2011年4月21日木曜日

昨日の朝日新聞(2011年4月20日朝刊)に、「再生できるか検察」という見出しのほとんど半ページに近い大きなインタビュー記事が載っていました。「無罪請負」弁護士弘中淳一郎さんという、ロス疑惑の故三浦和義・元社長や、薬害エイズ事件の故安部英・元帝京大学副学長の主任弁護人として無罪判決を勝ち取った弁護士への取材記事でした。

私の興味を惹いたのは、村木厚子・厚生労働省元局長の冤罪事件で、事件を担当した元主任検事前田恒彦被告が何故フロッピーディスク(FD)のデータを改ざんするという信じられないような馬鹿げたことをしたのかということです。
「密室で相手を誘導したり、脅したりして、本人が言ってもいない内容の調書が山のように作られて、その調書が独り歩きした。その結果、客観的な証拠であるFD のデータと矛盾してしまったので、データを改ざんしてしまった。」 事実を明らかにすべき立場の検事が、自分の見立てと矛盾する証拠は隠蔽したり、改ざんまでするということが本当にあるのでしょうか。それでは、せっかく難しい司法試験に合格して検事になり、事実を明らかにして被害者の権利を代表するという本来の精神を見失っているのではないでしょうか。検察という組織自体に問題があって、検事をいわゆる役人的(悪い意味の)な発想に追い込んでいるというようなことがあるのでしょうか。

弘中弁護士は昨年、雑誌の座談会で「検察とマスコミが1本の線になった時が一番こわい」と述べたとのこと。市橋君の事件もメディアの異常ともいえる注目を集めたし、警察が市橋君を取り逃がすという失態があったし、イギリス国民の対日感情が悪化するのを防ぎたいという外交的な配慮もあったのか、懸賞金が異常に高かったし、・・・こういうことで担当検事が圧力を感じて、事実とは異なるかもしれない見立てをして、それを通すために見立てと矛盾する証拠を開示しないなどということはないことを信じたいと思います。

今日も江戸川堤防を8km 走ってきましたが、相変わらず駅伝大会で競走するには程遠い体調です。