2015年3月16日月曜日

午前中は東京のある農薬会社を訪ねて、短期ばく露評価について、ざっくばらんにどういうふうに作業を進めたかの情報を提供してもらいました。まだ内閣府の食品安全委員会でARfD(急性参照用量)の設定ができていない段階にもかかわらず、農水省は農薬メーカーに負担(圧力)をかけて、かなり拙速に作業を進めているということがわかりました。メーカーは監督官庁の指導に対して対応せざるを得ない弱い立場ですが、第3者から見て、従来確立している農薬登録制度を無視するだけの緊急性と正当性があるのかという疑問と、何か裏があるのではないか(あるいは誰かに強引に引きずられているのではないか)とちょっと不安・不信を感じます。

午後からは、埼玉市浦和区の埼玉教育会館で開催された平成26年度第2回農産物安全技術専門委員会に出席してきました。私が委員長ですので議長を務めました。平成26年度に県が取り組んだ次の4つの課題について、成果や進行状況の報告をしてもらって、質疑応答と助言をしました。
(1)野菜類のカドミウム吸収に及ぼす土壌化学・物理性の影響解明と吸収抑制技術の確立
(2)ヒ素とカドミウムのトレードオフを考慮した水稲のヒ素、カドミウム同時吸収抑制技術の開発
(3)土壌及び農産物における放射性物質の実態把握及び安全性確保要因の解明
(4)殺線虫剤の土壌残留とその防除効果の関係解明
議事終了後、当委員会の発足からの経緯と、15年経過して一応役割を果たしたので今年度をもって休会としたいとの県からの説明がありました。
途中から交代で委員に就任した人もいますが、私のように最初から委員として加わった人もいて、県庁側の担当者や知事も交代し、いつの間にか15年も経ったのかという感慨深いものがありました。最後に委員全員(一人欠席)で記念写真を撮りました。

玉川大学で開催される農薬学会大会の講演で使うパワーポイントスライドを3人の共著者に宅ファイル便で送り、加筆訂正があれば大至急知らせるように依頼しました。明日の夕方には評議員会があって出かけますので、明日の午前中しか訂正する時間がありません。明日の午前中には、20日が締め切りの月刊誌「現代農業」の記事も仕上げなければなりません。