2012年8月8日水曜日

講演の準備をしていますが、ヘリコプターでスミパインMC(有効成分は有機リン剤のフェニトロチオン)という薬剤の散布をしていた2007年までは見事に守られていた松林が、残効性の短いネオニコチノイド剤の地上散布1回に切り換えてからの松くい虫による松枯れ被害は急速に深刻化し、特に房総半島先端の平砂浦では何十年もかけて育成・保全してきた松林は昨年から今年にかけて文字通り壊滅状態になりました。きちんと防除できる方法はあるにもかかわらず、政治的な圧力で防除方法の選択を誤った結果です。

2007年1月に撮影した航空写真では濃い緑色の松林が存在していたのが、2012年4月に撮影した同じ場所の航空写真では、松林がなくなっていることがわかります。私が現地を訪れて今年7月に地上から撮影した写真では松林だったところが荒れ果てている様子がさらにはっきり認識できます。これから保安林としての松林を再生させるには、多分50年くらいのスパンでの計画を立てることが必要でしょう。
今月28日の講演では、こういうことも含めて話をするつもりです。
 http://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/con_2.html

       (写真はクリックすると拡大できます。)


 
江戸川堤防を6Km 走ったり歩いたりしてきましたが、昨日までと打って変わって涼しい風が吹いていて楽でした。暦の上では昨日が立秋だったとのことですので、走っていて気のせいかふっと秋の気配も感じられました。毎年そうですが、最初の秋の気配を感じると、昔20才前後の頃に読んだ堀 辰雄の「風立ちぬ」という小説を思い出します。