2011年4月26日火曜日

以下は、市橋君への支援活動に関して匿名で何回もメールを送ってこられた方に私が昨日2回送信した回答です。他にも同様な疑問をお持ちの方がおられるかもしれませんので、ブログに載せておきます。
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2011.4.25(1回目)

お便りありがとうございました。市橋君は恵まれた環境に育ちながら、本当に馬鹿なことをして一生を棒に振ってしまいました。事件後長期間逃走して見つからなかった時には、すでに自殺してこの世にはいないのではと思っていましたが、整形をして生き延びていることが報道された時に自主的に出頭させたくて、私の専門の農薬毒性学に関するオピニオンを社会に公表する場として開設したWebsite http://sites.google.com/site/naokimotoyama
に私に連絡をするように呼びかける記事#9市橋君に告ぐ(2009.11.8)を書きました。残念ながらメッセージが届く前に彼は身柄を拘束されてしまいましたので、黙秘ではなく事実をきちんと話すようにという趣旨の記事#10市橋達也君の件で(2009.12.8)を書きました。
その後、市橋君のご両親も息子の弁護は一切しない、千葉大学教授会も卒業して事件までの2年間何の連絡もなかったということで大学は沈黙を続けて一切関わらないという姿勢を示し、メデイアはここぞとばかりに市橋君がいかにも金持ちの馬鹿息子でとんでもない不良であるかのような虚像を作り上げ、市橋君は社会から袋叩き(リンチ)にされている状況でした。元学生は、例え社会から褒めたたえられるようなよいことをしても、非難されるような悪いことをしても、永久に千葉大学の元学生ですから、特に地獄の底に落ちたような状態にある元学生に救いの手を差し伸べるのは元教師として当然であるという考えから、記事#14適正な裁判を支援する会(2010.2.20)を書いて募金活動を始めました。
現在までに全国の延べ274名から2,983,565円の支援金が寄せられ、無償で弁護を引き受けてくれている私撰弁護団に全額をお渡しして、弁護活動費用として使っていただいています。ネット上で、弁護団や私自身に対して非難する書き込みが多数あることは承知していますし、弁護団や私自身に対する直接的な嫌がらせもあります。しかし、市橋君が犯した罪に相当の罰を受けて罪の償いをしなければならないことは当然ですが、社会からの袋叩き(リンチ)ではなく、適正な裁判を受ける権利はある筈で、元教師がそのための支援活動をするのは当然だという信念は揺らぎません。
顔を見たことも直接話をしたこともない全国の支援者とのコミュニケーションの方法として、支援する会のブログを立ち上げて、
http://naokimotoyama.blogspot.com/
裁判の予定や市橋君の様子などを報告しています。市橋君は千葉刑務所の未決囚の独居房に拘束されていて、やっとこの程公判前整理手続きが終了して7月4日から公判が始まることが決まりましたので、それを待っている状態です。裁判の日程なども上記ブログに載っています。
こういう趣旨ですので、もしご賛同いただけるようでしたら、支援金の振込先は以下の通りです。
郵便振替口座名:市橋達也君の適正な裁判を支援する会
口座番号:00140-9-773866
代表:本山直樹

私を含めて支援者の多くは、市橋君が心から反省し、謝罪し、罪を償って、その上で残される人生の中の短い年数をしっかり生きる機会が与えられることを願っています。

本山直樹
市橋達也君の適正な裁判を支援する会(代表)
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2011.4.25(2回目)

