2018年2月24日土曜日

(一財)日本環境衛生センター東京事務所で日本有害生物研究会第31回フォーラムが開催され、興味深い講演が2題ありましたので私も聴講してきました。行く時はJR新橋駅から都営大江戸線「ゆりかもめ」に乗り換えて、汐留駅で降りました。汐留駅前には高層ビルが建ち並んでいました。




東京大学名誉教授の田付貞洋先生とは、彼が東京大学の大学院生で私が名古屋大学の大学院生だった頃からの知り合いですが、文部科学省の全国国公立大学等皇居1周駅伝大会でもよく顔を合わせた仲でした。もっとも、彼は東大チームのアンカーで皇居1周5kmを16分半で走って優勝に貢献したのに対して、千葉大学チームで走った私の自己ベストタイムは19分53秒ぐらいだった筈ですから、全然走力のレベルが違います。
田付先生の演題は「外来アリ問題を考える:ヒアリとアルゼンチンアリ」でした。私が記憶していた田付先生の東京大学時代の研究テーマは農業害虫のニカメイガのフェロモンでしたが、その後衛生害虫のアルゼンチンアリの研究をされたとのことでした。ヒアリについては実際に自分で研究したことはないとのことでしたが、日本では最近ヒアリが侵入して話題になっているのでヒアリとアルゼンチンアリの両方について取り上げました。ヒアリもアルゼンチンアリも元々南米原産ですが、日本で見つかったアルゼンチンアリはどこから侵入したかという問題について、このアリは同種のアリでも出身地が違うと体表面のワックスの成分が違うということと、違う出身地のアリに対しては敵対性行動をとるという性質を利用して、日本のSC(スーパーコロニー)はヨーロッパのSC、カリフォルニアのSCと同じ出身だということを証明したとのことでした。今さらながら、生物学の研究というのは面白いなあと感じる素晴らしい講演でした。

    (スライドはクリックすると拡大できます)









































麻布大学名誉教授の内田明彦先生の演題は「犬を感染源とする寄生虫症」でした。内田先生は獣医ですから、家畜や野生動物の病気が専門分野の筈ですが、家畜から人間にも感染する一例として犬の回虫について、ペットの犬に顔を近づけるスキンシップをすると危険だという警告はショックでした。
狂犬病は日本では長年の努力で根絶に成功しましたが、世界的には毎年多くの死者がでている恐ろしい病気だということと、昭和25年(1950年)に撮影された映像が見つかって、それを復元してDVDに記録したものを再生して映写してくれました。狂犬に耳を噛まれた4才の少年(児童)が、狂犬病(恐水症)を発症して死に到までを撮影した大変ショッキングな映像でした。
内田先生の講演も、人類が歴史始まって以来様々な病気と闘ってきて、それらを克服して今日があるということをあらためて実感させる素晴らしい講演でした。
































帰りは夕方の時間になりましたが、歩いて新橋駅まで行きました。駅の近くの通りは飲食店がずらっと並んでいました。サラリーマンが仕事帰りに寄って一杯やっていくのでしょう。