2011年10月12日水曜日

これから書く記事を支援者の多くが首を長くして待っていることと思います。今日は千葉拘置所に行って久し振りに市橋君に面会してきました。市橋君が本来の姿に戻っていたので、バスと電車を乗り継いで帰ってくる途中は、気持ちが晴れてルンルン気分でした。

向こう側のドアが開いて、刑務官に付き添われて入ってきた時の市橋君の顔色は青白く、しばらく振りのせいか神経質そうに緊張して見えました。私は1ケ月近くアメリカに行っていて日本を留守にしたけど、君はどうだった、元気にしていたかと訊いたら、はいと答えました。ちゃんと運動をして体を動かさなければ駄目だぞ、君の入っている部屋はどれくらいの広さがあるのかと訊いたら、全部で3畳くらいですが、実際には2畳くらいありますと答えました。狭い空間でも運動ができるように、太極拳の本でも差し入れしようかと言ったら、先生に習った空手の型をやっていますと答えました。
毎日運動の時間があるし、週2回お風呂に入れる日があるので、その前にも運動ができますとのこと。汗をかくだろうから、入浴前しか運動はできないのかなと言ったら、今は涼しくなったせいか、あるいは汗をかくほどの運動はできないという意味か、汗はかきませんと答えました。彼の部屋は独居房で窓には鉄格子があるけど、その他にアクリル板で塞がれているので外の空気は入ってきませんとのこと。

昨日のテレビで88才の日本人女性が100m走で世界記録を作って、今でも毎日トレーニングしている元気な姿を紹介していたよと話したら、「私も外で思い切り走ってみたい」と言いました。市橋君は高校時代は陸上部だったと聞いたので、狭い独居房の生活から外に出て思い切り走れたらどんなに気持ちがいいだろうかと想像してくれたのでしょう。彼がそういうことを想像してくれたことを、私も嬉しく思いました。想像力を回復したということでしょうから。
太陽の陽射しを浴びて、汗をかけるほど思い切り運動ができて、戸外の空気を吸えることがいかに幸せなことか、普段私たちは忘れていますが、市橋君は今それを感じているのでしょう。

多くの非支援者から携帯電話のメールで本を差し入れたという連絡があったので、9月~10月にブログで紹介したもののリストを作って、透明のアクリル板越しに見えやすいように14ポイントの活字で太字で打って持っていきました。それを仕切り板越しに見せて実際に届いたものを確認してもらおうとしたら、横に座っている刑務官にそれは規則違反で駄目だと止められました。前回は問題はなかったのですが・・。読み上げるのはいいですかと訊いたら、それはいいとのことだったので、一部8月分まで含めて48件を読み上げて届いたものと届かなかったものを区別してもらいました。時々、思い出そうとしてかつっかえるところもありましたが、彼の答を聞きながら私が届いたものはで届かなかったものは×で印をつけたリストは以下の通りです。これを見ると、非支援者が匿名や仮名(偽名)の携帯電話のメールで連絡してきたものはほとんど全部嘘だったようです。何故こんなことをするのか、情けない人間がいるものです。これはいたずらの範囲を超えて、人間としての誠意を踏みにじる恥ずべき行為です。

私が前回来た時に差し入れすると言ったこのブログのプリントしたものと、一部の支援者の写真については、届いていませんと彼の方から指摘してくれました。よく考えて、ブログは君にとってよくないかもしれないと思って差し入れの手続きをしなかったと伝えました。写真を送って下さった支援者の写真は、個別に了解を得なければいけないと気が付いて差し入れをしませんでした。

あっという間に8分は過ぎ、また来るからなと言って部屋を出ようとしたら、市橋君は立ち上がって深々と頭を下げて見送ってくれました。絶望のどん底みたいだった前回の時と違って、現実を受け止めて前向きに生きようとしている市橋君の姿勢を感じました。ご両親は私のいなかった期間に面会にきてくれたかと訊いたら、首を横に振りましたが、それは当然のこととして受け入れている様子でした。

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20119月~10月に差し入れされた書籍(2011.10.12現在)
:市橋君の手に届いたもの ×:届かなかったもの)

1.「京都 すてきな秋 KYOTO in Autumn」 
2.「汝の敵を愛せよ」マーティン・ルーサー・キング 
3.「淳」土師守 
4.「奪回、引き裂かれた24年間」蓮池 透 
×5.「Gainer10月号」(雑誌) 
×6.「カジカジ10月号」(雑誌) 
7.「原因と結果の法則」ジェームス・アレン 他1冊 
×8.「神様のカルテ2」と「神様のカルテ3」が連載されている「小学館ストーリーボックス」 
×9.「おおきく振りかぶって」(漫画)13巻 
×10.「おおきく振りかぶって」(漫画)46巻 
×11.「メンズジョーカー10月号」(雑誌) 
×12.「ちひろBOX」いわさきちひろ 
×13.「ちひろ花の画集」いわさきちひろ 
×14.「いわさきちひろ詩画集~おかあさん」さとうハチロー 
×15.「こち亀サポートの七月、八月、九月」(漫画) 
×16.「ダライ・ラマ自伝」ダライ・ラマ 
×17.「抱くことば」 ダライ・ラマ 
×18.「ゆるす言葉 」ダライ・ラマ 
×19.「どうよく生き、どうよく老い、どうよく死ぬか」日野原重明 
×20.「たっぷり生きる」日野原重明 
×21.「ブッダ」16巻(漫画)手塚治虫 
×22.「生きてるだけで100点満点、99歳のぼくから君たちへ」日野原重明 
×23.「愛とゆるし」日野原重明 
×24.「恋はあなたのすべてじゃない」石田良 
×25.「大人になるということ」石田良 
×26.「傷つきやすくなった世界で」石田良 
×27.「空は今日も青いか?」石田良 
×28.「白黒つけます!!」石田良 
×29.「夜の桃」石田良 
×30.「逝年」石田良 
×31.「池袋ウエストゲートパーク」石田良 
×32.「美丘」石田良 
×33.「アキハバラ@DEEP」石田良 
×34.「虚言少年」京極夏彦 
×35.「数えずの井戸」京極夏彦 
×36.「オジいさん」京極夏彦 
×37.「流星の絆」東野圭吾 
×38.「マスカレードホテル」東野圭吾 
×39.「白夜行」東野圭吾 
×40.「神様のカルテ」夏川草介
41.Franny and ZoonyJ.D.Salinger
42.「小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所」大沢在昌・石田衣良・今野敏・柴田よしき・京極夏彦・逢坂剛・東野圭吾
×43.「容疑者Xの献身」(ガリレオシリーズ)東野圭吾
44.「 秘密  」東野圭吾
45.「手紙」東野圭吾
46.「東日本大震災1ケ月の全記録<闘う日本>」産経新聞社

(その他8月分)
47.月刊誌「clay(クレイ)」というデボーショナルガイド
×48.天理教関係の書籍

(石田衣良の漢字変換ミスのご指摘ありがとうございました)