2012年10月19日金曜日

午前中に反農薬活動をしているNGOの人達と会って討論をするという予定になっていたのが、どういうわけかキャンセルになったので私もProf. Bridgesも自由になりました。Prof. Bridges 夫妻はすぐ帰国する必要があるとのことで、Dr. Patilと一緒に朝10時半に車で出発してコロンボ空港に向かいました。私はせっかく来たので少し見学をしたいということで、CropLife Sri Lanka の会員のLankem Ceylon PLC という会社のDistrict Manager(地域総支配人)のRahitha Seneviratne 氏の案内で車でKandy District の周辺を回りました。
公立学校の子供たちは皆政府から支給される真っ白の制服を着て通学していました。授業の始まる前に早めに学校に着いた子供たちは、羽子板を大きくしたような形の板を野球のバットのように構えて投げられたボールを打って走り回っていました。これが多分クリケットというスポーツなのでしょう。子供たちの純真な笑顔を見ると、国籍や人種は関係なく癒されます。
金色の大きな大仏像も見に行きましたが、奈良の大仏や鎌倉の大仏と似ている感じがしましたが、日本のは青銅色で渋い落ち着いた趣きがあるのに対して、スリランカのは金色で周りの建物の飾りなども極彩色で派手なところが違っています。それでも、あちこちにもっと小さい大仏の設置してある小さな建物や中には大仏の絵だけが掲げてある小屋もあり、人々が手を合わせて祈っている姿を見ると、仏教が宗教として生きているという感じがしました。
地区によってはヒンズー教徒が集中して住んでいるところもあり、りっぱな寺院があったので許可を得て中に入ってみました。靴を脱いで大きな建物に入ると、あちこちに違った神が祀(まつ)ってあり、その前で人々が祈りを捧げていました。
農業資材の卸商(農機具、肥料、農薬、種子などを扱っている)と、小売店にも寄って、どうやって農薬を販売しているのか見せてもらいました。一番面白かったのは、スリランカは人口の大多数を占めるシンハリ人と少数派のタミル人から構成されているので、農薬のラベルの説明は全てシンハリ語とタミル語と英語の3ケ国語で書かなければいけない規則になっていることでした。他民族国家はこうしてお互いを尊重して協力し合って生活しているのだなということが実感できました。
それからSigiriya という町に移動しました。エジプトのピラミッドや中国の万里の長城などのような世界の7不思議に加えてもらう申請をしたという巨大な岩山の頂上の宮殿跡地に行って、頂上まで上るつもり(往復で2時間くらいかかるそうです)でしたが、到着時間が遅かったので今日はもう駄目だと言われてしまいました。紀元5世紀頃に、高さが200mくらいはある急峻な岩山の頂上にどうやって宮殿やプールを造ったのかいまだに謎なのだそうです。
今日宿泊するホテルは、岩山の麓に位置していて、コテージのような平屋建てが2軒ずつつながって配置されていました。比較的近くには野生の象の生息地と象を放し飼いして管理しているサファリとがあります。毎年100人くらいの人間が野生の象に襲われるとのことなので、車を留めて道に出たらいきなり目の前に巨大な象が現れた時は一瞬驚きましたが、これは人間が管理しているサファリの象でちょうど餌を食べに行くところでした。