2021年7月10日土曜日

気象観測は地上1.5mと、ドローンから薬剤が散布される松林の上空2mの位置で行いました。林内と周辺地点での散布薬剤の気中濃度は小型ポンプに接続したカートリッジ(ミニカラム)で大気を捕集して測定し、散布薬剤の落下量はろ紙で捕集して測定しました。
散布薬剤はマツグリーン液剤2(有効成分はネオニコチノイド剤のアセタミプリド2%)で、無人ヘリコプターでの使用基準に合わせて10倍希釈液5ℓを調製してドローンに積載しました。
散布後の林床からは落下して徘徊しているマツノマダラカミキリの成虫が4頭、ノコギリカミキリの成虫が1頭、ニイニイゼミが1頭見つかりました。いずれも生きてはいましたが、アセタミプリド暴露の影響で飛べない状態でした。その他にマつの株元にはクロカミキリが存在し、複雑な模様のハチのような昆虫が見つかりましたが、いずれも元気で中毒はしていませんでした。マツノマダラカミキリについては、樹木医の阿部 豊氏が回収し、解剖/DNA診断でマツノザイセンチュウ保持の有無を調べる予定です。
マツの当年枝への薬剤付着量を分析し、室内飼育しているマツノマダラカミキリを用いた生物検定を行うために、樹冠部と下枝の当年枝を採取しました。高所作業車が入るところでは高所作業車の上から枝を採取し、高所作業車が入らないところではツリークライマーの資格を有する樹木医の吉岡賢人氏(千葉大学園芸学部卒業生で造園業)が木に登って採取しました。
アカマツ林の中には、一見健全に見えて実際には幹の半分ぐらいが空洞化して衰弱している大木も立っていました。森林総研の敷地内にはエゴノキに似た木が植栽されていましたが、実のなり方や葉の形状が若干違っていました。ヒイラギモクセイの葉はヘリグロテントウノミハムシと思われる害虫の食害で酷い状態でした。トチノキの葉には、トチノキヒメヨコバイが発生していました。 敷地内には広い運動場や池もありました。隣接した水田では稲が育っていました。

2021年7月9日金曜日

昨夜は私は一度松戸の自宅に帰ってきて、天気予報から実際の薬剤散布は明日7月10日に実施するということになりましたので、今日は午後から森林総研に出かけ直しました。 ドローンに水を積載して操縦のリハーサルと散布のリハーサルをしました。
林床にはいろいろな菌類が生えていました。
作業が終わってつくばエクスプレス線牛久駅前の東横インに戻って、皆で近くの居酒屋で軽く一杯やって夕食を食べました。座席は一つ置きに間隔をとるようになっていましたが、ビールも焼酎もちゃんと出ました。明日は先日より30分遅く、朝4時20分に宿舎を出発して現場に向かうことになりました。