2017年1月26日木曜日

JR外房線大網駅で12時の待ち合わせでしたので、11時54分着の電車で行ったら、すでに迎えの車が駅前の駐車場で待っていてくれて長生郡長柄町のリソル生命の森リゾートにある日本メディカルトレーニングセンター(旧名:長柄ふる里村の日本エアロビクスセンター)に連れて行ってくれました。
http://www.seimei-no-mori.com/aerobics/facilities.html
建物の内壁には、過去にこの施設を使った多くのアスリートや著名人のサインが書き込んであります。
素晴らしい施設で、建物の外には400mの陸上競技のトラックがあり、珍しいヤドリギ(宿り木、寄生木) Viscum album subsp. coloratum (英名 mistletoe)が目に入りました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%AE








(株)東京アグリビジネスの社員研修会は2階の大きな部屋で行われ、社員約40名の他に同社が防除を請け負っている各地のゴルフ場のグリーンキーパー約35名が参加していました。
私の講演は、スライドの枚数は多かったのですが写真が多く含まれていましたので、予定より早く1時間半ぐらいで終わりました。終わってから、これならもっとゆっくり話せばよかったと反省しましたが、後悔先に立たずです。それでも、意図したことの半分~3分の2ぐらいは伝わったかなと思いました。

私の後に、片倉コープアグリ株式会社の技術顧問の野口勝憲博士の、「土壌微生物と土作り」という演題の講演がありました。野口博士のご専門の土壌学・植物栄養学・土壌微生物学の立場から、ゴルフ場の芝を健全に育てるのに有機物と微生物がどう役に立つか解説され、私にとっても大変興味深く勉強になりました。
一般の畑と違って、芝は一度植えると掘り返す(耕す)ことができないので、根の伸長に必要な酸素の供給はコアリングでできても、微生物相を豊かにする有機物の供給は難しい問題だと認識しました。
日本全国でいわゆる微生物資材が200商品ぐらい流通しているそうですが、農薬や肥料のような法的に裏打ちされた登録制度がないので、土壌改良剤とか植物活性化剤とか農薬取締法や肥料取締法に抵触しないような宣伝・販売がされているようです。品質の規格化を目指して土壌改良資材協議会ができて約80社が参加しているとのことでした。中には眉唾物(まゆつばもの)の商品もあるのでしょうが、政治家を使って行政に圧力をかけて行政機関の公認や後押しを得るようなことも行われているのかなと思いました。
質疑応答の時間に参加者のグリーンキーパーからたくさんの質問が出されましたが、確信のもてないことについては正直にわかりませんと答えておられたのは、野口博士の科学者としての誠実な姿勢を表していると感じました。




懇親会は参加者が宿泊しているリゾート内の高層(16階建て)のホテルトリニティ書斎 http://www.seimei-no-mori.com/stay/trinity_shosai.html の1階レストランで行われましたが、ロビーには人間と会話ができるロボットの「ペッパー君」が立っていて、皆で試してみたら想像した以上に能力があって驚かされました。ある人が私の年齢はと尋ねたら、ロボットが両腕を水平に上げて人間の手をその上に置かせ、目をじっと見つめて、65才ですと答えました。ピッタリ合っていたので、今度は私が試してみたら、実際は74才のところを71才ですと少し外れましたが誤差の範囲内でした。
最近は、チェスや囲碁将棋でもロボット(コンピューター)が人間の名人を負かすというニュースを聞きますが、子供の頃夢中になった手塚 治の鉄腕アトムのマンガに描かれていたような世界がすぐ目の前に現実になりかかっているのかもしれません。
私が大学院生だったほんの50年ちょっと前には、実験で得られたデータの平均値の計算を算盤(そろばん)でやっていたのですから、科学技術の進歩は大したものです。
帰りはまた大網駅まで車で送ってもらって、自宅には夜10時頃着きました。
野口勝憲博士と知り合いになれたことは私にとっても大きな収穫でした。