2015年7月23日木曜日

東京農業大学総合研究所研究会の第34回総会が農大アカデミアセンター横井講堂で開催されましたが、それに先立って造園家・ランドスケープアーキテクトの涌井史郎先生 http://www.sankeipro.co.jp/MasayukiWakui.html による特別講演「2020年東京オリンピックを見据えた社会資本整備の展望」が同じ会場でありました。
涌井先生は東京農業大学農学部造園学科の卒業ですが、いろいろな社会活動に加えて、現在は岐阜県立森林文化アカデミー学長、名古屋環境大学学長、東京都市大学環境情報学部教授もされています。
素晴らしい内容で、オリンピックを機会にどういう社会資本整備をすべきかについて、現在の世界情勢、日本情勢、日本の歴史などから持論を展開されました。今は新国立競技場の建設予算が膨大(約2,500億円)になり過ぎたということだけが社会の注目を集めて、白紙に戻してやり直すということになりましたが、涌井先生の展望はもっと歴史的・哲学的な視点に基づいた夢のある提案でした。

涌井先生は造園家という職業柄、設計や図面の作成は専門だからでしょうが、1枚1枚のスライドはまるでポスターのように作成されていて、貴重な写真や図表や言葉が効果的に配置されていました。ちょっと残念だったのは、情報量が多すぎて、1時間という短い講演時間で飲み込んで消化するのは困難でした。せめて1時間半あるか、あるいは事前に配布資料として参加者にスライドが配布されていれば、もっとよかったと思いました。

横井講堂は床も壁も天井も椅子も木でできていて、石や鉄でできている建物と違って優しい感じがしました。

     (スライドはクリックすると拡大できます)