2010年9月9日木曜日

昨日の菅野弁護士のお話では、市橋君の公判前整理手続は、事件当日何が起こったかの弁護側と検察側の論点整理が大体9月末までに終わり、10月から11月には情状酌量の余地があるかないかなどの検討が行われ、年内には裁判の準備が済んで、来年3月頃に裁判員裁判が開かれるという見通しのようです。

市橋君は身柄を拘束されて以来、弁護団に親には絶対に連絡をとらないでほしいと言い続けてきたそうですが、これは自分自身の問題なので親や家族には迷惑をかけたくないという思いだったのでしょうか。育ててくれたご両親に申し訳ないという気持ち、感謝しているという気持ち、ご両親への敬愛、そんな思いを伝えたいという心境になったのでしょうか、最近ご両親宛の手紙を書いて弁護団に託したようです。親子は物理的に隔絶されてもお互いへの信頼で結ばれていたとしても、こういう状態に陥った息子からの何年ぶりかの手紙が届いて実際に手にした時のご両親の胸の内はいかばかりかと想像されます。

市橋君が千葉大学を卒業してからの2年間にどういう生活をしていたのか私には全くわかりませんが、ごく普通の学生だった市橋君がリンゼイさんにこんな酷いことをするには、よっぽど自分自身を失っていたとしか考えられません。何故彼がそういう行動に走ったのか、市橋君自身もわかっていないのかもしれません。亡くなった命は生き返らないし、犯した罪は消えませんが、何が彼に理性では考えられないこんな馬鹿げたことをさせたのかを明らかにすることは、弁護団にとっても市橋君自身にとっても大切なことかもしれません。