2012年11月5日月曜日

江戸川堤防を6Km ジョギングしてから、腎臓透析と脳梗塞のリハビリで長期入院している千葉大学時代の元同僚教授/友人をお見舞いに行きました。最後にお見舞いに行ったのは8月ですから、約3ケ月振りでした。いつものように受付で手続きをして、手の消毒をして、病室に行き、「おいN君、本山だぞ、元気だったか」と声をかけたら、目を大きく開けて私をじっと見てくれましたが、声を出した言葉は返ってきませんでした。反応はできなくても、私の言うことは聞こえている筈だからと思って、9月下旬から中国、アメリカ、スリランカに連続して行ってきたことや、昨日までは千葉大学園芸学部で大学祭が行われていたことや、妻と一緒に国立新美術館に行ってきたことや、美術の素養が全くない私にも素晴らしい作品ばかりで圧倒されたことなどを、一方的に話しました。N君は病気で倒れるまではよく油絵を描いていたので、「君にもあの素晴らしい作品を見せたかったなあ」と言ってやりましたが、反応はありませんでした。

ラッキーなことに、そうこうしている中に奥様が来られたので、久し振りに奥様とも話ができました。N君は、アルツハイマー型認知症(アメリカのレーガン元大統領が罹ったのと同じ)の症状が進行中だとのことでした。先日、車椅子を押して戸外に散歩に出た時に、「今日の気分は、いいの悪いの?」と奥様が話しかけたら、「最高だ」と声を出して答えてくれたのでびっくりして、嬉しかったとのこと。やはり、普段は反応はできなくても、こちらの言うことは聞こえているのだと思いました。
食事も、今は嚥下(エンゲ)力が弱くなったので肺炎にならないようにストローで流動食を摂っているのだが、嫌がって口を開けないのだそうです。奥様が病院に内緒で小さなタッパウェアーに小さく切ったリンゴ片を入れてきて、N君の口に入れて「30回噛んでから飲み込むのよ」と言って食べさせていました。N君はおいしそうにサクサク音を立ててリンゴ片を噛んでから飲み込んでいました。