2014年12月10日水曜日

大須観音の近くの名古屋市企業福祉会館で公益社団法人緑の安全推進協会主催の平成26年度「緑の安全管理士会」支部大会兼資格更新研修会が開催されました。緑の安全管理士というのは、主に緑地・ゴルフ場などで樹木や芝の病害虫・雑草の防除に携わる人に高度な知識と技術を習得してもらうことを目的にした資格で、一般社団法人日本植物防疫協会が農耕地分野で認定している同様な資格「農薬安全コンサルタント」に相当するものです。資格を更新するには、5年に1回は研修会に参加することが義務付けられています。
http://www.midori-kyokai.com/sikaku/sikaku.html
今回の研修会では、農水省東海農政局の人が「農薬を巡る最近の動向について」、環境省水・大気環境局土壌環境課の人が「農薬に関する環境リスクの評価と管理」、農林水産消費安全技術センター(FAMIC)の人が「農薬の登録状況を巡る話題について」講演をし、支部別テーマとして、私が「松くい虫激害の再発生とその原因と対策」について講演しました。

農水省や環境省の方々の資料(スライド)は、当然各役所の担当部署で作成されたものの筈ですが、重複している部分がかなりありました。講師は支部大会によって毎回違う人が担当するのでしょうが、若手の行政官が派遣され、現場で実際に農薬散布をしているベテランの聴講生を前に講演をするのは相当緊張してつらいだろうなと想像しました。しかし、こういう経験を積み重ねてだんだん成長して広い視野をもったりっぱなキャリア官僚に育っていくのでしょう。

私は朝早く出発して八事(やごと)の墓地に寄ってお墓参りをしてきました。今年は1月以来でしたので(と言っても、その後息子が一度墓参りをして除草剤を撒いてきたようですが)、相当草が生えていて、持参した剪定ばさみを使って草取りをするのに30分以上かかって汗をかいてしまいました。しかし、きれいになったお墓に花を供えて、墓前で家族は全員元気に過ごしているという報告をしてさっぱりした気持になりました。
八事の墓地は広大な丘の上にありますが、今まで気がつかなかった碑が建っているのが目に留まりました。第二次世界大戦中に南方の島サイパンで多くの日本兵が水も食料も弾薬もない状況で米軍の猛攻で全滅したことを痛んで、水掛(みずかけ)地蔵を建立したと記してありました。戦争が終わったのは昭和20年(1945年)ですから、70年経った今でも、国家(政府)から見捨てられて異国の島で火炎放射器で焼かれて虫けらのように死んだ兵士を水と花を供えて追悼し続けている人がおられるということに、胸が熱くなりました。

講演終了後、千葉大学時代の元同僚教授のT先生と大須観音の近くの居酒屋で一杯やって楽しいひと時を過ごしました。