2015年12月18日金曜日

東京農業大学総合研究所では時々フォーラムを開催しますが、今日は国連国際土壌年2015年記念として、大橋欣治博士による「水と土の文化・文明」と題した講演会が世田谷キャンパスの1号館で開催されました。大橋先生は総合研究所研究会の副会長も務めていますが、元々は東京大学農学部の農業土木の出身で、長年農水省に勤務(最後は北陸農政局長)後、鹿島建設専務取締役も務めた方です。

私は今まで水と土を扱う農業土木という学問分野について深く考えたことはありませんでしたが、今日の講演を聴いて、実は人類の生存を支えるきわめて重要な分野だということがよくわかりました。人類の歴史上、水と土は母なる水、母なる土と称されるように文化・文明に深く関わっていることを認識しました。
準備された68枚のスライドは国内、国外の貴重な写真を含み、1時間半の時間ではじっくり見る時間がなかったことは残念でした。本来、15回ぐらいのシリーズで聴きたい内容でした。幸い、最近(2015年10月21日発行)東京農業大学出版会から「水と土の文化論」(大橋欣治著、3,800円)が出版され、私も一部いただきましたので、時間をみてじっくり読んでみようと思っています。

日本でも昔から水田を作るために灌漑や干拓や開墾が行われてきたのでしょうが、腰まで水に浸かって泥だらけになりながら芦原(アワラ)で田植えをしている農村婦人の写真は富山県中新川白萩(現・上市町 種地区)で1955年に撮影されたもののようですが、茨城県北浦周辺の左岸(上流に向かって)で数年前に見た蓮田(ハスダ)での収穫作業の光景を思い出しました。大橋先生も、この写真をみてショックを受け、農業土木の重要性を認識したと述べていました。

アメリカのマージーさんから、先日亡くなったジョアンさんの葬式が16日に行われ、参列してきたとのメールが届きました。死因は心臓発作(心筋梗塞?)だったとのことでした。フランク君もジョアンさんも、それぞれ同じ年齢の幼児だった息子と娘を預けていた保育所で出会って再婚しましたが、間もなくジョアンさんの躁うつ病(Bipolar)が発症し、それと戦いながら結婚生活を全うしました。フランク君は急に今までの支えがなくなって、これから何を支えに生きていくのか、つらい時期が続く筈です。