市橋君の書いた手記を読まれて、考えが変わったとのこと、手記の出版についても内容についても批判的な見方をする方々がおられることはご承知の通りです。印税は経済力のない市橋君が被害者遺族に弁償金を払える唯一の方法ですから、私はよかったと思っています。事件そのものについての言及がないのは、反省していないからではなく、今から裁判が行われることだからと弁護団に止められたからです。ネット上の書き込みやメディアの流す記事は、根拠がなくてもチェーンレターのようにあっという間に広まり、いつの間にかあたかも事実であるかのような独り歩きをすることがあります。私たちは、社会から提供される情報をそのまま信じるのではなく、何が事実で何が想像や流言か冷静な判断をすることが必要なのだと思います。
市橋君のご両親が息子の弁護をしないのは、愛情がないからではなく、息子の行為のせいで亡くなったリンゼイさんのご両親に対して申し訳ないという気持ちが非常に強いからです。私は弁護団との仲立ちの意味もあって何回かご両親と手紙のやりとりをしましたが、リンゼイさんの写真の前で毎日手を合わせて謝罪し、冥福を祈っておられるそうです。今は心を鬼にして息子に厳しく、自分の責任は自分でとるように諭しておられますが、裁判が結審して判決が下れば、ご両親とも自分たちの命の続く限り息子の身体と心の安寧を祈り、刑務所の中の市橋君に愛情を注がれると思います。
国選ではなく私撰の弁護士が弁護活動にあたっているのは、市橋君が金持ちで私撰弁護士を雇う余裕があるからではありません。身柄を拘束された時は、逃走中に必死で働いて貯めた約30万円しか所持していなかったそうです。弁護団の代表の菅野弁護士は恐らく私(68才)と同年代だと想像しますが、千葉県弁護士会の会長もされた方で、報道されている冤罪事件の多く(無罪の人を有罪にし、死刑にもする)は警察や検察の取り調べのやり方に問題があることが明らかになっていますので、被疑者・被告人には取り調べの段階から弁護士を付ける必要があるという制度を提唱された方です。市橋君の身柄が拘束されるとすぐ6人のボランティア弁護士から成る弁護団を組織し、無償で弁護活動を始めました。2人一組で毎日接見し、刑務所内で絶食死しようとしていた市橋君を、それは責任をとることにならない無意味な死だから止めなさいと言って説得したのも弁護団の一人です。信頼関係ができた弁護団に自分を見捨てないで下さいと言って弁護を依頼したのは市橋君ですが、もちろん弁護料を支払う能力はありません。それでも弁護団は弁護士としての使命感から弁護を引き受けて下さったのです。
裁判員制度における公判前整理手続きはやっと今月終了し、公判は7月4日から始まることになりましたが、公判が始まるまでは弁護団以外は接見が許可されません。郵送あるいは持参する差し入れは可能ですが、現金以外は自殺や毒殺を防ぐために制限があります。食べ物は刑務所内の売店で売っているものに限られます。手紙類は、外部の仲間と証拠隠滅を計る可能性があるということで一切許可されません。衣類もすでに多くの人が差し入れしていますので、必要はありません。刑務所が保管(領置)してくれるのはミカン箱2つ分くらいの容量ですので、それ以上は廃棄されるか送り返されるか、一部は弁護士事務所にも保管されているそうです。必要なものがあれば弁護団が私たちが提供した支援金を使って購入して差し入れできますので、それ以上の差し入れは必要ないと思います。
弁護団や私に対するネット上の中傷誹謗については、全く気にしないことにしています。自分の顔も出さずに、あーでもないこーでもないと自分の偏った思い込みで無責任な書き込みをする(愉快犯のように)ネット中毒の人達に、貴重な時間を使っていちいち対応する必要はないと考えています。
疑問点への回答になったかどうかはわかりませんが、ご指摘されたことに関する私の考えは以上の通りです。

本山直樹
市橋達也君の適正な裁判を支援する会(代表)
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今日は東京農大の研究室に来客があったので、昼休みのジョギングは約2km しかできませんでした。体育館のシャワー室では、サッカー部員らしき何人かの学生に”こんにちは”と挨拶をされました。東京農大では、私が年配なので教職員と思うのかよく見知らぬ学生に挨拶をされ、清々しい気分になります。生協前では新入生獲得をねらって多くのサークルが声を張り上げて勧誘をしていました。この時期のキャンパスは若者の活気で溢れています。