2014年2月27日木曜日

一日中机の前から動かずに農薬学会大会で発表する2題の中の1題について準備をし、スライドと講演テキストが一応作成できましたので、ちょっと前に共同研究者に宅ファイル便で送りました。
残りの1題は明日とりかかります。

アメリカ人の友人から農薬のWorker Exposure(作業者ばく露)に関する情報が送ってきました。農作業従事者保護基準を制定するためにEPA(アメリカ環境保護局)が意見を公募している、日本でいうパブコメのようです。
http://www.epa.gov/oppfead1/safety/workers/proposed/index.html
アメリカのような大規模農業では農薬散布をする人とその後の農作業をする季節労務者は異なる場合が多いので、農薬ばく露から彼らの健康を守る必要があります。どれだけ毒性が高い農薬が散布されたか知らずに、散布直後に畑に入って作業をすることは危険だからです。

アメリカの農薬の登録要件(使用基準)には、Re-entry Interval(散布後何日経過すれば畑に入って作業をしてもよいという期間)が含まれていますが、日本のように小規模な農業を家族単位でやっている限りは、いつ何を散布したか自分でわかっていますのであまり必要がなかったのかもしれません。
しかしそうは言っても現在使用されている農薬の中には毒性の高いものもありますので、農薬開発メーカーにはさらなる負担増になるでしょうが、農家の健康を守るためにこれからは日本もRe-entry Intervalを採用していくべきだという気がします。アメリカのように一定以上のリスクのある農薬はRistricted Use Pesticides(使用制限農薬)(日本では劇物以上の農薬がこれに似ている)のような指定をして、講習会を受講して教育訓練を受けなければ販売も購入も使用もできない、という制度の導入も考えるべきかもしれません。研究者でもない限り、個々の農薬の毒性がどの程度で、散布後どれくらいの期間が経てば畑に入ってばく露しても安全かということはわからないのが普通の筈ですから。