2015年11月20日金曜日

ジャカルタでのワークショップの2日目は、次のAgenda(プログラム)で行われました。
08:30-10:00  Environmentak Risk Assessment - Current provision of
                     cut-off criteria DT50 <90 days, Science based approach
                     on risk assessment Part 1
                         by Dr. Gunner Kahl
10:00-10:15  Tea / Coffee break
10:15-11:00  Envurinmental Risk Assessment - Current provision of cut-                      
                     off criteria DT50 <90 days, Science based approach on
                     risk assessment Part 2
                        by Dr. Gunner Kahl
11:00-11:30  Breakout session, Q&A

やはり2日目も開始時間は約30分遅れました。参加者の到着を待っている間、Dr. Gunner Kahlに日本ではもっ時間厳守するのが普通だけどと話したら、ドイツでもそうだと答えていましたので、東南アジア諸国ではまだそういう時間通りに行動するという習慣ができていないのかもしれないと感じました。
昨日のDr. Gunner KahlのPEC計算式は参加者にとっては難解だから、理論よりももっと具体例で説明した方がよいと助言しておいたら、明日は全員ノートパソコンを持参するように指示をしました。一人一人のノートパソコンにUSBでPEC計算のソフトをインストールし、簡単な問題を出して、グループごとに計算をさせました。
なかなか答えが出せたという手があがらないので、Dr. Gunner Kahlが机の間を回ってみたら、50%乳剤をha当たり1リットル散布した場合のha当たりの有効成分量の計算でとまどっていました。そのうち、先輩格の参加者が前に出てきて、黒板代わりの紙を使ってこうやって計算するのだとインドネシア語で説明をしてくれました。
最後に皆で集合写真を撮りましたら、何人かの女性参加者がスマートフォンで私と並んで写真を撮ってもいいかと言ってきましたので、もちろんと答えて一緒に写真に写りました。そういうところは、インドネシアの女性は素直だなと感じました。

参加者たちは、この計算式はインドネシアの環境でも使えるかという質問をしましたが、Dr. Gunner Kahlが、正確にはいくつかの基礎的情報をインドネシアの圃場条件で試験をして測定することが必要だと答えたら、自分たちの国にはそういう試験をする設備がないのでできないと肩を落としていました。日本のJAICAがずいぶん発展途上国(特に戦争中に迷惑をかけた国には)に今まで援助をしてきた筈ですが、現実にはまだまだ自前でリスク評価をする条件は整っていないというのが実態かもしれません。それもあって、政府はえてして厳しい規制をしようとしているのかもしれません。
それともう一つ気になったのは、今まで何回もCrop Life Asiaが同様のワークショップを開いてもほとんど変化がなかったので、私やDr. Gunner Kahlのような第三者を連れてきた理由の一つは、過去に先進国は自分たちの国では安全性上問題が指摘されて使用できなくなった農薬を、大量に途上国に持ち込んで売りさばいて処分したので、政府が農薬企業を信用しなくなったと誰かが言っているのをちらっと聞きました。そのために、新規に開発された農薬については、先進国で登録が認可になるまでは途上国では登録のための圃場試験をさせない、という政策をとっているのかもしれません。日本の農薬企業がそいうことにどれだけ関わっていたのかわかりませんが、企業倫理が厳しく問われるべき場面だと思いました。

ホテルから空港までの高速道路が渋滞して飛行機に乗り損ねると大変なので(Dr. Vasant Patilはシンガポールで乗り換えて、スリランカのコロンボ行きの飛行機に乗る予定でした)、会議の終了後ただちにタクシーで空港に向かいました。時間が早かったせいか金曜の午後だったにもかかわらず渋滞はなく、早めに空港に着いたので、2人でホッカホッカ弁当店に寄って昼食を食べました。紙ナプキンには、略してHok Benと印刷してありました。こんなところにも日本の企業が進出して事業を展開しているのかと、ちょっと感動しました。