2014年12月11日木曜日

地下鉄有楽町線の豊洲(とよす)駅前にある大きなビルの会議室で、東京電力株式会社ならびにグループ会社の東京パワーテクノロジー株式会社の環境部や環境事業部の人たちと、午後3時頃から2時間半くらい会いました。

東京電力というのは単に発電をして電気を売るだけの会社ではなく、発電所の周りの緑地を含めて、あちこちでいろいろな形の緑地の管理もしているとのことでした。実際の管理作業は下請けの業者に発注する場合が多いようですが、そこで使われる農薬が適正に使われているかどうか、周辺環境の水質汚染をしていないかどうかなど、相当神経を使っている様子でした。福島県での原子力発電所の事故以来、緑地管理事業分野でも万が一の事故がないように私の助言を得たいというのが今日の会合の目的でした。
すでに農薬使用に関する綿密な社内指針が作成されていました。ただ、原則としては農薬散布時には毎回水質検査をすることになっていても、分析費用が莫大になるので、何回か分析して全く問題がなければ、それ以降は毎回分析する必要はないのではないかという疑問も持っていました。
2005年に千葉大学園芸学部を卒業して私の講義を受講したことのある元学生も、環境影響調査グループに就職していて、会合に参加していました。

何回分析すれば問題ないと判断できて、その後は分析を省略してもよいかどうかは、散布する場所の地形その他によって条件が異なるので、一概には決められないという私の意見を伝え、実際に散布をして分析をした結果を見せてもらえればある程度の判断はできる筈だが、ワーストケースの分析例(例えば、散布直後に降雨があった場合など)も必要だと伝えました。
それと、下請けの造園業者を入札で選ぶ時に、安く請け負うけれど作業もずさんということにならないように、法令遵守や農薬の適正使用についてきちんと研修を受けて理解している業者を選ぶことの重要性も伝えました。
万が一の事故が起こった場合には、仕事を受注した業者の責任とは言っても、福島の事故以来東京電力に対する社会の風当たりは強い筈なので、東電という会社の無責任な体質として非難の根拠にされかねないところが辛いところです。

一緒に会合に参加した樹木医のA氏と、有楽町駅の近くの居酒屋に寄って一杯やってから帰宅しました。