2015年7月3日金曜日

清水駅には予定通り朝9時24分に着いて、すぐ西口のトヨタレンタカーに行って予約してあった車を借りて清水区役所9階の治山林道課を訪ねました。昨日あらかじめアポイントメントをとってあったので、三保の松原の松枯れ状況について多くの資料が準備されていて、約2時間丁寧な説明を受けました。区役所の皆さんのご協力に感謝します。

それから現地に行って、真崎灯台近くの三保グランドゴルフ場の回りの伐倒駆除された松くい虫被害木の根株の状況を調査しました。昨年伐倒された大きな根株から太い根がいろいろな方向に伸びていて、その範囲に伐倒された被害木の根株がたくさんありました。これだけでは癒合した根から周囲の木に線虫が移動して感染・発病させた証拠ににはなりませんが、可能性はあります。同じ範囲内に松枯れ症状が進行中の松の木が3本と葉色が悪い衰弱木が1本立っていました。これらの根株と松枯れ進行中と衰弱木の材片を採取してきました。ベールマン法による線虫分離とDNA診断でマツノザイセンチュウが検出されるかどうか確かめるつもりです。その他の区画でも、隣接した範囲に伐倒木の根株が複数存在するところを見つけて、材片を採取しました。もし、根の癒合による根系感染が今までの予想以上に起こっているとしたら、松くい虫被害木を伐倒するだけでは不十分ということも考えられます。
神の道(参道)から松林に入って二代目の羽衣の松を見に行きましたが、ちょっと元気がなく、根が広がっている辺りの土を踏まないように大きな枠の垣根が設置してあって、中に入らないで下さいという注意書きがありました。

区役所では三保の松原の大きな地図に、平成24年(2012年)度、平成25年(2013年)度、平成26年(2014年)度に伐倒駆除された松くい虫被害木の位置が小さな〇印で書き込まれていました。このような被害木分布図を作成するのは大変な作業だったと思いますが、清水区役所の何としても松原を保全しようという意気込みが感じられます。この資料はサイズが大き過ぎてコピーが取れなかったので、上から3区画に分けて写真を撮りました。後でパソコン上で拡大すれば、年度ごとにどの区画で何本枯れたかカウントでき、何故枯れたか原因の推察にも役立つ筈です。

あいにく雨が降ったり止んだりの中での視察・調査でしたので濡れてしまいましたが、終わって清水駅西口のレンタカー会社に着いたのは夕方6時頃になりました。百聞は一見に如(し)かずで、やはり現場にきて直接見なければわからないことが多々ありますので、時間と体力とお金を使って現場に行ってきてよかったと思います。私たちの自主的調査から得られる結果が、世界遺産の三保の松原の保全に少しでも貢献できれば本望です。

     (写真はクリックすると拡大できます)