長としても大変りっぱな業績を挙げたことが評価されて、今年叙勲(瑞宝重光章)しました。今日、徳久剛久千葉大学長、環境健康フィールド科学センター(現在の勤務地)長の高垣美智子教授、大学院園芸学研究科後藤英司教授(研究室の後任)の3人を発起人とする受賞を祝う会が10月6日(日)に開催されるという案内状が届きました。私も是非出席してお祝いしたいところですが、残念ながら9月26日~10月25日は古巣のノースカロライナ州に滞在中で日本にいませんので、欠席の返信をせざるを得ません。空手部として祝う会を企画しようかという提案もありましたが、大学が企画してくれてよかったと思います。