2012年10月20日土曜日


今日は朝食の前に宿泊しているヴィレッジの周囲をカメラを持って散歩してきました。この辺り一体が文字通り熱帯植物園のような感じで、樹齢何百年かわからないような巨大な樹木や珍しい植物だらけです。熱帯植物の花はどうしてこんなに派手なのか、多分進化の上で説明があるのでしょうが不思議な気がしました。野鳥の鳴き声も何となくけたたましく聞こえますし、モンスーンシーズン(雨季)が始まって嬉しそうに鳴いている蛙の声も日本のとは違う感じがします。ちょっとした岩の上にカメレオンがいたり、小型のワニのような動物が草むらを横切ったのですぐカメラを向けてシャッターを切りましたが、多分イグアナという大型のトカゲの一種だと思います。
途中、村人がたむろしている場所を通ったら、年配(老人に見えましたが実際はそれほどでもないのかもしれません)の男性が一緒に歩き出し、いろいろ説明をし始めました。最初のうちは相槌を打つ程度で無視をしていましたが、どこまでも着いてきて勝手にあれやこれや説明をして、象のいるサファリまで案内すると言い出しました。ポケットから公式のツアーガイドの身分証明証を出して見せたので、ははーんガイド料を稼ぎたいのだなとわかりました。私は自分で散歩をしているだけだからガイドは要らないと言ったのですが、勝手に説明をしながら付いてきました。30分くらい散歩をして元の場所に戻ってきた時に少しだけでもチップをあげようと思って財布を出して100ルピー紙幣を23枚取り出したら、駄目だ少な過ぎる、23千ルピーだといわれました。コロンボの空港で2万円をルピーに換えてきただけで、1ドルが何ルピーかもチェックしなかったし、チップの相場がどれくらいかも調べていなかったので、言われるまま2千ルピーを渡しました。後で、人に訊いたら、1ドルが130ルピーくらいで、正式のガイド料としては23千ルピーは妥当なところだということでした。あちこちで、私に近づいてきて日本語で話しかけてくる人がたくさんいますが、ガイドをしてお金を稼ぎたいということのようです。
散歩で汗びっしょりになったのでコテージでシャワーを浴びてロビー兼食堂に朝食を食べに行って、外の景色が見えるように外側のテーブルに座ったら、屋根の下の梁(はり)からネズミのような動物が食卓を見下ろしていました。よく見たらリスでした。サルも頻繁に見ますが、木から木へと身軽に動き回っています。
私をコロンボ市まで車で連れて行ってくれることになっているCropLife Sri Lanka の会員のHayleys Agricultureという農業資材・農機具の会社のGeneral Maneger (総支配人)のSiriweera Gamage 氏がが昼頃来たので、昨日は時間が遅くてSigiriya(シギリヤ)の巨大な岩山の上に上れなかったけど、今日コロンボに帰る前に寄って上る時間があるかと訊いたらOKだということだったので、行ってみました。ここでも、車を駐車して歩き始めたら、すぐ一人の若い男性が一緒に歩き出していろいろ説明を始めました。3千ルピーで案内すると言いましたが、マイペースでゆっくり上りたいのでガイドは要らないと断りました。それでも一緒に付いてきていろいろ説明をしてくれました。ほとんど垂直に近い角度でそそり立っている高さ200mの岩山の壁面に沿って、狭い階段が設置してあり、転落しないように設置してある柵やロープに掴まりながら上りました。途中の広い場所には岩をくり抜いたプールがあったり、頂上には宮殿の遺跡(土台)があり、ここがKing(王様)の部屋でここが妃(きさき)たちの部屋だったと説明をされました。こんな高いところでどうやって水を確保したのかいまだに謎だとのことですが、紀元5世紀頃の宮殿だそうですが、灌漑施設や岩山の途中の壁に描かれた妃(きさき)たちの壁画など、信じられないような技術が当時あったことを物語っています。往復2時間くらいの崖道の上り下りで、全身汗だくになりましたが、それだけの価値は十分ありました。体力的には、普段ジョギングで鍛えていてよかったなと思いました。若い男性にはお礼に4千ルピーを差し上げました。Gamage 氏によると、若い男性が最初ガイドをしたいとスリランカ語で言っきたので、私の今朝の経験を話して、ガイドをしてもお金の請求はしないように、私が満足すれば黙っていてもお金を払ってくれる筈だからと言ってっやったのだそうです。そうしたら、私が請求されなくても相場より高い4千ルピーを払ったのを見ていて、ガイドも大喜びしている筈だと言っていました。ちょっとした心配りで、私個人だけでなく、日本人としての評価につながりますので、4千ルピーをあげてよかったと思いました。成田空港にはスリランカルピーはなかったので、コロンボ空港で少しだけ円をルピーに交換したら、1円=1.5728ルピーでしたから、4千ルピーは約6千3百円に相当します。
コロンボへの途中、豪雨の中を走る場所があり、目の前で交通事故も2件目撃しました。Gamage 氏によると、今年は旱魃(かんばつ)で何週間も田植えができなかったのでこの雨は恵みの雨で農家がやっと田んぼを起こして田植えができるので、大喜びしている筈だとのこと。自分もそうなれば農薬が売れるので、大雨の中に出て踊りだしたいくらい嬉しい気持だと言っていました。日本の農薬会社とも取引があって何回か日本に行ったことがあるが、営業相手の日本人社員に毎晩のようにお酒を飲みに連れて行かれてカラオケで歌ったと言っていました。接待の意味だったのでしょうが、日本の悪い文化を強要されて申し訳なかったと、私が謝っておきました。この方は日本の仏教(何派かは聞き取れませんでしたが南無阿弥陀仏ではなく南無妙法蓮華経を唱えるとおっしゃっていたので日蓮宗の一派でしょうか)の信者で、日本から高僧(導師と言うのでしょうか)がスリランカにも来てすばらしい説教をしてくれるとのことでした。
コロンボ市の前と同じCinnamon Grand Hotel Colombo に着いたのは真っ暗になってからでした。5時間くらいのドライブを途中1回休憩しただけで彼が一人で運転してくれましたが、途中でコロンボ市に住んでいるご家族(奥さんと3人の息子さんたち)から何回も電話がありました。事故がないように心配をした電話で、そういう点では日本人もスリランカ人も全く同じだなと思いました。車でこれだけ遠出をすれば、私の妻も心配してそうするよと言ってあげました。
ホテルでは今夜の宿泊代と今夜の夕食、明日の朝食、昼食代を全部払ってくれました。全部で280ドルくらいでしたが、部屋に行ってみたら大統領が泊まるような特等室でした。彼には借りができたので、今度日本に来る時はお返しをしたいので必ず連絡をするように伝えました。