2016年8月10日水曜日

インドネシアでのワークショップも予定より30分遅れて開始しました。交通渋滞が日常化しているのでやむを得ないのかもしれませんが、国民性として日本のように時間を正確に守るという習慣がないのかもしれません。
私の講演では、農薬の安全性は制度としては確保されているが、農家が使用基準を遵守することが前提ですという結論にして、続いてCrop Life Indonesia(インドネシア農薬工業会)のDedi Triadi氏のインドネシアにおける農薬の安全性確保の取り組みに関する講演にバトンタッチしました。
Dr. David Zarukの講演はタイにおける講演とほぼ同じ内容でしたが、昨夜の事前打ち合わせ会での現地主催者の提案を受けて一部変更しました。
Q and A(質疑応答)の時間には、インドネシアならではの興味深い討論がありました。政府がIPM(Integrated Pest Management 総合的有害生物管理)を推進している関係で、農家にNatural Pesticides(天然農薬)の使用を奨励しているとのことでした。天然物は安全という考えは間違っているということの指摘と、ニームオイルについても有効成分のアザジラクチンは弱いIGR(昆虫成長阻害)活性しかなく、光や温度や空気に対して不安定なことや、殺精子活性があるので途上国では伝統的に男性の避妊薬として使われてきたことなどを指摘しておきました。

私が滞在しているPullman Jakarta Indonesiaホテルの5階の部屋の窓からはすぐ前に森が見えますが、この辺りは高層ビル群に囲まれています。全てのプログラムが終わってから、Dr. David Zarukと、Crop Life Asiaのメンバー2名と、4人で近くの高層ビルの56階にあるレストランに行ってビールと夕食で打ち上げ会をやりました。56階のレストランのテラスには小さなプール(池)まで設置してあり、360度見渡せる夜景がきれいでした。
Dr. David Zarukはヨーロッパで講演慣れしていて、スライドも面白かったのでUSBに入れてもらいましたが、彼の方も私が講演で使ったスライドがほしいと言ってCrop Life Asiaのメンバーに送ってくれるように頼んでいました。今回のワークショップは、私がサイエンスの話をし、彼が政策の話をし、ちょうどいい組み合わせになったと思いました。