2017年2月14日火曜日

バイエル社がスポンサーの第3回世界若者農業サミットに派遣する日本代表2名を選ぶ最終選考会は、今週の金曜17日に東京駅前のビルのステーションコンファレンス東京で行われる予定ですが、書類選考で選ばれた5人の候補者の英文の小論文を精読しています。いずれも力作ですので、この中から2名に絞り込むのは大変です。あと2日ありますので、それまでに全員分を何回も読み返して、しっかり頭に入れていこうと思っています。

先日東京農大で開催された生物的防除部会の講演会の演題3はフェロモンについての話題でしたので、日本で農薬登録を取得している行動制御剤は何製品あるか事前に調べてみました。行動制御剤は、①害虫の雌が放出する性フェロモンを化学合成したものを圃場に設置して雄を混乱させて交尾阻害させることで次世代の発生を少なくするものと、②誘引活性のある物質を殺虫剤と組み合わせて誘引殺虫して害虫密度を低くするものと、③忌避活性(嗅覚阻害または味覚阻害)のある物質によって食害防止効果を狙う3つのタイプに分けられます。同じ有効成分でも発売メーカーによって製品名が異なる場合もあります。全部をカバーしているかどうかはわかりませんが、メモしただけでも少なくとも①は24製品、②は13製品、③は6製品ありました。合計43製品中、約半分の21製品は信越化学又は信越化学工業のものでしたから、この分野における信越化学の貢献が大きいことがわかります。
フェロモン剤を1作物1害虫に対して圃場で防除効果試験をするだけで合計試験費用が約250万円かかるという説明でした。
開発コストが高いことも(ということはそれを使う農家の購入価格も高くなります)フェロモン剤が期待するほど普及していない理由の一つという説明でしたので、質疑応答の時間に私が信越化学を名指しで、フェロモン剤は一般にどれぐらい農家に使ってもらえればメーカーとしては採算が合いますかという質問をぶつけてみました。
私としては市場(売上額)のつもりでしたが、担当者は、フェロモン剤が日本で害虫防除に使われている総圃場面積(何千ヘクタールだったか数字は忘れましたが)に言及して回答しました。
1種類の害虫が複数の作物を加害する場合がありますので、作物ごとに実証試験をして登録を取ろうとすると莫大な試験費用がかかります。これは化学殺虫剤でも同じです。そのために、最近は作物を野菜類とか果樹類とかグループ化して登録を認めてコスト削減を図る努力もされているようです。
フェロモンも天敵も民間企業では採算が合わない、あるいは努力(投資)に見合う利益を得るのが難しい場合は、技術を維持・発展させるために国が補助金でサポートすることが必要なのではという印象を受けました。一方で、国が補助しなければ成り立たないビジネスをいつまでも維持する必要があるのかという議論もあるでしょうが、今もし信越化学がフェロモン剤ビジネスから撤退するようなことになれば、フェロモン剤の供給者がいなくなって大変なことになるだろうなと想像しました。

今日も昼休みに道場で空手の稽古と筋力トレーニングを1時間しました。その後自宅で机に向かって小論文の読み込みをしていたのですが、やはり少しでも野外で運動をしたいと思って午後3時半頃から江戸川の葛飾橋を渡って水元公園Cブロックに行って、2時間ウォーキングをしてきました。まだ右足の内側のくるぶしの違和感(痛み)がありましたので、ジョギングはしませんでした。
葛飾橋の橋梁塗装工事は半分ぐらい終わったところで止まっていますが、錆が浮き出ている塗装前に比べると、塗装は橋梁の耐用年数を延ばすのに必要だということがよくわかります。
水元公園のサッカー場では、幼稚園生か小学1年生ぐらいに見える幼児が大人のコーチの指導でサッカーをしていました。
不動池ではラッキーなことに今日もカワセミに出会え、コサギも来ていました。地面では枯草の間に小さな花も咲いていました。梅や河津桜でなくても、草むらの雑草でも春の兆しが感じられます。
夕方で暗くなりかけていましたので、大きなケヤキの木にはムクドリの大群が留まっていました。