2013年4月27日土曜日

今週初めに市橋君のご両親に下記のお手紙を書いて、翌日ゆうちょ銀行の為替証書と一緒に書留便で発送しました。それが24日に到着したらしく、今日お返事が届きました。
「・・・4月24日お手紙をいただき早速拝読いたしました。私たちは達也に関して何の情報もなく、ご連絡していただきありがとうございます。為替のお金についてですが、達也の裁判にご支援くださった大勢の方々のお気持ちを、私たち親がお受けし預かることは大変重く、お受けすることはできかねます。本山先生に同様な形でお返しをいたしますが、何卒お汲みとりいただきたくお願い申し上げます。お詫びとともに、先生に心より感謝申し上げます」

たとえ道を踏み外したとはいえ、30年後に仮出所した時の息子が生きていかれるようにしてあげたい親としての気持を抑えて、亡くなったリンゼイさんとそのご家族のことを考え、あくまで息子の擁護に手を貸さないという姿勢を貫いておられるものと思われます。私も人の親ですので、その心情を思うと胸が痛みます。
支援金の残金の処理については振り出しに戻ってしまいましたので、どのようにしたらよいか支援者の皆様のご意見をお寄せください。菅野弁護士を通して千葉県弁護士会に寄付をして、弁護人のいない被疑者・被告人の弁護活動に使っていただくか、市橋君のために山本弁護士が開設してK子さんが管理している口座に振り込んで30年後に仮出所の時がきたら渡していただくか、年齢の若い支援者のどなたかに保管していただくか(その場合はお名前を皆様に公表しなければなりませんが)・・・。支援者の皆様のご意見を伺った上で決めたいと思います。

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2013.4.21
達也君のお父様・お母様

いつの間にか桜の花から新緑の美しい季節に変わりました。ご無沙汰しておりますが、お元気でお過ごしのことと拝察いたします。私は千葉大学を定年退職後、東京農業大学で客員教授をしていましたが、それもこの3月末で70才定年となりました。これからは、最後の10年間に力を注いできました松くい虫被害でボロボロになった松林の再生活動にできる範囲で関わっていきたいと思っています。

達也君の刑が確定して服役生活に入って早や1年が経ちました。菅野弁護士のお話では、達也君から山本弁護士にだけは手紙が届いたようですが、弁護団としては達也君がどこで受刑しているかは聞かないことにしたとのことでした。最後に面会に行った時に、私が差し入れた空手道教範という空手の本をずっと持っていてもいいですかと言われたのが最後で、私への連絡はありませんのでどこで服役しているかもどうしているかも私にはわかりません。菅野弁護士のお話では、K子さん(○○○○子さん)が養子縁組か婚姻届かを出して達也君と親族関係になって面会に行っているらしいとのことですので、刑務所の外との接触は保たれていると想像しています。

さて、本日このお手紙を差し上げましたのは、お父様・お母様にお願いしたいことがあるからです。「市橋達也君の適正な裁判を支援する会」に多くの方々から振り込まれた支援金から弁護団に支払った残金が1274852円ございます。私は、千葉県弁護士会に寄付をして弁護人のいない被疑者・被告人の弁護に使ってもらうのがよいと考えましたが、支援者の多くは、達也君のために振り込んだのだから達也君が出所する時まで保管して達也君に渡してほしいと意思表示をしました。弁護士によると、無期懲役でも27年~30年服役後に仮釈放の審査があるとのことでした。私はすでに70才で、それまで生きていられ可能性は小さいと思いますので、お父様・お母様に何らかの形でこのお金が達也君の手に渡るように保管していただきたいということです。手記の増刷分の印税としてその後に支払われた約200万円については、山本弁護士が開いた達也君の口座に入れてK子さんが保管しているとのことでしたが、出所した時の達也君に支援者の気持ちが伝わるようにそれとは別にして、お父様・お母様に保管していただきたいと思います。ゆうちょ銀行の為替証書を同封いたしますので、事情ご賢察のうえ、よろしくお願い申し上げます。
ちょうど1年前に達也君に送った何通かの手紙のコピーも同封いたします。

本山直樹
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