東京都千代田区平河町の砂防会館向かい側の海運クラブ(地下鉄半蔵門線永田町駅から徒歩1分)の2階ホールで、全国農薬協同組合(通称全農薬)の第53回総会・全国農薬安全指導者協議会(通称安全協)の第41回全国集会が開催され、私も招待されましたので出席してきました。
役員等の挨拶に続いて、平成30年度事業報告・収支決算、平成31年度事業計画・収支予算(案)、役員改選の議事があり、その後安全協活動報告として本年7月に秋田県、埼玉県、富山県で実施された農薬シンポジウム(いずれも私が基調講演とパネルディスカッション参加)の報告と、佐賀県会員が担当した農薬危害防止運動報告がありました。農薬シンポジムでは3県とも参加者に農薬に関するアンケート調査を実施し、シンポジウム聴講前後で農薬に対する理解が大幅に変化(増進)したことを示す結果が報告されました。
休憩を挟んで2題の特別講演がありました。
1題目は、農林水産省農林水産技術会議研究総務官の島田和彦氏(元植物防疫課長)による「先端技術の活用とスマート農業の実現について」と題する講演でした。
現在の日本農業は、農業従事者の平均年齢が67才と高齢化していることと、経営耕地面積は5ha以上が57.9%と年々大きくなってきたとは言え、数年後に高齢者が退場すると耕作放棄地の増加、労働力不足、熟練技術者不足が大きな問題になることが予想されます。これらの問題を解決するために、精密農業と先端技術を組み合わせてスマート農業を発展させることが重要という指摘でした。例えば、一人で4台のロボットトラクターを遠隔監視して作業させ、しかも現在は数10cmの作業誤差が数cmに縮小することが可能になったり、トマト収穫ロボットに夜間に無人で収穫作業をさせることが可能になるとのこと。
つまり、農地を担い手に渡して大規模化し、高齢者をスマート農業を実行できる若手で置き換える時代が来るということでしょうが、一方で農水省はこれらの動きとは反対の小規模の家族経営の有機農業を推進する政策も続けていますので、この矛盾をどう解決していくのか・・。
2題目は、農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室長の石岡知洋氏による「農薬取締法の改正について」と題する講演でした。
前回の農薬取締法の大きな改正は平成15年(2003年)に行われましたから、本年6月15日に公布された改正は15年振りとなります。主な改正点は、再評価制度の導入と農薬の登録審査の見直しの2点ということでしたが、後者については原体規格制度の導入とジェネリック農薬の申請の簡素化が主な内容のようです。
農薬の安全確保にとって、登録制度と登録農薬の適正使用は車の両輪に相当するという説明があり、適正使用には、使用者の知識習得と意識向上が重要との指摘がありました。
私が農業資材審議会農薬分科会の委員になった当初は、個別の農薬の登録内容(例えば使用基準)の変更なども審議の議題になっていましたが、その後議題にならなくなっていたのが、今回再び専門的な部会の検討を経て農薬分科会の審議の対象になったようです。
その後、各関係団体による来賓祝辞があり、閉会後情報交換会(懇親会)がありました。