2011年12月16日金曜日

午前中は、千葉県松林復活プロジェクトの共同研究メンバーが千葉大学園芸学部に集まって第4回打ち合わせ会を開き、今年の研究の進捗状況を報告し合いました。各々興味深い結果が得られつつありますが、千葉県森林研究所の報告には唖然(あぜん)としました。千葉県では元々松林面積の90%以上は松枯れですでに消滅していて、主として海岸地帯に残っている10%弱の松林を必死に守ろうとしていたのですが、今年の松枯れ被害は昨年の11倍にも達し、特に房総半島先端に位置する館山市平砂浦(へいさうら)海岸では真っ赤に枯れた枯損木(松の死骸)が累々と見られるとのこと。確か、今年3月に視察に行った時は、被害は拡大しつつありましたがそれほど甚大ではありませんでした。このことは12月10日付けの朝日新聞の千葉県版にも「松枯れ被害深刻」という見出しの記事で取り上げられ、今年の松枯れ被害は昨年の11倍で、特に房総半島の先端に位置する館山市の平砂浦海岸では真っ赤に枯れた松が目立つとのこと。館山市長の「伐採したマツをチップ化せず、放置したのではないか」というコメントが載っていました。海岸の松枯れは、単に観光資源にとってマイナスなだけでなく、松林の砂防効果で今は住宅地や商業用地や緑地になっているところが、昔のように砂丘や砂山が復活する可能性があり、生存環境が脅かされることになります。

1905年頃に長崎県にアメリカから輸入された松の材木に紛れて侵入したマツノザイセンチュウが、マツノマダラカミキリによって媒介・伝搬されて松枯れを起こしてきました。対策としては、センチュウを媒介・伝搬するカミキリムシを殺虫剤散布でやっつける予防と、すでにセンチュウに寄生された被害木を伐倒して次世代の発生源を除く駆除が基本になります。いずれもコストと労力がかかりますので、殺虫剤散布だけして伐倒駆除をしなかったり、反対に一部市民の反対活動で殺虫剤散布ができなくて伐倒駆除だけしたりすると、被害が拡大していきます。センチュウを抱えたカミキリムシの成虫は寄生木から一度に集中して羽化・脱出してくるのではなく、2ケ月くらいにわたってダラダラ発生してきますので、散布後に殺虫効力が1ケ月くらいしか持続しない殺虫剤の場合は、発生時期を的確に把握して2回散布することが必要となります。これが一部市民の反対活動で不十分になると、被害を止められないということになります。また、伐倒した被害木も、機械でチップ化したり、殺虫剤や燻蒸剤や成虫に対する病原性微生物を処理して成虫の羽化・脱出を防ぐことが必要となります。これにはやはり相当なコストと労力がかかりますので、伐倒した被害木をそのまま林内に放置すると、次々と被害が拡大することになります。
何十年もかけてせっかく植林・育成してきた貴重な松林が、中途半端な対策しかとれなくて枯れていくのは残念なことですし、地元の人々にとっては深刻な問題です。

午後の東京での農林害虫防除研究会の常任幹事会(私は今回を最後に退任させていただきました)が終わって松戸に帰ってきたのは4時頃でしたので、着替えて江戸川に行った時はすでに太陽が沈んで、西の地平線に夕日が細い隙間のように残っているだけでしたが、真っ暗な堤防を14Km 走りました。あちこちで雪が降っていたようで気温は冷え込んでいましたが、気分は最高でした。これで累積は550Km/60日になりました。この1ケ月のトレーニング目標の300Km は達成し、貯金も26Km 上積みできました。トレーニング開始時点からの体重の減量は5Kg ですので、今月は1Kg 目標に届きませんでした。明日から始まる次の1ケ月のトレーニング目標は400Km の走り込みと、体重の減量4Kg (今月届かなかった1Kg 分を足して)です。