Kelly Brown君は私のノースカロライナ州立大学勤務時代からの剣道の弟子/友人で、私は日本に帰国後も古巣を訪ねる時は毎年必ず足を延ばして一泊二日で彼を訪問し、一緒に魚釣りをしたり山に登ったりして旧交を温める関係です。私の道場の剣道のクラスに入門したのはフェンシングをやった経験から興味をもったようで、その他にバンジョーという庶民的な楽器でブルーグラスというジャンルの音楽を弾いたり、モーターサイクルギャングのように皮ジャンを着て大きなオートバイを乗り回すのが趣味の男です。元々ウィンストンセイラムというノースカロライナ州の南西部の田舎町の近くで育ったので、悪名高いKKKのメンバーではなくても、典型的な南部の保守的な人間です。白人だけの仲間内で会話をしている時は、黒人を今は禁句の蔑称ニガーと呼んだりもします。
彼がフェースブックに最近アップした記事が目に留まりました。アメリカ大統領選挙は2016年11月8日に行われ、人種差別や白人優先主義ととられかねない発言をするトランプ氏が選ばれましたが、この記事はフロリダ州在住の男性が2016年4月6日に投稿し、できるだけ多くの人に拡散するように依頼していますので、トランプ支持の選挙活動の一環だったのかもしれません。
http://www.asahi.com/special/timeline/20161108-us-presidential-election/
を見ると、トランプ陣営はフロリダ州の選挙人29人を勝ちとっていますので、このようなネットを通した選挙活動や情報操作が効果を奏したのかもしれません。
内容を見ると、収入金額の正確性は私にはわかりませんが、アメリカの白人のブルーカラーワーカー(労働者)が一番馬鹿をみているという主張を上手に訴えています。前のオバマ大統領が黒人だったということと、マイノリティー(少数派)の黒人やラティノ(メキシコやプエルトリコなどから移住したラテン系)の貧しい人たちに手を差し伸べる政策をとったことによって、逆に今までアメリカを支えてきたマジョリティ(多数派)の自分たち白人の労働者が不利益を被っているという反発が根底にあるのでしょう。
アメリカの南部に住んでいる白人たちは、個人的には大変親切で、日本ではすでに失われてしまったような困った時にはお互いに助け合う精神や文化も持っていて、素晴らしい人たちなのですが・・。
本当は、このギャップを広げるのではなく、狭めてなくしていくことが政治家の役割の筈です。
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