2014年5月20日火曜日

千葉大学空手部の昭和40年度卒業生(私の学年)と昭和41年度卒業生(1級下の学年)10数名がつくばエクスプレス線柏の葉キャンパス駅に1時半に集合し、千葉大学柏の葉キャンパスの植物工場見学をしてきました。元学長の古在豊樹先生は空手部の1級後輩になりますが、日本における植物工場の第一人者で、千葉大学を定年退職後はNPO法人植物工場研究会を設立し、理事長をしています。空手部の2学年合同同窓会の前に、植物工場を見学しようという計画になり、理事長自らに案内をしていただきました。

戦後接収された米軍通信基地180haが返還された時に、その中の25haを千葉大学園芸学部の付属農場用地として取得し、当時の教職員の開墾に近い努力で学生の実習用の果樹、蔬菜、花卉の農場を作り上げたのですが、その後の時間経過の中でいつの間にかすぐ目の前に駅ができ、ララポートと呼ばれる巨大商業施設ができ、高層マンションに囲まれ、周りの景色が一変していました。それと同時に露地栽培が中心だった付属農場も、千葉大学の環境健康フィールドセンターの一部となり、植物工場が中心に変わっていました。健康部分では、漢方医学の診療所やシックハウス症候群の治療施設や鍼灸院まで設置されていて、昔のいわゆる付属農場とはすっかり変質していました。

植物工場も日々進歩しているのでしょうが、環境制御にコストがかかる分だけできた生産物の付加価値を高める必要があり、減農薬栽培による「安心」もセールスポイントの一つのようでした。外部からの病害虫の持ち込みや侵入を防ぐために、工場内は厳重な衛生管理がされていましたが、微小害虫捕獲用に黄色粘着シートがたくさん吊るしてあったのはちょっと皮肉に見えました。
トマトの栽培も、1回だけ大量にならして収穫したら植物を植え替えるやり方から、オランダ式のように2~3mの大きな木に仕立てて長期間収穫を続けるやり方までいろいろあって、大変勉強になりました。植物工場で水耕栽培で生産した農産物と露地で栽培した農産物で、味を比較した研究はあるのかという質問に対しては、植物工場では常に一定の品質が得られるのに対して、露地では品質に振れがあり、どれと比較するかによって、植物工場で栽培した農産物の方が優れているという報告も劣っているという報告もある、とのことでした。

見学後は駅前のララポート内のレストランに行って懇親会をしましたが、大学卒業後50年近く経って全員が70才を超えていますので、人によっては脳腫瘍の手術をして回復したとか、悪性リンパ腫の施術をして回復したとか、健康管理が大事な年齢だと実感しました。すでに亡くなった仲間も何人かいました。昔の空手部時代の思い出を語り合って、楽しいひと時を過ごしました。