2012年7月27日金曜日

市橋君のことで久しぶりのお便りがありました。猛暑の中で、受刑中の市橋君の健康を心配している方々がたくさんおられるのでしょう。ありがとうございました。
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先生、大変ご無沙汰をしております。連日猛暑が続いておりますがお身体大丈夫でしょうか?
オウムの指名手配犯が立て続けに逮捕され、その中で市橋さんの逃亡生活を引き合いに出していたこと、ニュースを見るだけで市橋さんの立場を考えてしまい胸が痛い思いをしておりました。(自分の犯した罪の償いを日々向き合っておられるのに。でも罪は罪ですので仕方の無い事ですが)
この何か月間毎晩寝る前に「毎日元気で受刑の日を送れるように」と。市橋さんはもう受刑者に変わったんだ。私達が何か支援をすることはもうできないのですね。
正直控訴をしても誰も信じてくれない、だから今の受刑の道を選んだのかもしれません。(あくまで私個人の見解です)
この暑い中市橋さんは大丈夫なのか?元気にしているのか?独りの殻に籠ってるのではないのか?とても気がかりです。
でもこのリンゼイさんの事件を風化してほしくないとも思っております。世の中はオリンピック一色ですね。オウムの事件も風化されそうになっています。ただ言えることは、市橋さん強く生きてほしい。それだけで支援者(何もできませんが)の私にも光が見えてきます。私も一日一日を大切にし、市橋さんの事を願いながら生活をしていきます。
先生のご活躍大変喜ばしくて嬉しくなります。これからもお身体に気を付けてください。乱文長文失礼しました。
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今日は「食と農の博物館」で、東京農業大学総合研究所研究会農薬部会とHEART(ハート)の会*と合同の講演会があり、梅津憲治博士(東京農業大学客員教授/元日本農薬学会長/元大塚化学専務取締役)による「植物工場の現状と将来の課題」と題した講演がありました。私は今年から研究会の農薬部会長になりましたから、座長の役を果たしましたが、素晴らしい内容の講演でした。大塚化学自体が水耕栽培用の液肥を供給しているということもあって、あちこち日本の主な植物工場を訪問して撮影してこられた(普通は企業秘密で見学も撮影もさせてくれない)写真も興味深いものでしたが、日本の農業を取り巻く環境と農産物生産の実態や、植物工場の採算性・事業性や、太陽光利用型・完全制御型植物工場の特徴と課題など、貴重な資料をたくさん集めて整理してプレゼンテーションをされ、さすが勉強家の梅津博士だからこそできたと思われる大変説得力のある講演でした。
*人間環境活性化研究会 (Human Environment Activating Research Team)  http://www.heart-no-kai.com/

農水省や経産省の補助金事業ということもありますが、異業種から猫も杓子(しゃくし)も事業参入していて、一見華やかな植物工場ビジネスですが、設備投資やエネルギー代に巨額の投資がかかり、ほとんどが赤字経営という実態には考えさせられました。施設を建設するゼネコンや電気を供給する電力会社には儲かるビジネスかもしれませんが、肝心の植物工場の中で植物生産をする農家=農業生産者にとっては、赤字で破産して夜逃げをしなければならないくらい、儲からないビジネスのようです。何でもそうでしょうが、見かけの華やかさや恰好だけで判断してはいけないという教訓を教えられます。

円高のために、安い輸入農産物との競争に苦しんでいる日本農業の現状や、東北大震災と津波で壊滅状態の現地の農業再生のために、植物工場建設は政府にとっては魅力的な補助金事業になるかもしれませんが、長い目で見て農家の経営や日本の食料自給率アップに本当に役に立つかどうか、これまでの経験の反省を踏まえて判断することが必要なのだと思います。