2015年3月14日土曜日

いつも名古屋に行く時はそうですが、少し早目に行って八事(やごと)に寄ってお墓参りをしてから、名古屋大学の田中利治教授の退職記念会が開催されたメルパルク名古屋に行きました。記念講演とパーティーがありましたが、田中先生は学生時代は東京学芸大学の北野日出男先生、京都大学大学院では日高敏隆先生の指導を受け、高校教師、北興化学勤務を経て名古屋大学に来られた方です。講演では、害虫と寄生蜂の競争関係(害虫側の防御応答と寄生蜂側の免疫機構打破)について取り組んでこられた研究の一端を紹介されました。退職後は、カンボジアにある名古屋大学支部の所長に就任予定とのことですので、現地で寄生蜂の研究を続けられるのかもしれません。
写真を撮ろうと思って愛用のカメラを持って行ったのですが、バッテリーを外して充電していたのを忘れていましたので、写真は撮れませんでした。

記念会には名古屋大学の関係者や講座の卒業生や北野先生ら64名が参加しましたが、私の恩師の一人でもある齋藤哲夫名誉教授は91才になられたそうですが、国立大学の現状は消滅する風前の灯の中に立たされていると挨拶の中で述べていました。小泉内閣以来の競争強調路線の延長で、大学も法人化して差別化した結果、特定の大学ではバブルのように使いきれないほどの予算がつく一方で、千葉大学園芸学部では2014年度の教員の年間研究費はわずか20万円になってしまったのが、2015年度はとうとう0円になる予定のようです。法人化されたとは言え、国立大学の教員は配分される基礎的な研究費なしで、どういう教育・研究をしろというのでしょうか。外部資金を獲得できない学問分野や教員は首を切れと言っているのと同じで、大学の使命である学生の教育という面では、時代の流れにマッチした特定の学問分野しか残らないというのはとんでもないことです。名誉教授の会で学長が、好むと好まざるとにかかわらず今の大学は外部資金の獲得額でランク付けがされるので、上を目指すにはとにかく外部資金の獲得額を増やすしかないとまるで営利を目的とした会社組織の経営者みたいな説明をしていたのを思い出します。一部の政治家と官僚が結託して評議員会と教授会は無力化され、学問の自由や民主主義に基づく大学の自治を破壊して、大学人が声を挙げる(批判する)こともできない仕組みを作り上げつつあるような気がします。言論の自由が封殺され、国家の戦争遂行に国民全員が協力させられ、結果として軍人270万人・民間人30万人で合わせて300万人と言われる戦死者を出した http://mainichi.jp/feature/afterwar70/pacificwar/data1.html
戦前の状態への回帰の始まりでなければいいのですが・・。

昨日坂川沿いにウォーキングした時に、水辺の野鳥の他に甲羅干しをしているカメもいましたが、写真を撮ってネットで調べてみたら、ミシシッピアカミミガメ(幼体はペットとして飼育されるミドリガメ)でした。このカメは要注意外来生物とされ、日本生態学会に日本の侵略的外来生物100種の一つに指定されている種のようです。最後の写真の右端のカメはミミが赤くないので、カンバーランドキミミガメかもしれません。ペットとして飼育していたミドリガメが大きくなって飼育し切れなくなって野外に捨てたものが、身近の坂川でも繁殖して、日本の土着のカメに代わって優先種になったのかもしれません。